2025年8月31日
スタートアップ企業のつばめBHB(神奈川県横浜市)は8月26日、みずほ銀行(東京都千代田区)と、グリーン水素・アンモニアのアフリカ経済への活用に関する連携・協力覚書(MOU)を締結したと発表した。 つばめBHBのアンモニア製造技術と、みずほ銀行のアフリカ地域のネットワークを活用し、グリーン水素・アンモニアの事業化を進める。
つばめBHBの発表によると、アフリカ諸国の多くは肥料やエネルギーを輸入依存している状況で、国際市況の変動に対し脆弱な環境にあるという。
つばめBHBは、これまで小規模分散型のアンモニアプラントを軸に、各地域にある、水や空気、再エネを活用しながら、グリーン水素・アンモニア、低炭素肥料の地産地消事業を展開している。同社の取り組みは、国内外で高く評価されており、2023年には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と科学技術振興機構(JST)実施の「大学発ベンチャー表彰2023」で、総合開発機構理事長賞を受賞した。
同社のアンモニア製造では、「エレクトライド触媒」と呼ばれる特殊な触媒を用いる。同触媒技術は、従来のハーバーボッシュ法を用いたアンモニア合成と比べて、より低温・低圧の条件下で高効率にアンモニアを生成し、アンモニア製造の小規模化にもつながるという。
両社のMOU締結式は、8月20日〜22日まで横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)で交わされた。なお、みずほ銀行は今回、本件を含め計5件のMOU締結した。
・アンゴラ共和国での資金調達多様化・ECAファイナンスなどの分野での協働
・南アフリカ共和国での日系企業の南アフリカへの投資促進に関する協働
・ナミビアのグリーン水素プログラム
・西アフリカ地域での資金調達多様化・トレードファイナンス・プロ ジェクトファイナンスなどの分野での協働
記事内容へ
2025年8月30日
日立産機システム(東京都千代田区)は8月26日、空気圧縮機を更新することで、CO2排出削減量をクレジット化するサービスを開始すると発表した。設備監視機能によりデータを自動収集・分析し、代替前からのCO2排出量改善分をJ-クレジット化、売却によって得た収益を利用者に還元する。
同サービスは、高効率でデジタル化された顧客の設備から得られるデータを、日立の専門知識を用いて新たな価値に転換し提供するというもの。具体的には、日立のLumadaソリューションである設備監視サービス「FitLive」を通じてデータを自動収集・分析する。
FitLiveに対応した日立産機の空気圧縮機は常時データモニタリングが可能。日立産機のドメインナレッジと組み合わせることで、CO2削減量を容易に把握できる。日立産機の試算によると、出力37kWの空気圧縮機1台を最新モデルに更新することで、CO2排出量は年間約9トン削減できるという。
このほか、CO2削減量の算出に加え、J-クレジットの申請・売却まで日立産機が一括で手がける。ユーザーは契約後、設備を使用するだけで同サービスを利用できる。今後は2025年度中に運用試験を開始し、2026年度に事業化する予定。
J-クレジットは、「ベースライン方式」と呼ばれる手法で削減量を算定する。更新した設備の稼働に必要なエネルギーを、更新前の設備で賄ったと仮定した場合と比べて改善した分がクレジットとして認証される仕組みだ。
日立産機は算定したCO2削減量を基に、J-クレジット制度事務局に申請を行い、認証済みクレジットを需要者に売却し、売却益をユーザーにら還元する。
国際エネルギー機関(IEA)が実施した2024年調査によると、グローバル全体のCO2排出量のうち約3分の1が産業分野に由来している。こうした中、企業は、技術的な理由などから避けられない排出を、GHG削減活動への投資などで排出量を埋め合わせるカーボンオフセットを行っている。J-クレジットもその手段の一つである。
記事内容へ