2025年12月17日
関西電力(大阪府大阪市)は12月11日、栃木県佐野市でバイオマス発電事業に参画すると発表した。今後は、2028年9月に運転開始予定の「佐野発電所」で生み出される再エネ由来の環境価値を、バーチャルPPAの仕組みを活用し、東京地下鉄(東京メトロ/東京都台東区)に対し提供する。
新設する「佐野発電所」は、関東地方の一般木材や未利用間伐材等を燃料とする木質専焼の発電所。出力7.1MWで、1年間で一般家庭1万8000世帯分の使用量に相当する約57GWhを発電する。
施設の運営は、関西電力のほか、バイオマス・フューエル(東京都千代田区)、ビーエイブル(福島県大熊町)、那須建設(山形県長井市)が出資する佐野バイオマス発電(群馬県館林市)が行う。
東京メトロは、環境価値供給に向け、佐野バイオマス発電と、地下事業者初となるバイオマス発電のバーチャルPPA契約を締結した。同契約に基づき、東京メトロは、約19年間にわたり年間約51GWh分の追加性のある再エネ由来の環境価値の提供を受ける。
この取り組みにより、東京メトロの年間のCO2排出量の6.5%にあたる約2万1981t削減される見込みだ。
東京メトロでは、長期環境目標「メトロCO2ゼロ チャレンジ 2050」を設定。グループ全事業のCO2排出量削減目標として、「2030年度に53%削減(2013年度比)、2050年度実質ゼロ」を目指している。
これまでも、エネルギー効率に優れた車両や環境負荷の少ない設備の導入に加え、国内鉄道業界初となる陸上風力を活用したバーチャルPPAによる銀座線の使用電力の一部を再エネ化や、電車がブレーキをかけたときに発生する回生電力の有効活用を目的とした省エネ施策などを実施してきた。
同社は今後も、目標達成に向けて、バーチャルPPAをはじめとした多様な手段による再エネの活用をさらに推進し、脱炭素・循環型社会の実現に貢献していきたい考えだ。
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2025年12月16日
九州大学と同大学発のスタートアップ企業であるJCCL(福岡県福岡市)は12月11日、西部ガス(同)の都市ガス製造工場で回収した排ガス由来のCO2から、カーボンニュートラルな都市ガスである「eーメタン」 を合成し、クリーンガス証書を取得したと明かした。今回、排ガス由来の合成メタンに対し第三者認証を受けたことは、画期的な成果であると、両者は説明している。
九州大学とJCCLは、2022年に、西部ガス(福岡県福岡市)とともに、都市ガス燃焼後排ガス中のCO2利用に関する共同検討を開始。2023年11月からは、環境省の「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証」にも参画している。
3者は今回、九州大学とJCCLが共同開発したCO2回収装置(VPSA2)を用いて、西部ガスの都市ガス製造工場にて、都市ガスボイラ排ガスからCO2を回収し、99%まで濃縮した上で、西部ガスのメタネーション設備にCO2を安定的に供給する実証を完了した。
このCO2を原料に、同設備でメタンガス(都市ガスの主原料)を合成。製造されたeーメタンが、環境価値を有する「クリーンな都市ガス」として認証された。
クリーンガス証書とは、クリーンガス製造設備の認定を取得した製造設備で製造されたeーメタンやバイオガスが持つ、燃焼しても大気中のCO2が増えないと見なせる価値(環境価値)を、 クリーンガス相当量認証を通じて証書化したもの。 クリーンガス証書により、広く環境価値の移転が可能になる。
JCCLは、固体吸収法と膜分離法の両技術を有し、CO2分離・回収に関して、材料・性能評価・装置・プロセス設計技術までをワンストップで提供できる点に強みがある。
10月には、大日本印刷(DNP/東京都新宿区)と、CCU技術を活用した事業開発やGHG排出量削減などを目的とした協業を開始。この一環として、DNP科学分析センター(東京都港区)にJCCLのCO2分離回収装置を導入し、顧客向けにCO2分析サービスの提供を始めた。
CO2回収技術は、メタネーションなどカーボンリサイクル技術の基盤としてさらなる展開が期待される。JCCLは引き続き、CO2分離・回収技術の高度化、スケールアップや社会実装を推進し、脱炭素社会の実現と地域循環型エネルギーシステムの構築に貢献していく。
【参考】
・九州大学―九州大学・JCCLが西部ガスの都市ガス工場で回収したCO₂から カーボンニュートラルな都市ガス『e-methane』が合成され クリーンガス証書を取得しました!
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