2026年5月27日
東京センチュリー(東京都千代田区)は5月21日、次世代太陽電池の開発・製造を行うPXP(神奈川県相模原市)に対し、量産工場の建設を支援するため追加出資を行うとともに、製品の優先供給を見据えた業務提携契約を締結したと発表した。
PXPの技術により太陽光発電によるコーポレートPPAビジネス事業の拡大を図る。あわせて、EV車両への搭載による「移動体でのエネルギー自給自足」など新事業領域の開拓を推進する。
PXPは、カルコパイライト太陽電池の開発・製造とともに、カルコパイライト型とペロブスカイト型を組み合わせたタンデム型太陽電池などの開発を推進。タンデム型では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業にも採択されている。
東京センチュリーは、今回の出資と業務提携契約を脱炭素社会への貢献に向けた重点施策の一つと位置付ける。今回の提携により、東京センチュリーが注力するコーポレートPPAは、製品供給と導入エリアの両面で進化するとしている。
現在、国内の再エネの導入を阻む大きな要因の一つに、従来の重い太陽光パネルでは「設置できる場所が限られる」という適地不足の課題がある。同社はこの課題を解決するため、PXP社が開発する軽くて曲がるカルコパイライトの革新的な技術を支援する。
カルコパイライト太陽電池は、従来のパネルに比べ1/10以下の重さを実現する。建物の耐荷重制限により導入を諦めていた古い工場や倉庫、さらにはカーポートなどの屋根を有効活用した脱炭素ソリューションを顧客企業へ提供する。これまで活用されてこなかった場所を「発電拠点」に変えることで、クリーンエネルギーの普及を加速させてる。
PXPとの提携を通じて、量産後の製品確保に向けた協力関係を構築する。PPA事業では安定稼働が求められるが、PXPが開発するカルコパイライト太陽電池は⾧期の耐久性に優れている。信頼性の高い製品を早期に確保することで、顧客企業の脱炭素ニーズに確実に応えるとしている。
今後、東京センチュリーの強みであるモビリティ部門と連携し、EV車両への搭載など、新事業領域の開拓に取り組む。将来的には、PXP社が開発を進めるペロブスカイト・タンデム型太陽電池の活用も視野に入れる。
東京センチュリーは今回、PXPに対して、シリーズBラウンドにおける追加出資を行うことを決定した。また、5月14日には新明和工業(兵庫県宝塚市)がPXPに対し出資したことを明らかにしている。
PXPが注視する市場として、人工衛星、モビリティ(EV向け)、携帯基地局、デジタルサイネージなど、産業屋根(耐荷重性能が低い建物)、アウトドア・防災の5つを挙げていることを紹介。これら市場成長性への期待に加え、自社主力製品との親和性、量産時の自社真空成膜装置の活用を見据え、出資を決めた。PXPでは、ドライ製法(真空成膜)を用いた低コストの量産製造プロセスを確立しており、その過程において、新明和工業の真空成膜装置の適用が検討されている。
シリーズAラウンドでは、ソフトバンク(東京都港区)をリードインベスターとして、既存株主のSOLABLE(同・千代田区)、三菱HCキャピタル(同)、豊田通商(愛知県名古屋市)など、計9社が参加し、総額15億円の資金調達を実施した。ソフトバンクは約10億円の出資を行い、PXPの株式の約29.9%を取得。東京センチュリーは、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)との共同投資ビークルである合同会社J&TC Frontierを通じて出資している。
PXPは、さまざまな企業と連携し、「カルコパイライト太陽電池」の実証を進めている。
神奈川中央交通(同・平塚市)、豊田通商とは路線バスに、サントリーホールディングス(大阪府大阪市)は自動販売機に、東プレ(東京都中央区)と低温物流車に、名古屋電機工業(愛知県あま市)とは道路付帯設備に活用する実証を展開する。
三菱電機(東京都千代田区)が行う、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業では、太陽電池セルの開発で、PXPと連携するほか、神奈川県と連携し、次世代型タンデム太陽電池の社会実装に向けた実証を進めている。
記事内容へ





2026.05.27
東京センチュリー(東京都千代田区)は5月21日、次世代太陽電池の開発・製造を行うPXP(神奈川県相模原市)に対し、量産工場の建設を支援するため追加出資を行うとともに、製品の優先供給を見据えた業務提携契約を締結したと発表し…続きを読む
2026.05.26
エンバイオ・ホールディングス(東京都千代田区)は5月18日、長野県において、特別高圧系統用蓄電所に関する土地と一般送配電事業者との系統連系に係る権利を取得したと発表した。 今後、事業化の可能性を検討する。自然エネルギー事…続きを読む
2026.05.25
静岡県と電気通信大学は4月27日、ぺロブスカイト太陽電池を封入した「吊り橋型円筒形太陽電池モジュール」を茶畑などの急峻な斜面に設置するソーラーシェアリング事業の実証実験を開始したと発表した。実証では、発電量の計測および茶…続きを読む