2025年9月12日
太陽光発電を中心とした再エネ事業を展開するGBP(東京都港区)は9月8日、折りたたみ可能な 「移動式太陽光発電所」を開発し、発売を開始したと発表した。太陽光パネル200枚を搭載、最大出力は144kW。展開後、すぐに電力供給を開始できるのが特長だ。
同製品は、従来の固定タイプの太陽光発電設備のように設置工事や長時間の準備を必要とせず、折りたたみを開くだけで現場到着後から電力供給が行える。モデルによっては最短1分程度で展開できるという。
太陽光パネルは、片側のみの展開も可能で、狭小な場所や限られた環境でも電力供給を実現。使用後はパネルを再び折りたたみ、コンパクトに収納できる。同社では、避難所や医療施設、工事・建設現場、仮説住宅、充電ステーションなどでの利用を想定している。
モデルは全6種で、定格出力は最小10.08kWから最大144kW(パネル枚数は14~200枚)まで。重量は最軽量12t、最重量60t。
地震・台風など災害が多発する日本では、停電時においても、安全かつ安定的に電力を確保できる仕組みが欠かせない。一方で、現在主流となっている固定式の太陽光発電設備は、被災状況や設置環境に左右されやすいという課題があった。
同社は今後、同製品の提供を通じて、防災需要に応えていくとともに、持続可能なエネルギーインフラとして日本のレジリエンス強化に寄与していく。
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2025年9月11日
マクニカ( 神奈川県横浜市)は9月5日、発電効率を向上したペロブスカイト太陽電池(PSC)による苛烈環境下での実証事業を開始したと発表した。新規開発したPSCユニットを異なる工法で設置し、苛烈環境と通常環境における耐久性・発電対応力を比較する。期間 は2025年9月1日から2026年2月28日まで。
この実証は、環境省が実施する「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の一環で、「港湾などの苛烈環境におけるPSCの活用に関する技術開発(委託)」として2023年度から3年間にわたり技術開発と実証を継続している。
2024年度は、接着しない独自の新工法にてPSC72枚を設置し、正常稼働できることを確認したほか、蓄電池やIoT機器を含め設計した出力1.5kWのPSCユニットを用いて、重耐塩環境下で出力1kW規模での発電と定常電力利用を実現した。
最終年度となる2025年度は、蓄電池やIoT機器とのシステム統合を実施し、独自の新しい2通りのPSCユニット設置工法を比較する。設置場所は、「横浜港大さん橋」デッキ上の国際客船ターミナル屋上広場で、発電効率を向上させた1kW相当規模のPSCユニット60枚を設置し、昨年以上の発電量を目指す。また、重耐塩環境下に加え、「横浜港大さん橋」デッキ上と同じPSCユニットを通常環境下のオフィスビル(非開示)に設置。約6カ月の期間、重耐塩環境下と通常環境下でのPSCユニットのデータを測定し、耐久性および発電対応力を比較する検証を行う。
一連の実証は、ペロブスカイト太陽電池の発明者である桐蔭横浜大学の宮坂 力特任教授の指導の下、共同実施者であるペクセル・テクノロジーズ(神奈川県横浜市)およびペロブスカイトの製造を担当する麗光(京都府京都市)との3社で推進している。
マクニカは、半導体の取り扱いに加え、多様なパートナー企業とともに、環境問題解決に向けた取り組みに注力。サーキュラーエコノミー事業では、「エネルギーマネジメント」「省エネマネジメント」「資源循環マネジメント」「環境ライフマネジメント」の4つの事業を展開し、ソリューション提供を通じてCO2排出量削減や持続可能な社会の実現を目指している。
【参考】
・環境省―地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業
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