2025年10月28日
パナソニック エナジー(大阪府守口市)は10月23日、大阪府貝塚市の「二色の浜工場」にて、太陽電池・純水素型燃料電池・蓄電システムを連携制御するエネルギーマネジメントシステム(EMS)の本格的な運用を開始したと発表した。再エネを活用することで、工場で使用する電力の15%を自給できる体制を構築した。
同工場は2023年から、工場の敷地内に設置するオンサイト太陽光発電や敷地外の太陽光・風力・地熱発電由来のオフサイトコーポレートPPAの活用に加え、非化石証書の購入などの施策を展開中で、CO2実質ゼロ工場を達成している。
今回、工場敷地内に既存の太陽光パネルに加え、新たに純水素型燃料電池および同社製セル使用の蓄電システムを導入した。
これにより、電力需要や太陽光発電の出力の変動をリアルタイムで監視し、太陽光発電の不足電力を純水素型燃料電池の発電で補完。電力需要のピーク時には蓄電システムから電力供給を行い、電力ロスの最小化と安定供給を目指す。
3電源連携によるエネマネシステム運用を開始したことで、再エネによる給電量は、従来比で最大約1.5倍に向上する効果が見込まれる。
採用した純水素型燃料電池は、パナソニックグループのエレクトリックワークス社(大阪府門真市)製の5 kWタイプの燃料電池6台を使用。最大で約30kWの発電が可能。
蓄電システムは容量約2MWhで、一般家庭約180世帯の1日分の電力に相当する。約14万本の円筒形リチウムイオン電池が制御盤によって管理されており、秒単位での高負荷変動時にも迅速かつ安全に対応できる。
また今後は、市場で使用済みとなった同社製蓄電モジュールを回収しリユースも検討するという。
「二色の浜工場」は、パナソニック エナジー乾電池事業におけるグローバル旗艦工場であり、自動化システムなどを取り入れたスマートな生産体制の下、国内外の市場向けに乾電池を生産している。
同工場は、2050年までに自社設備での再エネ100%導入という目標を掲げる。今後は、今回の設備増設やグリーン水素調達などを行うとともに、海外工場の再生エネ化を進める方針だ。
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2025年10月27日
東京都は10月16日、多摩川の流水を利用した水力発電による電気について、2026年度からの売却先を選定するため、この電気の一部を指定された都有施設へ供給することを条件に加えて、公募型プロポーザルを実施すると発表した。
売却期間は2026年4月1日~2028年3月31日の2年間。目標売却電力量は、3発電所・2年間の合計で約2億991万kWh。参加申込書の提出期限は10月29日15時まで。
東京都交通局では、多摩川上流の水力発電所において発電した電気を都内に供給するほか、都の率先行動の一環として、都営バス全営業所での電気の使用に加え、東京さくらトラム(都電荒川線)を100%東京産水力発電の電気で運行している。
今回、買い受けた東京産水力発電由来の電気を、都営バス20営業所と東京さくらトラム(都電荒川線)への供給を条件に、電気の売却先(買受人)を公募する。
プロポーザルの評価項目として、交通局からの買取単価、都営バス20営業所と東京さくらトラムへの電力供給価格、都内における東京産水力発電由来の電気の活用方法、経営の安定性、の4つをあげている。
東京産水力発電由来の電気の活用方法は、調達した電気と環境価値のうち、対象都有施設に必要な環境価値を移転した後に手元に残存する電気と環境価値を、都内の需要家に販売する方法と、それが東京産水力発電由来であることを明示する方法について、具体的な提案を行うこと。
公募に参加できるのは、電気事業法に定める小売電気事業者としての登録を受けているほか、公募要項に記載の条件を満たす者。
公募の詳細は公募要領を参照のこと。売却対象と目標売却電力量は以下の通り。
・売却対象:多摩川第一発電所、白丸発電所、多摩川第三発電所で発電する電気(これに付随する非FIT非化石の環境価値を含む)
・目標売却電力量
参加申込書類の提出は、10月16日~29日15時まで。参加申込の確認通知を11月4日までに行う。公募要項などに関して質問事項がある場合は、その確認通知があった日から11月11日14時まで、電子メールにより受け付ける。質問の回答は11月20日に行う。
提案書類の提出日は12月1日9時~5日14時。12月中下旬にヒアリング、2026年1月下旬に買受人を決定する予定。
【参考】
・東京都―交通局の水力発電所で発電した電気の売却先を公募します!
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