2025年5月4日
イ・グリッド・ソリューションズ(東京都千代田区)は4月30日、慶應義塾大学 未来光ネットワークオープン研究センター (山中 直明 特任教授)とともに、地域における余剰電力の発電場所や消費場所、その量を追跡する新サービス創出に向けた共同研究を開始すると発表した。仮想マッチングを実施し、再エネの付加価値を高める新たなビジネスモデルを探索する。
共同研究では、アイ・グリッドで蓄積した余剰電力のデータを活用し、発電場所と消費場所の紐づけを目指す。具体的には、アイ・グリッドの余剰電力にトレーサビリティを付与することで、余剰電力の発電・需要拠点の仮想マッチングを行う。これにより、同一企業の拠点間での余剰電力融通に加え、地域内の余剰電力循環によるエネルギーの地産地消を示すことができるようになるという。
このほかに、余剰電力含む再エネを最大限リアルタイムで消費するため、蓄電池やEVチャージャーを活用したエネルギー消費のタイムシフトに関する研究も行う。期間は2025年4月1日から2028年6月30日までの予定。
2025年2月に「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定され、2040年度におけるエネルギー需給の見通しが示された。このうち再エネは電源構成の4、5割程度とし、太陽光は23~29%程度に引き上げられた。今後は再エネ総量増に向け、追加性のある再エネ導入がさらに重要となる。一方で、再エネ導入拡大により、系統負荷増加による出力抑制といった課題が生じる。原因は電力を必要としている時間や場所と実際に発電される時間と場所の不一致にある。この問題解決に向け、両者は今回、共同研究に着手した。
アイ・グリッドは、PPAに関する独自のプラットフォームを開発。施設の屋根上に設置した太陽光パネルによる発電のうち自家消費し切れない電力を、他施設に供給する余剰電力循環スキームを生かした太陽光PPAサービスを提供している。
共同研究に参加する同研究センター長の山中教授は「EVNO(Energy Virtual Network Operator)」研究の第一人者として知られる。「EVNO」は、既存の電力網と各需要家が保有するエネルギーを結ぶ仮想発電所をつくり、送電を行う電力会社と電力配分を手がける事業会社に分けて管理するというもの。電力会社は消費者と発電者間の需要と供給に基づき、送配電システム上で特定の複数の発電源、需要家を最適にマッチング制御し、送配電コストのみを事業会社に支払う仕組みとなっている。
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2025年5月3日
JTOWER(東京都港区)は4月25日、大型商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」(愛知県安城市)において、インフラシェアリングを活用した4G・5Gの通信環境を整備し、新たに開発した共用装置を運用開始したと発表した。
消費電力を35%削減する独自開発の5G対応の新型共用装置で、今回が初めての運用。全4キャリアに対応しており、環境に配慮した建物内の電波環境整備に貢献する。
同社は、自社の技術開発部門で、携帯キャリアの要求品質を踏まえた共用装置の開発を行っている。2020年に開発した5G対応共用装置は、同年に東京都庁が国内で初めて導入し、その後は累計133物件(2024年12月末時点)への導入実績を持つ。
今回導入したのは、さらに改良を重ね、開発をした新しい共用装置。5G Sub6帯域に対応しており、消費電力を約35%削減を実現するもので、今回が初めての運用となる。
新たな装置の導入では、携帯キャリアとの仕様検討・接続試験、携帯キャリア側での認証取得、携帯キャリアとの運用フロー構築などのプロセスを着実に経ることで、通信インフラの一端を担う高い通信品質を提供するという。
インフラシェアリングは、商業施設やオフィスビルなどにおける携帯電波環境整備において、携帯事業者が個別にアンテナを設置、配線、中継装置の設置など実施していたものを、共用設備を用いて一つにまとめて実施する方法。5G整備が積極的に進められる中、ネットワーク整備の効率化や、設備投資・運用コストの削減、環境配慮の観点から、インフラシェアリングを活用するケースが増えており、今後も市場拡大が見込まれる。
JTOWERは、通信インフラシェアリングの分野においては後発の日本において、世界最先端のインフラシェアリングの整備を目指し2012年に設立した。主な事業は、情報通信インフラの設計・構築、通信関連ソリューションの設計・開発、情報通信サービスの提供を展開している。
なお「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」は、大型商業施設で、三井不動産(同・中央区)が2025年4月に開業した。
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