2026年9月13日
NCSアールイーキャピタル(東京都港区)としろくま電力(同)は8月1日、ジョイフル本田(茨城県土浦市)が運営するホームセンター「ジョイフル本田宇都宮店」(栃木県上三川町)で、コーポレートPPAによるソーラーカーポートからの電力供給を開始したと発表した。7月1日に運用開始した。
ソーラーカーポートは346台分の駐車スペースに設置。発電容量は1126.4kW、年間の想定発電量は約120万kWhで、年間約486.4tのCO2排出量削減を見込む。店舗の電力自給率は17.3%となる。両社によると、ホームセンター向けとしては国内最大級の規模だという。
ジョイフル本田は7月1日に、宇都宮店のソーラーカーポート導入について発表。コーポレートPPAを活用することで、長期にわたり安定した電力単価で再エネを利用し、年間約1000万円規模の電力コスト削減効果を見込む。CO2排出抑制効果は年間約486tとなると試算。この導入により電力自給率を17.3%まで高める。
NCSアールイーキャピタルは今回、この取り組みのPPAの実施体制などを明らかにした。
発電設備は、NCSアールイーキャピタルとしろくま電力が出資する合同会社NaF(東京都港区)が所有する。しろくま電力は、設備の設計・施工と運用管理、ジョイフル本田への電力供給を担う。
PPAは、発電事業者が需要家の敷地などに太陽光発電システムを設置・所有し、発電した電力を需要家が購入する仕組み。需要家は設備の初期費用を負担せずに再エネを導入できるほか、長期契約により、エネルギー価格などの外部要因に左右されにくい自家消費電源を確保できる。
NCSアールイーキャピタルとしろくま電力によるジョイフル本田へのソーラーカーポート導入は、2025年7月に稼働開始した「ジョイフル本田千葉ニュータウン店」(千葉県印西市)に続く2例目。
ジョイフル本田は、中長期的なGX計画とグリーンエネルギー導入によるCO2排出量削減施策の一環として、店舗へのソーラーカーポートの導入を進めている。屋根上の太陽光発電設備だけでは店舗の電力使用量を十分に賄えないことから、駐車場スペースも活用して再エネ電力を確保する。
同社は、ソーラーカーポートの導入により、エネルギーの安定確保と持続可能な店舗運営につなげる考え。エネルギー創出と利用者の利便性、環境配慮を両立する新たな店舗モデルとして、他店舗への設置も検討している。
ジョイフル本田は、企業活動に伴う環境負荷の低減を重要な経営課題と位置づけ、省エネルギーと創エネルギーの両面から環境負荷の少ない店舗づくりを進めている。温室効果ガス(GHG)排出量については、2025年度までに2013年度比43%削減する従来目標を1年前倒しで達成し、2025年度の排出量は同57.6%減となった。新たにスコープ1・2を2030年までに70%削減し、2040年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げている。
創エネルギーでは、2026年6月時点で11店舗への自家消費型屋根上太陽光発電設備の設置を完了した。この取り組みでは、アイ・グリッド・ソリューションズ(東京都千代田区)がPPAモデルにより太陽光発電を導入している。同社はPPAモデルを活用し、再エネ電気だけでなく環境価値も自社内で循環させる「循環型電力」サービスを展開している。
ソーラーカーポートは、既存の駐車スペースを維持しながら上部空間で発電でき、限られた敷地を有効活用できるのが特長。店舗の駐車場だけでなく、工場の従業員駐車場も再エネ導入に活用でき、他社でも導入事例がみられる。
たとえば、リコーPFUコンピューティング(神奈川県海老名市)は2026年6月11日、鳥取事業所(鳥取県鳥取市)の従業員駐車場に、約1.2MWのソーラーカーポートを導入し、運用を開始したと発表した。オンサイトPPAを活用した設備で、年間発電量は1407MWh。事業所で使用する電力の約2割を賄い、年間約727tのCO2排出量削減を見込む。
川崎重工業(兵庫県神戸市)、東京センチュリー(東京都千代田区)、京セラコミュニケーションシステム(KCCS/京都府京都市)の3社は2026年5月25日、川崎重工業の西神工場(兵庫県神戸市)で、1MWを超えるソーラーカーポートを活用した寄付型コーポレートPPAを開始したと発表した。年間約1220MWhの発電を見込む。東京センチュリーとKCCSが設備導入に伴う初期投資や手続きを担い、事業にNPO法人への寄付を組み込んだ事例となる。
環境省は2026年度、「駐車場型太陽光発電設備導入事業」を実施した。ソーラーカーポートのほか、垂直型ソーラーやソーラーロード、定置用・車載型蓄電池、充放電設備などを補助対象とした。ソーラーカーポートの補助額は、パワーコンディショナの定格出力に対して8万円/kWで、補助金の上限は1億円。オンサイトPPAによる導入も対象となる。2026年度は一次、二次公募を実施し、二次公募は7月16日に終了した。
国の補助制度と連動した自治体独自の支援もある。大阪市は2026年7月8日、国の補助事業で交付決定を受けた事業者を対象に、ソーラーカーポートなどの導入費用を上乗せ補助する制度の公募を開始した。大阪市内に導入するソーラーカーポートには8万円/kW、1事業当たり最大2000万円を補助する。国の補助と合わせた補助額は計16万円/kW。申請期限は10月30日だが、予算上限に達した場合は期限前に受け付けを終了する。
このほか、東京都、兵庫県、京都府も、企業によるソーラーカーポートの導入を支援している。
東京都の「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」は、災害時に地域住民へ電力を提供する協定の締結や、地域との関係構築などの要件を満たすソーラーカーポートを対象とする。「地域活性化につながる再エネ設備」のカテゴリーに含まれており、助成率は中小企業などが対象経費の4分の3以内、その他の事業者が3分の2以内で、上限はいずれも2億円。申請期限は2027年3月31日。
兵庫県は、県内中小企業によるPPA・リース・自己設置のソーラーカーポートを対象に、導入費用の3分の1、最大500万円を補助する。募集期限は2026年11月30日。
京都府は、府内の民間事業者によるPPA・リースを含むソーラーカーポートの導入に対し、費用の3分の1、最大200万円を補助する。申請期限は2027年1月29日。いずれの制度も、予算額に達した場合は期限前に受付を終了する。
兵庫県も、県内中小企業によるソーラーカーポートの導入を支援しているが、申請受付額が上限に達したため、8月25日時点で受け付けを一時停止している。当初、募集期限は2026年11月30日としていた。同県は追加予算について調整しているものの、今後の取り扱いは未定としている。なお、同補助金では、県内中小企業によるPPA・リース・自己設置のソーラーカーポートを対象に、導入費用の3分の1、最大500万円を補助する。
記事内容へ





2026.09.13
NCSアールイーキャピタル(東京都港区)としろくま電力(同)は8月1日、ジョイフル本田(茨城県土浦市)が運営するホームセンター「ジョイフル本田宇都宮店」(栃木県上三川町)で、コーポレートPPAによるソーラーカーポートから…続きを読む
2026.09.12
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は8月25日、発電事業者や小売電気事業者、一般送配電事業者に対し、確実な供給力を確保するため夏・冬に予定されている補修停止計画の時期変更や新規計画の回避などの協力を求めた。 これは同日…続きを読む
2026.09.11
福岡県北九州市は8月24日、西部ガステクノソリューション(福岡県福岡市)、北九州パワー(同・北九州市)と共同で、次世代型太陽電池「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」をPPAモデルの仕組みを用いて、市立中学校の体育館に導入…続きを読む