2025年9月6日
良品計画(東京都文京区)とJERA(同・中央区)は9月1日、再エネ発電事業を手がける合同会社MUJI ENERGY(ムジエナジー)を設立した。JERAの知見に基づき太陽光発電所を開発。創出した環境価値は良品計画が全量取得し、「無印良品」店舗のCO2排出量削減に活かす。
良品計画は、2030年までにグループ全体のGHG排出量(スコープ1・2)を2021年8月期比で50%削減するという目標を掲げ、これまでも単独店舗への太陽光パネル設置や再生中エネメニューへの切り替えを推進してきたが、今回バーチャルPPAによる追加性のある環境価値の創出に向け新会社を設立した。
MUJI ENERGYでは、初年度に約13MW規模の太陽光発電設備の開発を予定している。これは良品計画の年間電力使用量の20%に相当し、年間約8000トンのCO2排出量削減が見込まれる。用途としては、無印良品のテナント店舗における電力由来のCO2排出量削減に利用される。
新会社が創出した再エネの環境価値は、JERAの子会社であるJERA Cross(東京都中央区)を通じて、再エネの環境価値のみを取引するバーチャルPPAの仕組みを活用し、全量を良品計画に提供する。なお実際の電力は日本卸電力取引所(JEPX)で売電される。
良品計画の出資比率は80%で、新会社は同社の連結子会社となる。両社は新会社を通じて再エネ導入を拡大し、地域・社会課題の解決と脱炭素社会の実現に貢献していく方針だ。
JERAは、燃料上流・調達から発電、電力・ガスの卸販売まで一連のバリューチェーンを保有するエネルギー企業。再エネとゼロエミッション火力により、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2ゼロの実現を目指す。JERA Crossは、戦略やテクノロジー、再エネ供給能力を強みとし、再エネの導入支援からエネルギーの需給運用、24/7カーボンフリー電力の提供など、企業のGX推進を一気通貫で支援している。
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2025年9月5日
ENEOS Power(東京都港区)は9月1日から、セイコーエプソン(長野県諏訪市)向けに、オフサイトPPAの仕組みを活用した実質再エネ100%電力の供給を開始した。新設する太陽光発電設備や既存のバイオマス発電由来の環境価値を活用する。
ENEOS Powerは今後20年にわたり、太陽光発電所から発電される電気を、エプソン日野事業所に環境価値とともに供給する。
実施にあたっては、事業所の消費電力量と太陽光発電量を30分単位で一致させる形で提供するという。発電が行われない夜間や天候不良時など、太陽光で賄えない分は、ENEOS Powerが提供するRE100技術要件に準拠したバイオマス発電由来の電力メニューを活用する計画だ。
セイコーエプソンは2021年4月に、事業活動で使用する電力の100%再エネ化を目指す国際イニシアチブ「RE100」に加盟。2024年1月には、グループの全世界拠点において使用電力をすべて再エネに転換したと発表した。今回の契約により、国内での持続可能な電力利用がさらに進む見通しだ。
ENEOS Powerは、再エネ電力と環境価値を30分同時同量で提供するPPA事業やグループ会社が開発・保有する再エネ電源を活用し、顧客の脱炭素化を支援している。
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