2026年3月3日
大林組(東京都港区)は2月26日、自社開発中の物流施設の屋根上に設置する太陽光発電設備を活用し、フィジカルPPA方式による再エネ供給事業に着手すると発表した。 この事業は、大林組グループのグリーンエネルギー事業の一環として実施されるもので、オンサイトの電力需要を満たすだけでなく、余剰電力をオフサイトの需要家にも供給する点が特徴だ。
具体的には、大林組が開発中の物流施設「(仮称)OAK LOGISTICS CENTER厚木」の屋根上に、グループ会社の大林クリーンエナジー(東京都港区)が太陽光発電設備を設置し、同施設へ電力を供給する。
系統連系出力は1.6MWで、年間発電量は260万kWhを想定。CO2削減効果はオンサイトとオフサイト合わせて約2,796t(オンサイト227t・オフサイト約2,569t)となる見通しだ。
物流施設が消費しきれない余剰電力は、FIP制度を活用し電力市場を通じて、大林グループが運営する商業施設や工場など複数施設に供給する。
また、夜間や曇天時など太陽光発電で賄えない時間帯の電力は、大林クリーンエナジーが取次事業者として環境価値付きで販売する。これにより、対象施設において再エネ導入率の実質100%達成を目指す。運転開始は2027年1月以降を予定している。
同施設は、4階建て、敷地面積2万7591.58m2、延床面積6万1877.58m2。屋上への太陽光発電設備設置に加え、構造部分に使用するコンクリートの一部には、大林組が開発した低炭素型のコンクリート「クリーンクリート」の採用を予定している。また、建設フェーズ、運用フェーズの双方における環境配慮により、CASBEE、BELSなどの環境認証を取得する予定。
大林グループは2019年に「Obayashi Sustainability Vision 2050」を策定し、「地球・社会・人のサステナビリティの実現」を掲げてグループ一体で脱炭素への取り組みを進めている。今回の事業も、自己託送制度を活用した電力供給やバーチャルPPAに続く、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環と位置付ける。
これらの取り組みを通じて発電事業で培った知見やノウハウを、建設事業における顧客の脱炭素ニーズへのソリューション提案に生かす考えで、企業価値の向上と持続可能な社会の実現につなげるとしている。
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2026年3月2日
コスモエネルギーホールディングス(東京都中央区)は2月25日、長崎県と宮城県で、ガソリンスタンド(サービスステーション/SS)跡地を活用した高圧系統用蓄電所を建設すると発表した。
SS跡地や遊休地を電力インフラとして再活用する取り組みで、これまでの蓄電ビジネス実証で得た知見を生かし、グループ一体で事業拡大を進める。
コスモエネルギーHDは、コスモ石油マーケティング(東京都中央区)が管理する敷地で建設に着手した。2027年度下期の運転開始を予定している。ともに発電出力は約2MW、蓄電池容量は約8MWh。
長崎県松浦市に建設する蓄電所では、パワーエックス(東京都港区)製蓄電池を採用する。宮城県仙台市に建設する蓄電所で採用する蓄電池は未定だ。
なお、長崎県松浦市の蓄電所は、2025年12月に経済産業省の系統用蓄電池などの導入を支援する補助金に採択されている。補助額は約1億3327万円。
2拠点の蓄電所では、卸電力市場に加え、需給調整市場や容量市場への参画による取引を計画している。これらの取引業務は、グループ会社のコスモエネルギーソリューションズ(東京都中央区)が担う。
コスモエネルギーHDでは、この2拠点にとどまらず、今後も系統用蓄電所や再エネ併設蓄電池の開発・運用を継続的に検討していく予定。
全国のSS数は、ガソリン需要の減少、地下タンク漏えい対策に係る負担、後継者難などにより減少し続けている。石油連盟(東京都千代田区)によると、SS数はピークを迎えた1994年度末の60,421カ所から2024年度末には27,009カ所へと減少しているという。
一方、近年、再エネの導入拡大に伴い、電力系統における混雑や出力制御の頻発が課題となっており、再エネの出力変動に応じて柔軟に充電・放電のできる蓄電池のニーズが高まってきている。
コスモエネルギーグループは、これまでの実証を踏まえ、高圧系統蓄電所はその規模感、全国的な配置可能性からSS跡地との親和性が高いことから、既存資産を活用した低炭素社会の実現を支えるインフラとして転換できると考えている。
また、同グループでは、中長期のビジョン「Vision 2030」で、再エネ発電~需給調整・蓄電~グリーン電力販売によるグリーン電力サプライチェーンの強化を掲げている。その一環として、石油エネルギーの供給地点であったSSを再エネの安定供給を支える電気エネルギーの調整拠点として再定義・活用していく。
コスモエネルギーHDでは、これまで三重県四日市市、埼玉県幸手市、愛知県長久手市、大阪府東大阪市において蓄電池設備の実証に取り組んできた。これらの実証を通じて、蓄電池設備の建設から運用までをグループで一貫して手がける体制を構築するとともに、蓄電池の充放電制御を最適化する自社エネルギーマネジメントシステム(EMS)の構築や、EMSを活用した電力市場取引の最適化など、系統用蓄電池に関する運用ノウハウを蓄積してきた。
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