2026年1月29日
環境省は1月23日、太陽光パネルのリサイクル推進に向けて、動静脈連携による太陽光パネル由来のガラスの水平リサイクル技術実証事業の公募を開始した。
この事業では、中間処理事業者とガラスメーカーが連携して水平リサイクルを実現するための異物の高度選別技術などの開発を通じ、太陽光パネル由来のガラスの省CO2型リサイクル技術向上を図る実証などを委託により実施する。公募期間は2月13日17:00(必着)まで。
太陽光パネルは、2030年代後半以降に大量廃棄が見込まれている。その一方で、その約6割(重量ベース)を占めるガラスは、板ガラス原料としての利用が期待されているものの、忌避物質の混入や品質確保の観点から天然資源からの素材代替が十分に進んでおらず、省CO2型の国内リサイクル体制の整備が求められている。
そこで、2025年度補正事業で、動静脈連携による省CO2型の太陽光パネルリサイクル技術向上と、再生ガラスの品質向上を図り、再生ガラスの板ガラスへの水平リサイクルを促進する実証(委託事業)を行う。
公募対象者は民間事業者・団体、大学、研究機関など。複数の事業者による共同提案も可能。予算は1件あたり上限1億円(税込)となるよう、外部有識者から構成される評価審査委員会による評価を経て決定される。事業期間は2026年度で、原則として、事業採択後の契約締結日から2027年3月末まで。
事業名は、2025年度補正「国内資源循環体制構築に向けた再エネ関連製品及びベース素材の全体最適化実証事業」。
実施対象事業は、5つの要件をすべて満たし、再生ガラスの水平リサイクルの推進に対し、ボトルネックに相当するような具体的課題を設定し、その解決に向けた実証的な取り組みであるもの。また、実証に当たって、資源の循環的な利用と処分の基本原則から見た事業の有効性、エネルギー削減効果、CO2排出量削減効果、その他の環境負荷低減効果を検証し、かつ、経済的と技術的側面から見た事業の実現可能性を検証するもの。
5つの要件は以下の通り。
(1)次の3つのいずれかの観点からエネルギー起源CO2削減に資する取り組みであること
・デジタル技術を用いたトレーサビリティ確保によりリサイクル原料の品質向上などに伴うエネルギー使用量の削減
・再生材の利用により天然資源が代替されることに伴うエネルギー使用量の削減
・輸送・破砕・選別工程の高効率化その他のリサイクルプロセスの改善によるエネルギー使用量の削減
(2)動静脈連携による太陽光パネル由来の再生ガラスの水平リサイクル技術実証に関連する取組であること
(3)新規性のある事業であること
(4)たとえば、再生ガラスの用途、販売・調達見通し、事業終了後の課題解決に向けた検討内容・社会実装に向けた事業化スケジュールなど、実証終了後の出口戦略が明確であること
(5)実証の結果、業界内外での横展開により低炭素製品のリサイクルとリサイクル素材の活用工程での省CO2化が促進される事業であること
応募する場合は、申請書一式を郵送または持参により提出する。また、申請書と事業概要スライドは電子メールでも提出する。公募に関する質問は、電子メールで2月6日17:00(必着)まで受け付ける。
選考は、環境省において事前審査(書類審査)を行った上で評価審査委員会において申請者からヒアリングを行い、採択事業を決定する。選考結果は3月(予定)に電子メールにて連絡する。
【参考】
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2026年1月28日
ヒラソル・エナジー(東京都文京区)は1月22日、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が同月20日に公表した2029年度実需給に向けた容量市場メインオークションの約定結果において、同社が管理・運用する複数の系統用蓄電池が落札されたと明らかにした。今回の落札により、単一の市場だけでなく、複数の市場機会を組み合わせた収益の多層化による系統用蓄電池事業の運用体制が整った。
ヒラソル・エナジーは、蓄電所事業の計画立案から、資材調達、工事、運用に至るまでを一気通貫で手がけている。運用フェーズにおいては、アグリゲーターとして、これまで他の電力市場を中心に運用を行ってきたが、今回、容量市場へも参画が加わったことで、将来的な供給力としての価値についても、収益源として確保できるようになる。
容量市場とは、電力量(kWh)ではなく、将来の供給力(kW)を取引する市場。今回の容量市場メインオークション(対象実需給年度:2029年度)では、ヒラソル・エナジーが開発・運用する案件を含む合計6件・約8MWの供給力が落札された。すでに運用中の蓄電所に加え、同社が開発を進める複数拠点の系統用蓄電池案件も含まれている。
ヒラソル・エナジーは、同社の蓄電所事業の強みとして、独自開発のエネルギーマネジメントシステム「JーEMS」(商標登録出願中)と一気通貫体制を挙げている。JーEMSは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の支援を受け、技術検証と高精度化を進めてきたもの。JーEMSは、複雑化する電力市場において最適な収益を上げるため、クラウドとエッジの両面から高度な制御を実現する。
クラウド側(市場連携・予測)では、データ分析に基づく同社独自開発のソフトウェアの予測技術を活用し、発電量・需要・市場価格を予測し、卸電力市場、需給調整市場、容量市場といった複数の市場に対し、最適な充放電計画の立案と入札を行う。エッジ側(セキュアな制御)では、独自開発のハードウェアにより、セキュリティ要件に対応した安全性の確保と共に、クラウドからの指令に基づいたミリ秒単位での正確な蓄電池制御(充放電実行)を行う。
ヒラソル・エナジーはJーEMSを基盤に、ワンストップで完結させる開発能力を組み合わせることで、系統用蓄電池の普及と電力系統の安定化への貢献を目指す。
ヒラソル・エナジーは、百年続く太陽光発電の実現を目指す東京大学発スタートアップ。先端技術とデジタルソリューションの提供により、太陽光発電所の事業的価値と社会的価値を最大限引き出すことを目指している。発電所の性能再生事業、発電所の集約化運営を推進する百年ソーラー事業、太陽光発電関連のDXソリューションの提供などを行っている。
このうち百年ソーラー事業は、山梨県で初の取り組みを実施し、2025年3月には九州エリアでも同様の取り組みを開始した。このほか、太陽光発電関連では、イースト・エンジニアリング(東京都文京区)と、FIP制度への移行と最適に制御支援する共同プロジェクトなどに取り組んでいる。
【参考】
・電力広域的運営推進機関―容量市場メインオークション約定結果(対象実需給年度:2029年度)の公表について
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