2026年8月13日
東京都は7月27日、ペロブスカイト太陽電池「Airソーラー」を新たに都内に設置する事業者に対する支援する補助事業の申請受付を開始した。
予算額は昨年の4億円から大幅に増額し9億円。補助率は、Airソーラーの設置に要する経費(調査・設計費、設備費、工事費)の10/10、上限額は1件あたり3億円。申請書の提出期限は、2027年3月31日まで。ただし申請総額が予算額に達した時点で終了する。
都は、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を用いた太陽電池を「Airソーラー」とネーミングし、「2035年における都内導入目標約1ギガワット」を掲げ、普及拡大に向けた取り組みを進めている。Airソーラーは、薄く軽くフレキシブルという特徴を有し、設置対象の場所の範囲が広がることが期待されている。
都は、この目標達成に向けて、民間事業者などによるAirソーラーの設置を促進し、Airソーラーの設置事例の蓄積と量産体制構築を目指すため、2025年度に続き、Airソーラーを設置する事業者などに対し、その設置に要する経費を助成する。
助成対象事業者は、自らまたは発電事業者と連携し、Airソーラーを新たに都内に設置する民間事業者など。実施期間は、2026年度から2027年度まで。
交付申請の受付は2026年度、助成金の交付は2026年度と2027年度に行う。
助成対象となる主な要件は以下の通り。
・条件を満たすAirソーラーを都内に新たに設置(発電事業者が設置する場合を含む)し、その設備から得られた電気を活用すること
・事業内容や発電量等について情報提供が可能であること
・FITおよびFIPを活用しないこと
・設備の導入に当たって、再エネ特措法に基づく再生可能エネルギー発電事業計画に関し、資源エネルギー庁が発電設備種別ごとに策定する「事業計画策定ガイドライン」および「説明会および事前周知措置実施ガイドライン」に定める遵守事項等を遵守し、適切な事業実施のために必要な措置を講ずるものであること
・設計・施工にあたっては「フレキシブル太陽電池を利用した太陽光発電システムの設計・施工ガ イドライン」などのガイドラインに沿って実施すること
・系統に接続される場合、IoT製品のセキュリティ対策として、IP通信機能を有する機器のうち、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」(JC-STAR)の取得対象となる機器については、JC-STAR適合ラベル取得製品(★1以上)を使用すること
・助成対象事業者:Airソーラーを新たに都内に設置する民間事業者など
・助成額:Airソーラーの設置に要する経費(調査・設計費、設備費、工事費)の10/10の額、上限額は3億円
・申請受付期間:3月31日まで。ただし、申請総額が予算額に達した時点で終了する
・事業期間:2026年度と2027年度。実績報告期限は交付申請をした翌年度1月28日まで。
・予算額:9億円
・申請受付窓口:東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)
同事業での助成対象となる設備は、脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金(ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業)において、一般社団法人環境技術普及促進協会が委託した性能評価機関の評価を受け、性能要件を満たしたことが確認されたフィルム型のAirソーラーモジュール、または、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う「グリーンイノベーション基金事業」における「次世代型太陽電池の開発プロジェクト」において採択決定されている事業者が制作したAirソーラーを用いた製品。
該当するペロブスカイト太陽電池メーカーは現時点で以下の通り。なお対象にできるペロブスカイト太陽電池は「フィルム型」と明記されている。
・積水ソーラーフィルム(大阪市北区):JET認証取得
・長州産業(山口県山陽小野田市):NEDO事業採択
・カネカ(東京都港区):NEDO事業採択
・リコー(東京都大田区):NEDO事業採択
・パナソニックホールディングス(大阪府門真市):NEDO事業採択
・エネコートテクノロジーズ(京都府久御山町):NEDO事業採択
・積水化学工業(東京都港区):NEDO事業採択
・東芝(神奈川県川崎市):NEDO事業採択
・アイシン(愛知県刈谷市):NEDO事業採択
※国立研究開発法人産業技術総合研究所もNEDO事業に採択されている
東京都は、Airソーラーの普及拡大に向け、開発・実証への支援、都有施設への先行導入、民間事業者への設置支援に取り組んでいる。
開発・実証を支援する「Airソーラー社会実装推進事業」は2024年度に開始し、2026年度も継続している。2025年度には、東京ガスなど4社による住宅施設での実証を採択。日野市のモデルハウスで、壁面やバルコニー、窓などへの設置方法や稼働状況を検証している。
