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2026年9月17日

神奈川県、県有施設2カ所にペロブスカイト初導入 積水ソーラーフィルム製

神奈川県は8月26日、耐荷重が低く従来の太陽光発電パネルが設置できなかった県有施設2カ所に、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を導入すると発表した。

県内での同電池の導入は初めてで、12月頃の設置を予定している。県は、環境省の補助事業を活用して先行的に導入を進め、「どこでも太陽光発電」の実現に向けたモデルケースとする考えだ。

自然環境保全センターと神奈川総合産業高校に導入

今回、ペロブスカイト太陽電池を導入するのは、厚木市にある「自然環境保全センター」の事務室と、相模原市の「神奈川総合産業高等学校」の体育館。いずれの施設も、従来のシリコン系太陽電池では設置が困難とされる耐荷重の低い屋根を有している。

各施設の設置容量は約5kW、設置面積は約100m2。発電した電力は、主に各施設の照明や空調などに必要な電力の一部として自家消費する。

設置計画の詳細は以下の通り。

設置施設 所在地 設置容量 設置予定時期
神奈川県自然環境保全センター 事務室 厚木市七沢657 約5kW(約100m2) 2026年12月頃
神奈川県立神奈川総合産業高等学校 体育館 相模原市南区文京1丁目11-1 約5kW(約100m2) 2026年12月頃
積水ソーラーフィル製フィルム型を採用

各施設に導入するのは、積水ソーラーフィルム(東京都港区)製のフィルム型ペロブスカイト太陽電池。ペロブスカイト結晶構造を発電層に用いた次世代型の太陽電池で、小さな結晶の集合体が膜になっているため、ゆがみに強く、軽量化が可能という特徴を持つ。

薄く軽量で、曲げられる特性を持つことから、従来型の太陽電池では耐荷重の制約によって設置が難しかった建物などへの導入が期待されている。

同社製品を巡っては、東京都が実施する都有施設への先行導入事業で、晴海旅客ターミナルへの設置事業者として採択された実績もある。

 

環境省の社会実装モデル創出事業を活用

本事業は、環境省の2026年度「ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業」を活用して実施する。

同事業は、ペロブスカイト太陽電池の導入初期におけるコスト低減と継続的な需要拡大に資する社会実装モデルの創出を目的としたもの。耐荷重などの制約により従来型の太陽電池モジュールの設置が困難だった場所への導入を支援している。

設備導入事業では、設置場所の耐荷重が10kg/m2以下相当であること、発電容量が1施設あたり5kW以上であることなどが要件となっている。

2026年度の予算額は70億円で、交付額の上限は1事業あたり10億円。補助率は2/3または3/4となっている。なと道路や空港などのインフラ空間に設置する場合は、定置用蓄電池も補助対象となり、蓄電池の補助率は1/3。2026年度の公募は9月30日12時(必着)まで。

なお同事業において、福岡県北九州市は8月24日、西部ガステクノソリューション(福岡県福岡市)、北九州パワー(同・北九州市)と共同で、次世代型太陽電池「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」をPPAモデルの仕組みを用いて、市立中学校の体育館に導入することを発表した。

 

神奈川県、独自に次世代型太陽電池の実証を支援

神奈川県は、脱炭素社会の実現に向け、太陽光発電の活用やイノベーションを通じた地球温暖化防止の取り組みを進めている。

次世代型太陽電池については、民間事業者を対象に、県内施設へ国産の次世代型太陽電池を設置して実証する経費を補助する「次世代型太陽電池普及促進事業費補助金」を設けている。

2026年7月には、同補助金を活用した実証事業として、藤木EEM(神奈川県横浜市)、東京ガスエコモ(同)、第一交通産業(福岡県北九州市)、スズキ横浜研究所(神奈川県神奈川市)、グリーンライフ産業(福岡県福岡市)の5件を採択した。港湾施設の倉庫など、従来型の太陽電池の設置が難しい施設も対象となっており、次世代型太陽電池の設置・運用に関する実証を進めている。

 

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2026年9月16日

ペロブスカイト普及を後押し メーカー向け保険で保証リスク減、損保ジャパン

損害保険ジャパン(東京都新宿区)は8月26日、ペロブスカイト太陽電池メーカー向けの新たな保険の提供を開始した。メーカーが顧客に対して製品の性能に関する保証制度を設ける際に負うリスクを補償する。

ペロブスカイト太陽電池の開発を牽引する積水化学工業(大阪府大阪市)および同社のグループ会社である積水ソーラーフィルム(同)と共同で開発し、積水ソーラーフィルムが同保険を採用した。

 

製品保証に伴うメーカーの費用損害を補償

新保険は、メーカーが安心して製品保証を提供できるようにする仕組み。ペロブスカイト太陽電池の運用過程で、性能などをめぐってメーカーによる保証対応が必要となった場合、メーカー側に生じる費用損害を包括的に補償する。

メーカーの保証リスクを軽減し、導入企業や地方自治体が保証制度のある製品を選択できる環境の整備につなげる。

革新的な新技術は、リスク評価に必要な運用データが十分に蓄積されていないため、導入者とメーカーの双方がリスクを抱えやすい。導入者側には、長期間にわたって性能が維持されるか、万が一の場合に適切な保証を受けられるかといった懸念がある。一方、メーカー側には、保証対応に伴う費用負担が発生する可能性がある。

こうした課題を踏まえ、損保ジャパンは、積水化学工業、積水ソーラーフィルムとともに独自の評価方法を構築し、新たに保険を開発した。保険料や補償限度額、補償対象となる具体的な保証項目は明らかにしていない。

 

薄く軽いフィルム型太陽電池、設置場所を拡大

ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を持つ化合物を発電層に用いる、日本発の次世代型太陽電池。積水ソーラーフィルムが手がけるフィルム型は、シリコン系太陽電池と比べて薄くて軽く、曲げられるという特徴がある。

このため、耐荷重の制約から従来型の太陽光パネルを設置しにくかったビルの壁面や工場の屋根のほか、窓や曲面などへの導入が期待されている。

主要原料の一つであるヨウ素は、日本が世界有数の生産シェアを持つことから、国内でサプライチェーンを構築できる次世代エネルギー技術としても注目されている。

 

2027年度に100MW規模の生産ライン稼働へ

積水化学工業は3月27日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品設計・製造・販売を担う積水ソーラーフィルムとともに開発してきた「SOLAFIL」の本格的な事業化を開始したと発表した。2026年度は既存設備を使って限定的に生産・供給していく。また、2027年度に100MW規模の生産ラインを立ち上げる計画を発表しており、現在、大阪府堺市に量産工場を建設中だ。

同社はこの事業化において、環境省の2025年度公募「ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業」で採択された福岡市および滋賀県のほか、さいたま市、西日本高速道路(NEXCO西日本)の4者へ製品を供給する。同事業の2026年度公募では、福岡県北九州市がPPAモデルで同社のペロブスカイト太陽電池を導入する。また、東京都の「都有施設へのAirソーラー先行導入事業」にも参画。晴海客船ターミナルに国内最大規模となる50kW程度を設置する。

政府は「次世代型太陽電池戦略」において、2030年までのできるだけ早い時期にGW級の生産体制を構築し、2040年までに約20GWを導入する目標を掲げる。損保ジャパンは、新保険の提供で得た知見を活用し、技術革新や多様な設置ニーズに対応する保険商品・サービスの開発を進める。

損保ジャパンは、同保険を通じてメーカーの保証制度を支援し、企業や地方自治体が次世代太陽電池などの革新的な新技術に投資できる環境を整備することで社会実装につなげていく考え。

 

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