2025年9月22日
三菱HCキャピタル(東京都千代田区)は9月17日、「2030年度にGHG排出量(スコープ1・2)を2019年度対比で55%削減する」という目標を前倒しで達成したと発表した。オフィスビルでの再エネへの切り替えや非化石価値の購入が主な要因だという。
この目標は、「2023~2025年度中期経営計画」の非財務目標として掲げられたもので、三菱HCキャピタルは国内の連結子会社とともに、入居するオフィスビルにおいて、オーナーを通じて再エネ由来電力への切り替えを実施した。
2024年度は、この再エネ切り替えやオフィス統廃合により、GHG排出量を4800t-CO2eを削減。また、再エネ由来電力に切り替えていないオフィスビルに入居する拠点については、再エネ事業を展開する子会社である三菱HCキャピタルエナジー(東京都千代田区)が保有する太陽光発電所を指定した、トラッキング付き「非FIT証書(再エネ指定)」を購入し、GHG排出量を約2000t-CO2e削減した。これらの取り組みにより、スコープ1・2排出量は約60%削減した。
三菱HCキャピタルエナジーから購入した非化石価値については、第三者保証を取得し、透明性と信頼性を高めた。対象は、GHG排出量スコープ1・2(ロケーション基準、マーケット基準)および企業のバリューチェーンで発生するその他間接GHG排出量スコープ3(カテゴリー1・2・3・5・6・7・13・15)。
三菱HCキャピタルエナジーは、グループが保有する再エネ発電所から必要となる分の非化石価値を、一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX/東京都港区)の取引口座を通じて、三菱HCキャピタルに提供した。今後オフィス移転や拡張を行う際にも、使用電力の増減に応じた非化石価値の購入が可能になるという。
同社グループは引き続き、脱炭素社会の実現に向け、自社のGHG排出量削減に加え、三菱HCキャピタルエナジーらグループ企業による再エネ電源開発や再エネ電力・非化石価値の販売などを推進し、企業の脱炭素を支援するソリューションを提供していく。
記事内容へ
2025年9月21日
沖縄電力(沖縄県浦添市)は9月12日、オリオンホテル(同・本部町)および戸田建設(東京都中央区)と、オフサイトPPA契約を締結したと発表した。年間約1100tのCO2排出量削減効果を見込む。10月より供給を開始する。
この取り組みにおいて沖縄電力は、戸田建設の「浦添ロジスティクスセンター」(沖縄県浦添市)の屋根に設置された出力1045kWの太陽光発電設備で発電した再エネ電力を、オリオンホテルが所有・運営する施設「オリオンホテルモトブリゾート&スパ」に供給する。
年間発電量は約170万kWhで、同ホテルの年間電力消費量の約25%が再エネに転換される。
同社は、この契約において同社の電力系統を通じ電力供給するとともに、トラッキング付き非化石証書の割り当てなどを行う。
浦添ロジスティクスセンターは、戸田建設がオリオンビールの旧本社跡地を取得し2023年3月に竣工・開業したマルチテナント型物流倉庫。鉄骨造4階建てで、梁下有効高5.5mの広い倉庫空間のほか、26台分のトラックバース、ラウンジやコワーキングスペースを備えている。屋上に太陽光発電設備を設置し施設内での電力に使用。不足分はCO2フリー電力を購入することで再エネ100%での運用を実現している。
今回、沖縄電力初となるオフサイトPPAの取り組みは、同社がゼロエミッションの実現に向けて取り組む「再エネ主力化」の1つ。今後はオフサイトPPAの導入拡大に加え、オンサイトPPA「かりーるーふ」やCO2フリーメニューと組み合わせることで、多様な顧客ニーズに応じた最適な脱炭素ソリューションを提供。再エネの主力化を一層加速させる方針だ。
なお、沖縄電力グループのオンサイトPPA「かりーるーふ」は、初期費用をかけずに太陽光発電設備や蓄電池を導入できる第三者所有モデルで、これまでに2023年2月に豊見城市庁舎、3月に医療法人のもとぶ記念病院ともとぶふくぎの里、6月には沖縄美ら島財団の本部施設とそれぞれオンサイトPPA契約を締結している。
記事内容へ