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2026年6月14日

太陽光発電を増設してPPA 物流施設側が入居するメーカーの脱炭素化を支援

物流施設を開発・運営する日本GLP(東京都中央区)は6月4日、自動制御機器メーカーであるSMC(同)の専用物流施設「GLP常総」(茨城県常総市)に100%再エネ電力を導入したと発表した。

SMCとPPAサービス契約を締結、既存の自家消費型太陽光発電設備を拡張し、2025年11月より電力供給を開始。約40%の電力自給と非化石証書付き電力メニュー契約を合わせて4月より100%再エネ化を実現した。

 

太陽光パネルを大幅増設 電力の約4割を再エネ化

「GLP常総」は、2021年7月に竣工した地上3階建ての物流施設で、SMCの専用施設として稼働している。

同施設には竣工時より一部の自家消費型太陽光発電設備(563.04kW)が設置されていたが、今回、顧客である入居するテナントのESG経営における脱炭素化をより強力にサポートするため、既存設備の大幅な拡張を決定した。

日本GLPとして、既設の太陽光発電設備を増設したのは初めてで、下記画像のようなスキームで入居する顧客の協力を得て稼働中の物件に自家消費型太陽光発電設備を導入するのは4件目となる。

今回の太陽光発電PPAサービスの導入にあたっては、グループ会社のGLP投資法人(東京都中央区)が投資を行い、同施設の屋根に新たに1,492.26kWの太陽光パネルを増設。施設全体の発電容量は当初の約4倍となる合計2,055.30kWに拡大するとともに再エネを館内に直接供給することが可能になった。これより、施設で使用する電力の約4割を再エネに転換し、年間約382tのCO2削減効果を見込む。

なお、このシステムの導入にあたっては、テス・エンジニアリング(大阪府大阪市)が太陽光発電システムのEPC(設計・調達・建設)からO&M(運営・保守)までを担い、安定的な運用体制を構築している。

PPAモデルは、テナント企業にとって初期投資やメンテナンスの負担をかけず、安定した料金で再エネを利用できるため、導入企業のコスト削減と持続可能な経営をサポートし、ESGやCSR活動の強化にも貢献する。また、初期投資やメンテナンスコスト、契約終了後の原状回復義務も不要であることから、長期的に安定した電力供給を受けられる。

 

テナントの脱炭素化を強力にサポート

SMCは、空気圧制御システムをはじめとする自動制御機器の総合メーカーとして、顧客の工場全体のエネルギー消費量を削減するトータルソリューションを提供している。また、スコープ1、スコープ2とスコープ3の温室効果ガス(GHG)の排出量を削減に向けて、中・長期目標を策定し、さまざまな取り組みを推進している。

日本GLPは、今回の取り組みにより、環境保全に対して高い意識と目標を持つSMCを直接的かつ強力にサポートする。同社代表取締役社長の帖佐 義之氏は、「単なる設備の導入にとどまらず、稼働中の施設において既存設備を活かしながら、そのキャパシティを約4倍にまで引き上げた、非常に意義深い事例である」とコメントしている。

SMC取締役執行役員の北條 秀実 製造本部長は、「当社がESG経営を推進する上で大きな成果であり、持続可能な社会の実現に向けた確かな一歩であると確信している。今後も物流・製造現場における脱炭素化に向けた取り組みを続け、施設で使用する電力を可能な限り再生可能エネルギーでまかなっていきたいと考えており、引き続き日本GLPの支援に期待している」と述べている

 

持続可能な社会の実現と事業成長を両立

日本GLPは、持続可能な社会の実現と事業成長を両立させるため、ESGを経営戦略の中核に据えている。管理・運営する物件には、高効率LED照明や雨水タンクの設置、太陽光発電の導入を通じて環境負荷の低減に積極的に取り組み、入居企業のESG経営の推進に貢献する。また、快適な労働環境の提供や、災害時の地域の防災拠点としての役割を果たすことで、入居企業の事業継続計画(BCP)をサポートしている

