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水素サプライチェーン構築実証、2026年度2次公募開始 3モデルで募集

2026年8月22日

環境省は8月3日、2026年度「コスト競争力強化を図る再エネ等由来水素サプライチェーンモデル構築・実証事業」の2次公募を開始した。受付期間は8月28日15時(必着)まで。

同事業は、需要増加に対応したスケールアップや貯蔵・輸送の効率化によってコスト低減を図るとともに、再エネなどの地域資源から水素を製造し、貯蔵・輸送・利用まで一貫した地域水素サプライチェーンモデルの構築に向けた実証を行うもの。

今回の2次公募では、水素大動脈構想の具体化も見据え、実証事業を「地域間連携型」、「地域需要拡大型」、「拠点需給連携型」の3モデルに類型化。モデルごとの特性に応じた実証を募集する。

 

3モデルで実証事業を募集、地域連携やCO2削減効果などを重視

2次公募は、以下のA~Cモデルのいずれかに該当し、かつ共通要件を満たす事業を実施する事業者を対象とする。

「(A)地域間連携型モデル」は、再エネの供給ポテンシャルが高い地域と水素需要の高い地域を結び、複数地域の連携による需給最適化や効率的な水素供給を実証するもの。

「(B)地域需要拡大型モデル」は、民生部門をはじめとした地域での水素需要の創出・拡大と、複数需要家への効率的な供給方法の有効性や事業性を検証する。

「(C)拠点需給連携型モデル」は、既存の水素供給設備や関連インフラを活用し、供給拠点と需要拠点間の輸送・供給の最適化を図る実証だ。

応募できるのは民間企業・地方公共団体・団体などで、3モデル共通で以下の要件をすべて満たすことが求められる。

 

・国内における実証事業であること

・実証対象の技術・システムが開発済みで、導入実証が可能な成熟度にあること

・製造、貯蔵、輸送、供給、利用まで一貫した水素サプライチェーンの低コスト化に資する実証であること

・需要増加に伴うスケールアップや貯蔵・輸送効率の最適化など、コスト削減に向けた工夫が講じられていること

・事業開始時点で実証地域がおおむね定まっており、当該地域の自治体との連携について合意が得られていること

・水素の製造・供給において、再エネなどの地域資源を活用すること

・高いCO2削減効果や他地域への波及効果が見込まれること

経費は、実証に必要な人件費や外注費、設備利用費などに加え、一定の管理費が対象となる。

 

A・Bモデルは4億円、Cモデルは1億円が上限

採択初年度の予算上限は、「(A)地域間連携型」と「(B)地域需要拡大型」がそれぞれ4億円。「(C)拠点需給連携型」は既存の水素供給設備や関連インフラを活用する実証を想定していることから、予算上限を1億円となっている。事業期間は原則4年度以内で、毎年度、中間評価を実施し、事業継続の可否を審査する。

 

2026年度1次公募では1件、2025年度は実現可能性調査(FS)2件・実証2件を採択

2026年度の1次公募ではスパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(東京都港区)が採択された。事業名は「北海道を世界の水素アイランドへ、輸送貯蔵一体型のマルチ圧力帯水素供給モデル実証事業」。実証では輸送と貯蔵を一体化したモデルを構築し、複数の圧力帯に対応した供給システムを検証する。

2025年度は、「コスト競争力強化を図る再エネ等由来水素サプライチェーンモデル構築・実証事業」と本格着手前に多角的な調査・分析を行う同FS事業」で、それぞれ2件・合計4件の事業を採択した。

 

水素モデルタウンなど実証2件

実証事業に採択されたのは、愛知県庁の「愛知県知多市における低炭素水素モデルタウン実証事業」と山口県産業技術センター(山口県宇部市)の「副生・再エネ水素による低コスト集中型(配管活用)/分散型サプライチェーン実証」の2事業。

実証事業/事業実施者 共同事業者(順不同) 事業名
愛知県 日本環境技研
知多市役所
知多髙圧ガス
東亞合成
明治電機工業
三菱HCキャピタル
リンナイ
大林組
コベルコ建機
宮本工業所
土谷製作所
愛知県知多市における低炭素水素モデルタウン実証事業
山口県産業技術センター トクヤマ
長州産業
NFデバイステクノロジー
テクノバ
山口県
副生・再エネ水素による低コスト集中型(配管活用)/分散型サプライチェーン実証

愛知県の低炭素モデルタウン実証は、11企業などとともに取り組んだ。2024年度FS事業に採択され、知多市の「知多水素ステーション」周辺エリアをモデルケースとし、商用車など運輸部門に加えて、燃料電池・給湯器・ボイラーなど業務・家庭部門における地域での新たな水素需要の創出可能性と、水素ステーションを起点として低炭素水素を地域に供給するシステムの実現可能性を調査した。

低炭素水素については、オンサイトで太陽光発電を用いた水電解装置により製造する水素など、幅広い調達可能性を検討。既存インフラである知多水素ステーションと太陽光発電や地域の廃棄物発電・FIT切れ再エネ発電などの電力、水素の新型輸送容器、将来的な海外水素などの活用によりサプライチェーンの低コスト化を掲げた。

山口県産業技術センターの実証事業は、トクヤマ(山口県周南市)、長州産業(同・山陽小野田市)、山口県などとともに、副生水素による集中型サプライチェーンと、グリーン水素による分散型サプライチェーンを目指すもの。

具体的には、苛性ソーダ工場の副生水素を水素配管により商業施設へ輸送し冷温水機で利用することや、再エネ水素をガスボンベ配送網で輸送しボイラーなどで利用することなどによる、コスト競争力を図る水素供給サプライチェーン構築に向けた実証を実施している。

長州産業は、太陽光・蓄電池を主力事業とし、再エネを利用したオンサイト型水素ステーション、燃料電池発電機などの水素応用システムの製造にも携わっている。

 

FS事業は愛媛県今治市と山梨県など内陸地域で実施

FS事業では、日本環境技研(東京都文京区)らによる愛媛県今治市における水素サプライチェーン構築に関する調査と、一般社団法人FCyFINE PLUS(山梨県甲府市)らによる内陸地域におけるグリーン水素の普及に向けた調査が採択された。

FCyFINE PLUSは、山梨が起点となり、水素・燃料電池が地域社会に溶け込むモデルを実現する活動に取り組むため、2021年に設立された。約30団体・個人が会員として、山梨県、山梨大学、やまなし産業支援機構がアドバイザーとして参画している。

 

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