2026年6月16日
京セラコミュニケーションシステム(KCCS/京都府京都市)は6月8日、滋賀県と福岡県福岡市において、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を公共施設へ設置する工事を受託し、同日より着工したと発表した。
3月に発売された積水ソーラーフィルム(大阪府大阪市)製のペロブスカイト太陽電池を、滋賀県内の県立高校など3カ所、福岡市内の公立小中学校3カ所に設置する。
福岡市は市内の小中学校3校の体育館の屋根に、総容量25.08kWのペロブスカイト太陽電池を施工する。高宮中学校(9.24kW)は7月下旬、老司小学校(7.92kW)は8月下旬、原西小学校(7.92kW)は9月下旬に完工する計画。なお高宮中学校では8月の設置完了時に、見学会が開催される予定だ。
同市は2025年12月22日に、積水ソーラーフィルムと「脱炭素社会の実現に向けた連携協定」を締結した。両社はそれ以前から、共同で市内の学校体育館屋根などに次世代型太陽電池を設置する実証実験などに取り組んできたことから、協定を締結しさらに連携を深めた。
今回の取り組みは、この協定の一環で実施されるもの。また、環境省の2025年度「ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業」に採択された。商用製品としては政令市で初の導入。福岡市では、軽量性を活かし、従来型太陽電池の設置が難しかった学校体育館にも展開するとし、都市部の創エネ場所を広げるとともに、温室効果ガス排出量実質ゼロの促進、児童・生徒への環境教育、避難所機能の強化につなげる。
一方の滋賀県でも、県立高校や県立博物館など3カ所の施設に、総容量29kWのペロブスカイト太陽電池を設置する工事に、6月8日より順次着工すると発表した。
導入する施設は、八幡工業高校(近江八幡市/12kW・体育館屋根、7月中旬に完工)、守山北高校(守山市/12kW・体育館屋根、8月下旬に完工)、琵琶湖博物館(草津市/5kW・うみっこ広場、9月下旬に完工)。
これらの工事完了後、電気事業法に基づく国への承認手続きを経て発電を開始する。なお同県も、上記の福岡市と同様に環境省の2025年度補助事業に採択され、この取り組みを実施する。
近年、再生可能エネルギーの導入が加速する中、次世代の選択肢として「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」の実用化に向けた動きが加速している。従来のシリコン系太陽光パネルは、重量や設置場所の制約からビルの壁面や工場屋根などへの導入が困難だったが、軽量で柔軟(フレキシブル)な特性を持つペロブスカイト太陽電池は、これまで諦めていた場所への設置を可能にする新たなソリューションとして期待されている。
積水化学工業(大阪府大阪市)は3月27日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品設計・製造・販売を担う積水ソーラーフィルムとともに開発してきた「SOLAFIL」の本格的な事業化を開始したと発表した。同社はこの事業化において、環境省の2025年度公募「ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業」で採択された福岡市および滋賀県のほか、さいたま市、西日本高速道路(NEXCO西日本)の4者へ製品を供給する。また、東京都の「都有施設へのAirソーラー先行導入事業」にも参画。晴海客船ターミナルに国内最大規模となる50kW程度を設置する予定であり、2026年夏ごろから設置工事が開始される見込みだ。
実用化に向けた動きが加速する中、5月15日にペロブスカイト太陽電池の量産化・標準化に向け、同電池の主要メーカー5社が、「日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会(JPSC)」を設立した。設立時の会員は、アイシン(愛知県刈谷市)、パナソニックホールディングス(大阪府門真市)、エネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)、積水ソーラーフィルム、リコー(東京都大田区)の5社。このほか、量産化を進める企業を中心に、東京大学や広島大学の研究者も理事・監事として参画。品質保証や製品認証、標準化、サプライチェーン構築など産業化に向けた共通課題を、業界横断で解決する狙い。
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2026年6月15日
SMFLみらいパートナーズ(東京都千代田区)、藤巻建設(長野県飯山市)、東芝プラントシステム(神奈川県川崎市)は6月8日、共同出資により合同会社を設立し、系統用蓄電池事業を開始するため、2カ所に蓄電所を新設すると発表した。
東芝プラントシステムと東芝(同)が、両蓄電所のEPC(設計・調達・建設)、運用保守と、蓄電所の電気をアグリゲーターとして市場で売買するアグリゲーション業務を受注した。
この事業では、木島平蓄電所(長野県下高井郡)と蓮蓄電所(同・飯山市)の2カ所に蓄電所を新設する。
木島平蓄電所は出力約52MW、容量約160MWhで、2026年6月に建設工事に着工した。蓮蓄電所は出力約32MW、容量約90MWhで、2026年8月に建設工事に着工する予定。両蓄電所の運転開始は2028年度を予定。系統用蓄電池を送配電ネットワークに直接接続し、時間帯に応じて各電力市場への充放電を行う市場運用型事業を実施する。
共同出資により設立した「合同会社OPTIRON北信」への出資比率は、SMFLみらいパートナーズが61%、藤巻建設が34%、東芝プラントシステムが5%。
SMFLみらいパートナーズは事業主体として、接続検討申込、出資者に債務保証を求めないノンリコースプロジェクトファイナンスの調達支援、また、アセットマネージャーとして特別目的会社(SPC)の運営管理を担う。藤巻建設は、事業用地の権利確保、地域との合意形成や行政協議、地盤調査などの土木設計に関する支援を担う。東芝プラントシステムは、電力会社への申請業務と各種技術協議に関するサポートを担う。
今回の協働にあたり、2023年に事業用地を選定し、約3年間にわたってプロジェクト開発を行ってきた。3月、3社はEPC契約をはじめとする各プロジェクト関連契約と、ノンリコースプロジェクトファイナンスの融資関連契約の締結に至った。
系統用蓄電池は、天候や時間帯によって発電量が変動する再エネを安定的に供給するための調整機能を担う。電力系統の安定化や再エネの導入拡大に向けて、系統用蓄電池の設置は今後さらに増加すると見込まれている。
SMFLみらいパートナーズは、三井住友ファイナンス&リース(東京千代田区)の戦略子会社で、再エネや省エネ機器の設備投資におけるファイナンスサービスや、太陽光・風力などの再エネ事業を通じたCO2フリー電力の供給、脱炭素に関する補助金支援サービスなどの事業を展開している。蓄電池事業においては、2031年度までに累計1GWの取り組みを目指している。5月には、スパークス・グループ(東京都港区)と共同で新潟県新潟市において蓄電所事業に参画することを発表している。この事業でも東芝がEPCを受注している。
藤巻建設グループは、長野県内を中心に太陽光発電所や小水力発電所など、企画・設計から施工、運営まで一貫対応することを基本とした再エネ事業を展開している。
今回の事業において、東芝グループは、蓄電所のEPCや運用保守、アグリゲーション業務などを提供する。東芝プラントシステムは、国内外で手掛けた多数のEPC案件で培ったノウハウと技術を生かし、機器設計、土木工事、各種機器設備の調達、据付工事を担う。東芝は、太陽光発電所の運用保守において定格出力で累計1GWを超える受託実績を有する。これらの知見を基に、蓄電所の運用保守と保安業務を行う。
また、アグリゲーション業務においては、アグリゲーター(特定卸供給事業者)として市場価格予測、各種電力市場での取引、蓄電池の充放電計画の作成、制御など一連の運用を行う。これまでの実績を踏まえた蓄電池の最適運用により、蓄電所全体の運用収益の向上を目指す。
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