2026年1月には、実際の導入拡大に向けた施策も始めた。都有施設への先行導入では、都庁舎やお台場海浜公園、晴海客船ターミナルへの設置事業者を公募し、3月にリコーや積水ソーラーフィルムなどを選定した。
同時に、民間事業者による設置を支援する「Airソーラー設置事業者支援事業」を2025年度に創設。2026年度も継続し、7月27日から募集を開始。予算額は前年度の4億円から9億円に拡大した。
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2026年8月12日
大分県は7月24日、県内中小企業の脱炭素化を支援するため、「大分県中小企業等脱炭素推進コンソーシアム」を設立したと発表した。
7月10日には第1回会議が開催され、省エネ機器導入や遮熱シート施工・燃料転換など、県が実施する事業者向けの支援策を共有した。
県は、県独自のおおいたグリーン事業者認証制度に登録された事業者を対象に「省エネ機器(空調、LED)導入補助金」を拡充し、7月1日から募集を開始した。
高効率空調およびLED照明の補助率は、従来の1/2から4/5へと引き上げ、補助上限額も増額した。高効率空調の補助上限額は従来の50万円から80万円に、LED照明は30万円から48万円にそれぞれ拡大された。
同補助金では要件として、高効率空調は20%以上の省CO2効果、LED照明は蛍光灯からの交換設置が求められる。
なお高効率給湯器については補助率1/2、補助上限額15万円のまま据え置かれた。
また、県は、より広範な省CO2技術の導入支援に向け、2026年度の新規事業として「省CO2技術等活用補助金」を創設し、同日から募集を開始した。
同補助金は「省CO2技術部門」と「燃料転換部門」の2部門で構成される。補助率はいずれも4/5。
「省CO2技術部門」では、遮熱シート施工による屋根の断熱対策や、全熱交換換気、高効率冷凍冷蔵設備、高性能断熱材などの導入を支援する。補助上限額は480万円。
「燃料転換部門」では、重油ボイラーからLPGボイラーへの転換などを支援する。補助上限額は960万円。
補助金申請には、
・導入によって事業所の年間CO2削減量が該当部門の削減目標値(産業部門マイナス2.8%、運輸部門マイナス3.7%、業務部門マイナス4.0%)を下回ること
・「おおいた省CO2アドバイザー」のアドバイスに基づくこと
が要件となる。
これに伴い、県は「おおいた省CO2アドバイザー派遣制度」を開始した。建築士やエネルギー管理士、環境認証制度の審査員資格を持つ専門家が事業所を直接訪問し、具体的な省エネ方法を提案する。
利用料金は1事業者当たり年間3回まで無料。このアドバイスを受けることで、「省CO2技術等活用補助金」の申請が可能となる。
県は、移動手段の脱炭素化や職場環境の改善に向けた支援策も提示した。
「商用軽EV等導入補助金」では、商用軽電気自動車(商用・貨物・タクシーなど)の導入に対し、国の補助金に上乗せする形で定額30万円を補助する。また、普通充電器の導入に対しては補助率1/2、上限7.5万円(最大2基まで)を補助し、充電器単独での申請も受け付ける。
さらに、「暑熱対策事業費補助金」を創設した。対象となる設備や装備には、スポットクーラーや大型扇風機、空調服、水冷服などが含まれる。募集は「通常枠」と「賃上げ枠」の2枠で、通常枠は補助率1/2(上限50万円)、賃上げ枠は補助率2/3(上限70万円)。
このほか会議では、大分県エネルギー産業企業会が実施するエネルギー関連製品の研究開発などを支援する「エコエネルギーチャレンジ支援事業費補助金」や、自家消費型太陽光発電・蓄電池、コージェネレーション設備などを対象とする「中小企業等エコエネルギー導入緊急支援事業(補正)」なども紹介され、中小企業の脱炭素投資を後押しする県内支援制度全体を共有した。
今回設立した「大分県中小企業等脱炭素推進コンソーシアム」には、大分県エネルギー産業企業会や大分県トラック協会、大分県商工会連合会などの業界団体、大分銀行(大分県大分市)、豊和銀行(同)、大分信用金庫(同)、大分県信用組合(同)、大分みらい信用金庫(同・別府市)などの金融機関、および大分県が参画。県や金融機関、経済団体が中小企業向けの支援策や各業界の課題を共有し、今後の脱炭素施策を検討する。初年度は年3回程度の会議を予定している。
設立の背景には、政府が2026年度から本格開始する「排出量取引制度」がある。同制度の対象は年間CO2排出量10万t以上の大企業などだが、鉄鋼や化学などの大企業が集積する大分県は、産業部門が県内のGHG排出量の約66%を占めており、削減率が低調な製造業や運輸業の中小企業における脱炭素化が課題となっている。
県は2024年度に創設した「おおいたグリーン事業者認証制度」を中小企業支援の基盤として位置付けている。同制度は、CO2削減や脱プラスチックなどの目標を設定して取り組む事業者を認証する県独自の制度で、認証事業者は補助金の活用や金融機関によるサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)などの支援を受けられる。2026年6月1日時点の認証事業者数は207社。
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