2025年9月7日
相鉄ホールディングス(相鉄HD/神奈川県横浜市)、HelioX(東京都豊島区)、横浜市は9月4日、相鉄いずみ野線沿線で太陽光発電機能付きモビリティの実証実験を開始した。消費電力やCO2削減量、災害時の活用法などを評価し、将来的な本格運用と横浜市内での展開を探る。
同取り組みは、相鉄いずみ野線沿線エリアの脱炭素型のまちづくりを目指す「Future City Project」の一環。横浜市泉区役所と相鉄グループの相鉄リフォーム(神奈川県横浜市)が、HelioXの太陽光発電機能付きモビリティを業務用車両として試験導入し、走行データを収集、次世代モビリティとしての実現可能性を検証する。
実証では、既存の移動手段に対する代替性や拡張性を評価するため、以下の指標を収集・分析する。
・消費電力
・CO2削減量
・走行回数
・走行距離
・利用人数
・利用者へのアンケート
相鉄HDと横浜市建築局は、事務局として広報活動や住民アンケート、本格運用の可否判断を行う。HelioXは実証の管理運用および広報活動、データ分析・検証、横浜市泉区役所と相鉄リフォームは試験導入の実施、データ提出を担当する。
実証は、平時の利用だけでなく、災害発生時の活用などの項目も含まれるという。将来的には、相鉄いずみ野線沿線をはじめ横浜市内全域での脱炭素型まちづくりや新たな交通インフラとしての可能性を探る方針だ。また、実験期間中には地域交流イベントでの車両展示や体験会も行い、地域住民が次世代モビリティに触れる機会を設け、理解促進を図る。実証は2026年3月末に終了し、4月には全体評価および取りまとめを行う予定だ。
太陽エネルギーを活用したマイクロモビリティソリューションを提供するスタートアップであるHelioXは、2024年11月に日本市場での事業展開を開始した。観光地や都市周辺生活圏での太陽光で駆動するスクーターのシェアリング事業などを手掛ける。
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2025年9月6日
良品計画(東京都文京区)とJERA(同・中央区)は9月1日、再エネ発電事業を手がける合同会社MUJI ENERGY(ムジエナジー)を設立した。JERAの知見に基づき太陽光発電所を開発。創出した環境価値は良品計画が全量取得し、「無印良品」店舗のCO2排出量削減に活かす。
良品計画は、2030年までにグループ全体のGHG排出量(スコープ1・2)を2021年8月期比で50%削減するという目標を掲げ、これまでも単独店舗への太陽光パネル設置や再生中エネメニューへの切り替えを推進してきたが、今回バーチャルPPAによる追加性のある環境価値の創出に向け新会社を設立した。
MUJI ENERGYでは、初年度に約13MW規模の太陽光発電設備の開発を予定している。これは良品計画の年間電力使用量の20%に相当し、年間約8000トンのCO2排出量削減が見込まれる。用途としては、無印良品のテナント店舗における電力由来のCO2排出量削減に利用される。
新会社が創出した再エネの環境価値は、JERAの子会社であるJERA Cross(東京都中央区)を通じて、再エネの環境価値のみを取引するバーチャルPPAの仕組みを活用し、全量を良品計画に提供する。なお実際の電力は日本卸電力取引所(JEPX)で売電される。
良品計画の出資比率は80%で、新会社は同社の連結子会社となる。両社は新会社を通じて再エネ導入を拡大し、地域・社会課題の解決と脱炭素社会の実現に貢献していく方針だ。
JERAは、燃料上流・調達から発電、電力・ガスの卸販売まで一連のバリューチェーンを保有するエネルギー企業。再エネとゼロエミッション火力により、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2ゼロの実現を目指す。JERA Crossは、戦略やテクノロジー、再エネ供給能力を強みとし、再エネの導入支援からエネルギーの需給運用、24/7カーボンフリー電力の提供など、企業のGX推進を一気通貫で支援している。
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