2025年6月18日
三菱地所コミュニティ(東京都千代田区)は6月12日、レジル(同)と共同開発した新たな防災サービス「Solares+LiNK(ソラレスプラスリンク)」を埼玉県内のマンションに初導入したと発表した。
「Solares+LiNK」は、レジルの「マンション防災サービス」と、三菱地所コミュニティが管理マンション向けに展開している防災コンセプト「そなえLiNK」をかけ合わせた商品。防災対策を講じながら、同時にマンション1棟の電力をまるごと脱炭素化を実現する。
「マンション防災サービス」は、マンション一括受電サービスとともに、太陽光発電設備や蓄電池を設置し、災害時・平時の再エネ利用により脱炭素化を図るというもので、利用者は初期投資なしで災害時の非常用電源を確保できる。「そなえLiNK」では、三菱地所コミュニティが管理組合に代わって防災訓練や防災マニュアル作成などを代行する。
「Solares+LiNK」導入1号物件となる埼玉県内のマンションは、レジルの「マンション一括受電サービス」をすでに導入済みで、三菱地所コミュニティが培ってきたナレッジに加え、新設置する太陽光発電設備や蓄電池に関する情報を含めた拡充版の防災マニュアルが提供される。
同マンションの管理組合は、近年増加傾向にある大規模災害を背景に災害対策を検討していた。「Solares+LiNK」導入に際しては、以下の点を評価した。
同マンションでは、今秋をめどに各種設備の工事を行い、サービスの運用を開始する予定だ。
三菱地所コミュニティとレジルは2024年8月、業務提携に向け基本合意書を締結し、マンションのレジリエンス向上と脱炭素化推進につながるサービスの共同開発を決定した。翌9月に同サービスを開発。三菱地所コミュニティの管理物件に対し営業展開を始めた。
両社は今後も、災害に強く環境に優しいマンションの実現に向け連携を強化していく。
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2025年6月17日
積水化学工業(大阪府大阪市)は6月12日、同子会社の積水ソーラーフィルム(同)が、関西エアポート神戸(兵庫県神戸市)と連携し、神戸空港の制限区域内でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始すると発表した。空港特有の強風による影響などを検証する。
この実証では、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を神戸空港制限区域内の緑地帯にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を防草シート上(約50m2)に設置し、空港特有の耐風性能などの安全性や施工方法、耐久性・発電効率などを検証する。期間は、2025年6月から2027年3月までの予定。
空港制限区域内におけるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置は国内初の試みで、積水化学工業らは、軽量・薄型で柔軟性を有するペロブスカイト太陽電池の特性を生かすことで、空港機能を維持しながら将来的な再エネの導入拡大につなげたい考えだ。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再エネの導入拡大が求められる中、太陽光発電に関する取り組み、特にフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化が進められている。
積水化学グループでは、これまでに銀行店舗や学校体育館、新幹線の防音壁、風力発電タワーなどでの実証のほか、近年は静岡県内の湾岸施設や沖縄県宮古島市などより過酷な環境での検証を行っている。
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