2025年10月10日
RE100電力(東京都中央区)は9月11日、台湾の再エネ企業TUN POWER(トゥンパワー)と、系統用蓄電池設置工事に関する請負契約を締結したと明かした。和歌山県和歌山市に、出力1.99MW・容量8.128MWhの系統用蓄電所を新設し、2026年5月の運転開始を目指す。
このプロジェクトにおいて、RE100電力はアグリゲーターとして、蓄電池の充放電を制御し、需給調整市場・JEPX市場・容量市場の3市場などで収益の最大化を図る。開発や建設、保守管理(O&M)は、グループ会社の日本エネルギー総合システム(JPN/香川県高松市)が担う。
FUSOグループHD(東京都中央区)は、主要事業会社のRE100電力やJPNが中心となり、蓄電所開発を進めている。第1弾開発プロジェクトは、鹿児島県霧島市の霧島蓄電所。同施設は出力1.99MW、容量8.128MWh。
JPNは、2027年度までに全国50カ所・総出力100MW・容量約400MWh規模の蓄電所を開発する計画を掲げ、霧島蓄電所のほか、秋山興産(香川県高松市)との出力10MW系統用蓄電所開発などを推進している。
トゥンパワー社は、70年以上にわたり、台湾の電力インフラ建設を手がけるほか、近年はAFC蓄電システム構築など再エネ事業に重点を置く。今後はRE100電力と連携し、日本国内で系統用蓄電池事業を展開していくとしている。
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2025年10月9日
東京都は10月3日、東京都キャップ&トレード制度において、毎年度、事業所から提出されたCO2排出量などの情報を、マップやグラフで「見える化」したダッシュボードの公表を開始した。過去からの推移、都内平均値や他事業所との比較などが一目でわかる仕様で、脱炭素化に積極的な事業所が、投資家や金融機関、取引先などから選ばれ、社会経済的な評価をさらに高めることができる仕組みを提供する。
ダッシュボードの主なポイントとして、都内大規模ビルや工場などのCO2排出量や床面積当たりのエネルギー使用量の推移、東京都内の平均値や上位レベルとの比較、建物用途や床面積の大きさなどが類似する事業所との比較、再生可能エネルギーの利用割合、が表示できることをあげている。
ダッシュボードは、東京都キャップ&トレード制度の対象となっている約1200事業所から毎年度提出されている地球温暖化対策計画書のデータを元にしている。概要シートと比較シートで構成され、概要シートでは、マップ上で事業所のCO2排出量など(CO2排出量の経年変化、床面積当たりのエネルギー使用量の推移、再エネ設備の導入状況など)を見ることができる。比較シートでは、特定の事業所について、都内平均値や他事業所の状況と比較することが可能だ。
なお、一次エネルギー原単位、再生可能エネルギーの利用割合、再エネ設備導入状況、環境認証取得状況は、2026年度からの表示項目となる。
東京都では、都内の温室効果ガス排出量の確実な削減を図るため、2010年度から、大規模事業所(既存建築物)に「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度(東京都キャップ&トレード制度)」を施行している。この制度では、CO2排出量の総量削減を義務付けるとともに、排出量取引を活用して他の事業所の削減量(クレジット)などを取得して義務を履行することができる。対象は約1200事業所(年間のエネルギー使用量が原油換算で1500kl以上の事業所)。
この制度では、毎年度、事業所から提出されたデータや取り組み状況を環境局のウェブサイトで公表してきた。今回、公表のあり方を見直し、事業所が省エネ対策などに取り組んできた実績をわかりやすく伝えるため、CO2排出量などの情報を「見える化」して、環境省のウェブサイトで公表を始めた。
脱炭素社会の実現に向けた国内外の動向として、新築建築物の環境性能だけではなく、既存建築物におけるCO2排出量やエネルギー使用量のパフォーマンスにも注目が集まっている。東京都は、今後も、ダッシュボードに関する意見を踏まえ、継続的に改善を図る。
東京都は3月6日に、キャップ&トレード制度の第3計画期間(2020年度~2024年度)の4年度目(2023年度)における削減実績を発表した。2023年度の対象事業所の排出量は合計1132万トンで、基準排出量から31%削減となった。
【参考】
・東京都-都内大規模ビルのCO2排出実績をマップやグラフでわかりやすく「見える化」しました 「東京都キャップ&トレード制度・ダッシュボード」の公表開始
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