2026年6月20日
リコーPFUコンピューティング(神奈川県海老名市)は6月11日、生産拠点である鳥取事業所(鳥取県鳥取市)の従業員駐車場に、約1.2MWメガソーラー規模のソーラーカーポートを導入し、運用を開始したと発表した。
広大な平置き駐車場という未利用スペースを活用することで、建屋屋根の重量制限や将来の増築を見据えた用地確保などの課題に対応し、オンサイトPPAの仕組みで同拠点へ再エネを導入した。
同生産拠点の消費電力の約2割が太陽光発電による電力で賄われる。年間発電量は1,407MWhで、一般家庭約230世帯分の消費電力量に相当する。この取り組みによる初年度のCO2排出量の削減効果は、年間で約727tを見込む。
また、災害時に近隣住民が利用できる「防災拠点」としての機能を持たせた。災害などで停電した際、近隣住民にカーポート下のスペースを一時避難場所として開放するとともに、蓄電池に貯めた電力でスマートフォンの充電を行うなど、緊急時の連絡手段確保を支援する。
社員にとっては、大規模なカーポート設置により、雨天や降雪時の駐車場から工場棟への移動が安全で快適なものとなるほか、夏季は日差しを遮ることで車内温度上昇の抑制効果もある。
同社は、リコーグループにおいて産業向けコンピュータ製品の開発・製造を行う。同社グループは、2017年4月に日本企業では初の「RE100」への参加を皮切りに、再エネの使用率向上および質の確保を両立させるため取り組んできた。自社拠点スペースを活用したオンサイトフィジカルPPAや、オフサイトバーチャルPPAの運用実績を持つ。
今回のソーラーカーポート導入は、こうした取り組みの一環。オンサイトPPA方式を採用することで、カーポート型の太陽光発電設備としては稀少なメガソーラー規模となる。
川崎重工業(兵庫県神戸市)は5月25日、同市の西神工場にソーラーカーポートを導入し運用開始したと発表した。東京センチュリー(東京都千代田区)および京セラコミュニケーションシステム(KCCS/京都府京都市)との3社連携による「寄付型コーポレートPPA(自家発電サポートサービス)」により、東京センチュリーとKCCSが太陽光発電設備導入にかかる初期投資などのコストおよび手続きを引き受け、需要家である川崎重工業は初期コストの負担なく太陽光発電システムを導入する。年間約1,220MWhの発電量を見込む。
国は、脱炭素目標の達成に向けて再生可能エネルギーの導入拡大を進める一方、送電網の空き容量や発電設備の適地の不足が課題となる中、 送電網への負荷なく、かつ自然破壊に加担しない駐車場などの敷地内の遊休地を活用した自家消費型発電を後押ししている。
環境省が行う、駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備と、定置用蓄電池・車載型蓄電池・充放電設備・充電設備などの導入を支援する補助金(2026年度は公募終了)では、交付額は最大で1億円。ソーラーカーポート、垂直型ソーラー以外に、発電機能と舗装の路面機能を一体化させたソーラーロードも補助対象となる。PPAの仕組みで導入するソーラーカーポートも補助対象とされており、その場合PPA事業者が代表者となり、電力の需要家が共同事業者として申請が必要。
豪雪地域においては、積雪の影響を受けにくい垂直ソーラーの設置が望ましい。環境省補助金においてもこのタイプも補助対象となる。
エア・ウォーター(大阪府大阪市)は2025年12月2日、豪雪地帯の鳥取市に立地する日本郵政グループのコールセンター駐車場敷地に、オンサイトPPAサービスにより「垂直ソーラー」を設置し運転を開始した。積雪の影響を受けにくい垂直型ソーラー発電システム「VERPA」を用いた。山陰地方では初の導入事例だという。
神戸製鋼所(兵庫県神戸市)は2025年4月に、みずほ丸紅リース(東京都千代田区)とのオンサイトPPAにより神戸総合技術研究所にソーラーカーポート型太陽光発電設備を設置し運用開始。車路部分にも太陽光パネルを設置する車路一体型を採用し、年間発電量は約700MWh、CO2排出量を年間約300t削減する見込み(当時)と発表し、製鉄プロセスにおける大幅なCO2削減および事業所での再エネ利用により、グループ全体の脱炭素目標につなげていくとした。
