2026年7月9日
上里建設(埼玉県本庄市)は7月1日、豪州企業のGreen Gold Energyから、同国南オーストラリア州アデレードにおける系統用蓄電所(出力5MW/容量10MWh)の建設工事をEPCで受注し、契約を締結したと発表した。
国内の中小建設会社が、海外における再エネEPC事業に単独で参入する事例となる。
上里建設は、住宅の企画・設計・施工を手がけるハウスメーカー事業を基盤に、建築・土木工事の設計・施工・管理や、太陽光発電所の保有、EPC施工・管理なども展開してきた。近年は系統用蓄電池事業にも領域を広げている。
今回受注した案件は、国内で培った建設・再エネ分野の知見を海外市場へ展開する。
同社は、国内の中小建設会社が海外で再エネのEPC事業を単独で手がけることは極めて稀な事例だと分析している。海外案件では通常、大手ゼネコンや総合商社が介在することが多く、中小企業が海外パートナーと直接契約し、設計・調達・施工を一貫して担うケースは少ない。
同社は、国内での太陽光発電所EPCや系統用蓄電池事業で培った知見と、海外パートナーとの信頼関係を基盤に、海外再エネ市場への参入を進める。
受注した蓄電所には、パワーコンディショナー(PCS)に中国・NR Electric製、蓄電池システム(BESS)には中国・Sunwoda Energy製を採用する。
再生可能エネルギーの導入が拡大するオーストラリアでは、出力変動への対応や電力系統の安定化が課題となっている。今回の案件では、こうした課題への対応を目的に、再生可能エネルギーの有効活用を支えるインフラを整備する。
同社代表取締役の戸矢 大輔氏は、海外展開に可能性を感じながらも一歩を踏み出せずにいる中小企業に向け、「『規模が小さいから海外は無理』という常識は、すでに過去のものになりつつある。日本で実績を重ねた技術と信頼は、必ず海外でも通用する」とコメント。今回の海外進出が、同じく海外市場への挑戦を目指す中小企業の後押しになればとの考えを示した。
また同社は、世界の再生可能エネルギー市場では、特に東南アジア、オセアニア、アフリカで蓄電池や太陽光、風力発電設備の需要が急速に拡大しており、大手企業だけでは供給が追いつかない状況が続いていると指摘する。そのため、日本の中小企業が持つ現場力や品質管理、誠実な施工といった強みへの期待は高まっており、国内で再エネや建設分野の実績を持つ中小企業にとって、海外市場への参入機会が広がっているとみている。
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