2025年11月20日
不動産事業を展開するエスポア(東京都渋谷区)は11月13日、中国Sigenergy Technologyの日本法人Sigenergy Japan(シグエナジー/同・中央区)と、日本国内における系統用蓄電池事業を中心とした包括基本合意書を締結した。両社は、2026年12月末までに蓄電池発電所約10カ所分に相当する80MWh規模の蓄電池製品の販売・設置を目標に、協業体制を敷く方針。
エスポアは、不動産事業に加え、近年は系統用蓄電池開発など再エネ事業に注力している。シグエナジーは2024年9月の設立以来、AI技術やデジタル制御を組み合わせたエネルギー貯蔵ソリューションを開発や蓄電システム、太陽光インバータ、EV充電器などを主軸とした事業を展開。スタッカブル分散型光+蓄電一体機ソリューションや世界初の実用化型一体化V2Xソリューションなどは国内外で高く評価されている。
80MWh規模の共同販売目標達成に向けては、エスポアの案件開発力・販売チャネルとシグエナジー社の製品供給・技術面の強みを活かし、市場浸透を加速させるとともに、複数の系統用案件の共同展開を行い、プロジェクトごとにスケールメリットを得ながら効率的な導入を進めていく。
また今後は、シグエナジー社製蓄電システムの取り扱いが可能となることから、ラインアップの大幅拡充とともに蓄電池事業の競争力が強化されると、エスポアは協業のメリットを強調する。さらに、シグエナジー社との連携による投資家ネットワーク拡大や販売支援を通じて、蓄電所開発プロジェクトの早期収益化や案件規模の大型化などが図られ、蓄電池事業ポートフォリオが拡充するとしている。
両社は、現在エスポアが開発中の案件を含む10件のプロジェクトについても協業を進める予定で、今後も、全国で複数の蓄電池発電所プロジェクトを展開し、クリーンエネルギーの安定供給と電力インフラの分散化に貢献していく。
記事内容へ
2025年11月19日
パナソニックホールディングス(パナソニックHD/大阪府門真市)は11月14日、グリーンイノベーション基金事業において、AGC(東京都千代田区)と、建材一体型太陽電池(BIPV)の活用に向け、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の量産技術開発とフィールド実証に着手すると発表した。公共・商業施設を中心に、耐荷重の小さい屋根やビル壁面への設置など国内外の市場を想定して実証を展開する予定。
このプロジェクトは、パナソニックHDが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する2025年度グリーンイノベーション基金事業「次世代型太陽電池の開発」のうち、「次世代型太陽電池実証事業」に採択されて実施するもの。
従来は太陽電池の設置が困難だった都市部などへの再エネ導入を加速するため、建物の窓や壁・バルコニーなどにガラス型ペロブスカイト太陽電池を設置する事業の実用化に向け技術開発を進める。
具体的には、安定した品質の大量生産を可能にする量産技術の確立に向け、一連の生産プロセスとして高いスループット・歩留まりを実現する技術を開発。量産技術開発と並行し、同太陽電池の特性を活かした施工方法を含む性能検証のため、建築物など実用環境での施工・運用試験を実施する。事業期間は2025年度~2029年度(最大5年間)。
同事業では、エンドユーザーのニーズを反映した技術開発や社会実装の加速を目的に、太陽電池メーカー単独でなく、ユーザー企業などと連携したコンソーシアムによる提案が求められる。そこで、パナソニックHDを幹事企業としたコンソーシアムを組成し、AGCと、パナソニックグループのパナソニック環境エンジニアリング(大阪府吹田市)が事業における委託・連携パートナーとして参画する。
幹事会社のパナソニックHDは、量産技術の開発に関するモジュール出力、信頼性を含む品質安定化、量産プロセス最適化に加え、フィールド実証を通じた施工・配線・システムの検証に取り組む。AGCは、BIPVの実績や施工、エンジニアリング技術を活かし、構造設計・品質確保を含む施工を支援とともに、実証実験を通じた開発へのフィードバックを行う。
パナソニック環境エンジニアリングは、建築・ガラスと太陽光・蓄電池などのエンジニアリング技術に基づく設計・施工のサポート開発のフィードバックを実施する。
パナソニックHDは、BIPVとして、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の開発を進めている。
同太陽電池は、極薄の太陽電池の膜を、建築基準に適合した強度・厚みのガラスに塗布し合わせガラス化したもの。その特長として、サイズや透過性、グラフィックパターンの自由度などがある。また、建材一体化することで、さまざまなガラス仕様に対応できる上、耐風圧性能など建築材として求められる基準を満たし、太陽電池としての耐久性が高められる。これにより、建築業界で確立された幅広い施工方法を活用可能となり、都市部を含めた太陽電池の設置場所の拡大にもつながり、建築物と自然に調和する形でオンサイト発電を可能にする新たなソリューションとして、新たな選択肢となることを目指している。
一方、AGCは、太陽光発電セルを2枚のガラスにはさみ込んだBIPVを展開する。3月には東京建物(東京都中央区)と「東京建物八重洲ビル」に、AGC製太陽光発電ガラスの導入したことを公表した。
記事内容へ