太陽光発電設備については、管理・運営する物件の50%超にあたる72施設の屋根に設置済みだ(外部PPA事業者による設置分3件を含む)。2024年における再エネ総発電容量は99737MWh、共用部LED化率は100%、これらによるCO2削減量は43,685トンとなっている。

なお、オルタナティブ投資運用会社の米アレス・マネジメント・コーポレーション(アレス)が、2025年3月にGLPキャピタル・パートナーズと、その関連会社の一部の国際事業を買収し、日本GLPもその傘下となった。アレスは物流不動産事業の新たな統一ブランドとして、「Marq Logistics(マークロジスティクス)」を立ち上げる。「GLP常総」は、2026年9月1日に「Marq 常総」に名称を変更する。

 

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2026年6月13日

系統用蓄電池×AIで新たな社会インフラを データ分析と一貫管理で収益最大化

日本の電力市場は、脱炭素社会の実現に向けた大きな転換期を迎えている。2026年3月には再生可能エネルギーの調整力を売買する需給調整市場が「30分単位入札・24時間運用」に移行した。福岡から全国へ展開を加速させるENEFORWARD(エネフォワード)は、次世代系統用蓄電池システム「ENE FORCE(エネフォース)」を軸に、AIと電力が融合する新しい社会インフラの構築に挑む。
代表取締役の簑下祐一氏に系統用蓄電池事業を含むエネルギーの未来像を聞いた

 

「エネルギーこそ国防」 自給を見据えた起業理念

エネフォワードの代表取締役である簑下氏は現在42歳。26歳のころから再生可能エネルギー関連事業に携わってきた。簑下氏の原動力は、日本のエネルギー自立に対する強い危機感と使命感にある。「日本は自国にエネルギーがない。エネルギーこそが国防であり、豊かな国の礎である」という認識のもと、2020年に同社を設立した。

当初は太陽光発電所の開発を中心に手がけていたが、太陽光が持つ「不安定電源」という課題を克服するため、蓄電池併設型へのシフトを早期から模索。需給調整市場の拡大を予見し、2022年頃から系統用蓄電池事業への「全振り」を決断した。同社の経営理念の根底には「信頼持ちはお金持ち」という言葉があり、社会に信頼されるインフラ企業として100億円規模の事業展開を目指している。

 

福岡から東京へ 再生可能エネルギーの「中心地」から「需要地」に展開

エネフォワードは福岡市に本社を置く。九州を拠点としたのは、簑下氏自身が熊本県出身ということに加え、「九州が日本における再生可能エネルギー導入の最先端であり、出力制御などの課題と直接向き合う必要がある」(簑下氏)と考えたためである。

一方で事業の急成長に伴い、2026年には福岡本社を移転し、さらに東京支社を開設した。東京への進出は、100億円を超える規模のプロジェクトを支えるための金融機関との連携強化や、高度な専門人材の確保を目的としている。

 

設計・施工からデータ分析、金融支援・運用までの一気通貫体制が強み

エネフォワードの最大の特徴は、用地選定から設計・施工(EPC)、データ分析、資金調達支援、運用・保守(O&M)、メンテナンスまでを自社グループおよび独自のネットワークで完結させる「一気通貫体制」にある。

単なる仲介ではなく、案件の成立可能性を高めるための実効性のあるプレイヤーとの強固なネットワークを構築。「金融商品取引業(二種)を取得し、今後は金融・投資支援にも注力します。多額の電力工事負担金を一時的に肩代わりする『接続権利ファンド』や投資家向けの『インカムファンド』の組成が可能になります」(簑下氏)

すでに系統用蓄電池の契約済み案件は42件に上り、これまでに系統接続済みの案件は九州などを中心に7件。 2026年度内には計20件の連系を予定するなど、業界内でも大きな実績がある。

 

系統用蓄電池市場の制度改正と「先行者利益」の最大化

2026年3月の制度改正により、電力市場は「止まらない運用」が収益を左右する構造へと変化した。入札頻度が激増するため、わずかなシステム停止が大きな機会損失やペナルティに直結するからだ。