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2026年6月19日
JA三井エナジーソリューションズ(JMES/東京都中央区)と大阪ガス(大阪府大阪市)は6月11日、須賀川蓄電所合同会社を通じて、福島県須賀川市にて、系統用蓄電池「須賀川蓄電所」の開発に着手したと発表した。
JA三井リースグループと大阪ガスが共同出資して取り組む初の系統用蓄電池事業となる。
両者は、再エネのさらなる普及拡大と電力系統の安定化に貢献するため、今後も蓄電池事業の拡大に取り組んでいく。
須賀川蓄電所の定格出力は22MW、定格容量は95MWh。2028年度の営業運転開始を予定している。
この事業において、JA三井リースグループが主に事業運営や資金・事業管理を担い、大阪ガスは、これまで培ってきた電力トレーディングに関する知見を活かし、卸電力市場・需給調整市場・容量市場の3つの電力市場において取引を行う。
近年、再エネの導入拡大に伴い、再エネの出力変動を補完できる蓄電池の必要性が高まっている。系統用蓄電池事業は、大型の蓄電池を電力系統に接続し、再エネ電力の不足や余剰に応じて蓄電池の充放電を行うことで、電力系統の安定化にも寄与するとともに、再エネのさらなる有効活用を可能にする。
JA三井リースグループは、経営基盤強化5カ年計画「Sustainable Evolution」の重点施策の一つに「ビジネスモデルの進化」を掲げ、「エネルギー・トランジション」を成長領域と位置づけている。
JA三井リース(東京都中央区)は、これまではプロジェクトファイナンスによって太陽光、風力などの発電所建設を支え、再エネ普及に寄与してきたが、自身が事業者となり推進するため、2022年6月に、JA三井エナジーソリューションズ(JMES)を設立し、発電・売電事業やエネルギー関連事業投資を開始した。相応の太陽光発電設備を保有・運営するとともに、パートナーシップを組んで、新たなサービスの開発・提供にも注力している。たとえば、2024年に、アイ・グリッド・ソリューションズ(同・千代田区)は蓄電池併設型オンサイトPPAサービスを開始することを発表している。
系統蓄電所について、JA三井リースは同じく2024年に、パワーエックス(同・港区)と、3年間で全国各地に30地点の高圧蓄電所を開発する計画を発表している。両社は2023年1月に資本業務提携を締結しており、それに基づく新たな一歩として、パワーエックスの大型定置用蓄電池「Mega Power」を用いた系統蓄電所の共同開発に合意した。また、JA三井リースは、JMESを通じて、合同会社を新立し系統蓄電所の保有と運営を担う。このプロジェクトの第一弾として、中部エリアで系統蓄電所の開発に取り組んでいる。
また、JA三井リースは、関西電力(大阪府大阪市)、スパークス・グループ(東京都港区)と、茨城県水戸市と静岡県浜松市、熊本県阿蘇郡において系統蓄電所の開発を進めている。
大阪ガス(Daigas)グループは、「エネルギートランジション2050」のもと、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めている。蓄電池事業においては、再生可能エネルギーの普及拡大と電力系統の安定化に貢献する重要な分野と位置付け、系統用と再エネ併設型を合わせて、2030年度までに蓄電池運用規模1,000MWを目指している。
2025年8月に、伊藤忠商事(東京都港区)、東京センチュリー(同・千代田区)と共同出資する系統用蓄電池「千里蓄電所」(大阪府吹田市)が商業運転を開始している。また、2025年6年、三菱HCキャピタルエナジー(同)、三菱地所(同)、韓国のサムスン物産とともに、北海道千歳市で系統用蓄電事業の設備施工に着手している。
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