2026年4月12日
東急(東京都渋谷区)は4月8日、東京都の系統用大規模蓄電池導入支援事業に2年連続で採択されたと発表した。2027年度までに、総出力46MW・容量184MWhの系統用蓄電所の稼働を目指す。投資総額は140億円。
蓄電所の建設は東急が担い、東急パワーサプライ(同・世田谷区)が再エ余剰電力の吸収や調整力の提供、電力需給逼迫時の放電などの運用を行う。これにより、電力需給安定化や余剰電力の有効活用に貢献する。
同事業では、東急と、東急グループのエネルギー事業者である東急パワーサプライの両社がそれぞれ投資を行う予定。また、東急パワーサプライは、小売電気事業者として需給管理に関わるナレッジを活用して運用を行う。
両社は、系統用蓄電所を国内各地で段階的・継続的に開発し、今回の事業では、2027年度までにすべての系統用蓄電所の稼働開始を予定している。また東京都のエネルギー政策とも連動しながら、設備メーカーや電力関連事業者との協業を通じて、事業価値の最大化を図る。
東京都の事業名は「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」。この事業では、東京電力管内の電力系統に直接接続する大規模蓄電池の導入に対して助成を行っている。
都は、再エネの導入拡大にあわせ、系統用蓄電池の整備を重要施策の1つとして位置付けている。東急は、こうした地域の政策方針とも合致する系統用蓄電所事業への参入と推進を決定した。
東急と東急パワーサプライは、都の支援事業で、2024年度は神奈川県清川村における系統用大規模蓄電池事業(交付決定額1億5045万4000円)が、2025年度は埼玉県熊谷市における系統用大規模蓄電池事業(同2億6626万3000円)が採択されている。社会的意義と実現性の双方が評価され、2年連続での採択となった。
なお、都は4月1日に2006年度事業の公募要領を公開している。
現在、国内では2050年カーボンニュートラル実現のため、太陽光発電や風力発電をはじめとする再エネの導入が進展する一方、大都市圏を中心に、発電量の変動に伴う需給調整や電力系統の安定運用が重要な社会課題となっている。3月には首都圏では初となる再エネの出力制御が行われるなど、再エネを無駄なく有効活用するための調整力確保はその重要性を増している。
東急グループでは、東急不動産(東京都渋谷区)や東急建設(同)も系統蓄電池事業を展開する。東急不動産は3月、東急不動産グループを含む国内大手8社でコンソーシアムを組成し、特別高圧の系統用蓄電所6物件(総事業費約300億円、出力約174MW)を推進することを発表している。
記事内容へ
2026年4月11日
大阪ガス(大阪府大阪市)は4月7日、100%子会社のDaigasエナジー(同)が保有・運営する鹿児島県鹿屋市の「鹿屋太陽光発電所」で、再エネ併設型蓄電池の設置工事を開始したと発表した。新設する設備は出力は約2MW、容量約6MWhで、12月にも運用を開始する。
再エネ併設型蓄電池は、従来は出力制御により活用できなかった日中の太陽光発電電力を蓄え、夕方や夜間に放電することで、再エネの有効活用を図る。あわせて、天候変動に伴う発電出力の変動を抑制し、電力系統の安定化にも寄与する。
鹿屋太陽光発電所は2019年9月に稼働したメガソーラーで、出力は約2MW。
同プロジェクトでは、Daigasエナジーが蓄電池の選定や基本設計、電力会社との連系協議を担い、発電所敷地内に蓄電池を設置する。運用開始後は大阪ガスが遠隔制御を行う。
同発電所は今後、FIT制度からFIP制度への移行を予定しており、発電および蓄電池からの放電による電力は全量を大阪ガスが買い取る計画。さらに、蓄電池を活用して需給調整市場への参入も見据え、系統安定化への貢献と収益機会の拡大につなげる。
Daigasグループは蓄電池事業において、系統用および再エネ併設型を合わせ、2030年度までに運用規模1,000MWを目指しており、今回の取り組みもその一環。
再エネ併設型蓄電池では、2025年11月4日、再エネ事業者のSonnedix Power Holdings Limited(ソネディックス)と共同出資する発電所運営会社を通じて、大分県大分市の太陽光発電所に国内最大規模となる蓄電池を設置すると発表した。
同プロジェクトでは、出力約39MWの既設太陽光発電所の敷地内に、定格出力約30MW・定格容量約125MWhの大容量蓄電池システム(BESS)を新設する。建設工事は着工済みで、2026年11月の商業運転開始を目指す。
鹿屋太陽光発電所と同様に、FIT制度からFIP制度への移行を予定しており、発電所および蓄電池からの電力は全量を大阪ガスが買い取る計画。
なお、プロジェクトでは資本構成の最適化や財務の安定化を目的に、三菱UFJ銀行(東京都千代田区)がノンリコースのプロジェクトファイナンス(約214億円)を提供している。
ソネディックスは、今回のプロジェクトを含めグループ全体で合計1GWを超える併設型蓄電池を保有する。日本国内では、現在25件の太陽光発電プロジェクトを運営。総容量は開発案件を含め約600MWとなっている。
同社は引き続き、太陽光発電に限らず再エネ分野全般にわたりポートフォリオを拡大し、先進的なエネルギー貯蔵ソリューションへの投資を進めていく。
記事内容へ