2025年4月23日
パナソニック 空質空調社(東京都港区)は4月16日、日本初(同社調べ)となる直流電源を主とした業務用空調機を実用化したと発表した。太陽光発電や蓄電池から直流で出力された電力を空調機で使用する。
家庭やオフィスなどで使用される機器の多くは交流を電源として動作する。一方、近年導入が進む太陽光発電や蓄電池の入出力は直流であり、建物内への配電として交流に変換される際に電力ロスが生じる。
パナソニックが新たに開発した業務用空調機は、「一体型ハイブリッド空調 スマートマルチ」が特徴だ。
スマートマルチとは、ガスヒートポンプエアコンと電気式ヒートポンプエアコンを組み合わせた空調機のことで、ガスと電気の運転比率を最適制御することで、省エネ性に加え、災害時にガスと電気のいずれかが遮断されても運転継続が可能なレジリエンス性を発揮する。
これまでは交流でしか使用できなかったが、停電時に空調機に内蔵した発電機から生まれる直流で空調運転させる「直流連携技術」を組み合わせることで直流対応が可能になった。
開発した空調機は、大成建設株(東京都新宿区)らが手がける地上26階建ての大規模複合施設「本町四丁目 プロジェクト」(2026年7月竣工予定)オフィス部分に採用されるという。導入台数は3台の予定。
同プロジェクトは、国内最大規模の直流電流システムを導入し、再エネ由来のグリーン電力を建物内で自家消費することを目指している。パナソニックは同空調機の提供を通じて、交流直流の変換ロスを低減させ、電力使用に伴うCO2排出量削減に貢献していく。
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2025年4月22日
関西電力(大阪府大阪市)は4月1日から、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場へ太陽光発電、水力発電、原子力発電、水素発電を組み合わせたゼロカーボン電力の供給を開始した。
非化石証書などの活用に加えて、太陽光発電による供給では、発電量と大阪・関西万博会場での電力消費量がリアルタイムで一致していることを証明するアワリーマッチングの実証も行う。
この取り組みでは、関西エリアに点在する太陽光発電による発電量データを集約し、電力消費量データと照合した後、ブロックチェーンに記帳することで、太陽光発電による電力が30分単位で消費されていることを証明する。
近年、24時間365日、再生可能エネルギーを中心とするゼロカーボン電力100%使用を目指す「24/7CFE(24/7CarbonFreeEnegy)」の取り組みに関心が高まっており、今回の実証では、リアルタイムで発電量と電力消費量の一致を担保するアワリーマッチングの仕組みつくりに取り組む。
なお、2021年9月に国連主導で発足したイニシアティブ「24/7 CFE Compact」は、24/7 CFEの普及を促進している。米国連邦政府やGoogle・Microsoft、スタンフォード大学など、エネルギー会社、政府、システムオペレーター、ソリューションプロバイダー、投資家・金融機関等が171者が加盟しており、日本からは北九州市や大阪ガスなど11者が加盟している(2025年4月時点)。
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