エネフォワードは、2026年から2027年初旬を、最も高い単価で稼働できる「ゴールデンタイム」と位置づけている。経済産業省が公開した一次調整力オフライン単価などの追い風もあり、インフラ投資としては異例の「3年以内」の投資回収を目指せる好機が到来していると分析する。

さらに、一定条件を満たせば「特定生産性向上設備等投資促進税制」による即時償却も可能であり、初年度のキャッシュインパクトを最大化できる点も投資家にとっての大きな魅力となっている。

 

次世代蓄電池システム「ENE FORCE」の冗長設計

市場制度の変化に対応するために開発されたのが、自社ブランドの系統用蓄電池システム「ENE FORCE(エネフォース)」だ。コンセプトは「止めない。待たせない。」。機械、設備、システムの一部が故障しても全体の機能を維持できるよう、同じ機能を持つ要素を用意し、ペナルティゼロを実現する「冗長設計」が特徴だ。パワーコンディショナ(PCS)を分散配置し、バックアップシステムを標準装備することで、一部の故障が全体の停止に繋がらない設計になっている。

故障時に数週間を要する海外メーカーの課題を解決するため、重要部品を国内に常時在庫。万一の際も48時間以内に現場へ急行する保守体制を完備している。蓄電池本体だけでなく、PCS、EMS、キュービクルまでを一体で管理・保証し、長期20年の延長保証にも対応する。大規模向けの「高圧コンテナ型」から、敷地形状に合わせやすい「高圧キャビネット型」まで、プロジェクト規模に応じた柔軟な提案が可能だという。

 

低圧領域への進出と「AI×電力OS」の社会実装

同社は、高圧領域での実績を基盤に、今後は「低圧系統用蓄電池」領域への進出も計画している。低圧領域は管理コストが高いものの、よりきめ細やかなアグリゲーションを行うことで、住宅やマンション単位でのエネルギー最適化を狙う。

簑下氏が見据える最終ビジョンは、AIと電力をつなぐ「OS(オペレーティング・システム)」の構築である。生成AIの急速な進化に伴い、爆発的に増加する電力消費を支えるためには、蓄電池による供給・調整力が不可欠となる。「AIは電力を大量に消費するが、同時にAIは電力の需給予測や取引を最適化する。この両者を統合し、自動運転EVのバッテリー管理やライドシェア、データセンター運用までを一つの生態系として結びつけたい」と簑下氏は語る。

 

エネルギーの未来を創る使命感

エネフォワードは、単なる系統用蓄電池の販売会社ではないと自負している。目指すのは、緻密な市場分析に基づいてインフラとしての安定性と投資としての収益性を両立させ、日本のエネルギー自給率向上に貢献する「未来のエネルギー企業」。2026年の市場激変を好機と捉え、同社が構築しようとする「AI×電力」のプラットフォームは、持続可能な社会を実現するための強力な基盤となる可能性を秘めている。

 

低圧領域への進出と「AI×電力OS」の社会実装

同社は、高圧領域での実績を基盤に、今後は「低圧系統用蓄電池」領域への進出も計画している。低圧領域は管理コストが高いものの、よりきめ細やかなアグリゲーションを行うことで、住宅やマンション単位でのエネルギー最適化を狙う。

簑下氏が見据える最終ビジョンは、AIと電力をつなぐ「OS(オペレーティング・システム)」の構築である。生成AIの急速な進化に伴い、爆発的に増加する電力消費を支えるためには、蓄電池による供給・調整力が不可欠となる。「AIは電力を大量に消費するが、同時にAIは電力の需給予測や取引を最適化する。この両者を統合し、自動運転EVのバッテリー管理やライドシェア、データセンター運用までを一つの生態系として結びつけたい」と簑下氏は語る。

 

エネルギーの未来を創る使命感

エネフォワードは、単なる系統用蓄電池の販売会社ではないと自負している。目指すのは、緻密な市場分析に基づいてインフラとしての安定性と投資としての収益性を両立させ、日本のエネルギー自給率向上に貢献する「未来のエネルギー企業」。2026年の市場激変を好機と捉え、同社が構築しようとする「AI×電力」のプラットフォームは、持続可能な社会を実現するための強力な基盤となる可能性を秘めている。

 

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