2025年9月26日
一般財団法人家電製品協会(東京都千代田区)は9月18日、企業によるZEH推進の活発化を受け、新たな資格制度「ZEHコーディネーター」を創設すると発表した。同制度は、住宅・リフォームの営業現場での提案力を高められるための資格。受験者は、講義や試験を通じて、新ZEHなど省エネ住宅の営業に必要な知識を効率的に習得できる。第1回試験は2026年9月実施。以降、毎年2回(9月・3月)行う。
試験は、コンピューターを使ったCBT方式による1科目のみ。受験料は1万4000円(電子テキスト・講義用ウェブ動画込み)で、資格の有効期限は資格交付日から5年間(更新制)。
講義は、販売ノウハウ取得を目的とした実践的な内容となっており、スマホでの視聴も可能。講師は、一般社団法人ZEH推進協議会(東京都港区)理事の宜野座 俊彦氏が務める。
政府は現在、住宅部門の脱炭素化に向け、ZEHなど省エネ住宅の普及に注力しており、今後はZEHの定義見直しやZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅制度の導入などが控えている。
こうした中、企業各社は専門人材の育成に関心を寄せる。家電製品協会が実施した調査では、約8割の企業が同資格を活用する意向を示したほか、約7割が「人材教育などに活用したい」と回答した。
一般財団法人 家電製品協会は、「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」に基づき、家電製品の安全な利用と環境負荷の低減を目的とした活動を行う法人。これまでにも「スマートマスター」「家電製品アドバイザー」などの資格制度を整備している。
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2025年9月25日
日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は9月18日、太陽光パネルのリサイクル義務化制度の早期実現を求める意見書を公表し、太陽光パネルリサイクル義務化法案の国会提出が見送られている状況に対し、強い懸念を表明した。
太陽光パネルは、2030年代後半から廃棄量が増え約50万tに達する見通し。政府は太陽光パネルのリサイクルを義務付ける法案を検討してきたが、費用負担のあり方を巡り調整が難航し、法案提出を見送った。
JCLPは、意見書の中で、循環経済による資源調達の自立化や静脈産業発展による国内雇用確保、適切な発電施設での運営継続などを通じた乱開発・不法投棄の抑制を同時に進めることが重要と指摘。今後は脱炭素社会と循環社会の両立に向け、自ら取り組みを進めると宣言した。
一方で、事業者の自主的な取り組みだけでは限界があるとし、政府に対し、すべての発電事業者が回収・リサイクルに取り組めるよう、従来の枠組みに囚われない柔軟かつ先進的な制度設計を求めた。
浅尾 慶一郎環境大臣は8月29日の定例会見で、検討してきた太陽光パネルリサイクル制度の義務化を断念すると発表、制度案を見直すと明かした。会見の中では、所有者負担となっているその他リサイクル関連法制との整合性が指摘されたと説明した。
環境大臣による断念発表を受け、同日、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン/東京都港区)、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(同)など9団体は、政府に対して太陽光パネルのリサイクル義務化を求める共同声明を発出。「その他リサイクル関連法の費用負担の考え方と齟齬がある」との指摘については、拡大生産者責任(EPR)が重視される状況を踏まえ、新法で制度的枠組みを変更することに問題がないとの見方を示した。
JCLPは、「脱炭素社会」への移行をビジネス視点で捉える日本独自の企業グループ。アマゾンジャパン合同会社(東京都目黒区)、戸田建設(同・中央区)、積水ハウス(大阪府大阪市)など233社が加盟する。
【参考】
・環境省―浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年8月29日(金)11:05~11:30 於:環境省第一会議室)
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