2026年7月7日
「カラオケまねきねこ」を運営するコシダカ(東京都渋谷区)は7月1日、カクイチ(長野県長野市)、UPDATER(東京都世田谷区)と共同で、既存のガレージやコンテナの屋根に設置した低圧太陽光発電所の電力を活用する「地域分散型・地産地消コーポレートPPA」を開始したと発表した。
8月以降に「カラオケまねきねこ」41店舗へ、各地域で発電した再エネを順次供給する。カラオケ業界で地域分散型・地産地消コーポレートPPAを採用するのは初めてという。
今回の取り組みでは、カクイチが全国で展開するガレージやコンテナの屋根を活用した低圧太陽光発電所を電源として利用する。出力4.95~9.90kWの発電所61カ所を束ね、東北・北陸・関西・中国・四国の5エリアの「カラオケまねきねこ」店舗へ電力を供給する。
このモデルは、多くのRE100参加企業が採用する、メガソーラーなど大規模太陽光発電所から長期契約で電力を調達するオフサイトコーポレートPPAとは異なる。既存のガレージやコンテナの屋根を活用するため、新たな森林伐採や造成を伴わず、環境負荷を抑えながら再エネを拡大できる点も特徴だ。
発電設備は既存建築物の屋根を活用するため、新たな土地造成が不要で、遊休スペースの有効活用にもつながる。地域内で発電した電力を地域内で消費する「電気の地産地消」を実現するとともに、地域経済への還元を促し、分散型エネルギーシステムの構築に寄与する。
電力供給には、UPDATERが提供する電力トレーサビリティシステム「ENECTION2.0」を活用する。同システムにより、複数の小規模発電所と需要家をマッチングし、どの地域の発電所でつくられた電力かを可視化した上で供給する。
同システムは、発電所で発電した電力量(kWh)をトークン化し、需要家の使用電力量に応じて授受することで、どの発電所の電力を利用したかを追跡できる電力トレーサビリティシステム。地域の小規模発電所を束ねながら、再エネの由来を可視化できる。従来は事業化が難しかった低圧・小規模の太陽光発電所を束ねてコーポレートPPAとして活用できることから、企業の再エネ調達の新たな選択肢になることが期待される。
また、遠方の大規模発電所に依存しない地域分散型の電源構成とすることで、災害や停電時にも地域の電力供給の安定性向上が期待され、強靱な地域エネルギー基盤の形成にもつながるとしている。
需要家であるコシダカは今後、地域で生み出された再エネを店舗運営に活用することで、脱炭素への取り組みと地域貢献を両立するモデルとして展開していく考えだ。
カクイチは、同事業を通じて、ガレージやコンテナなど既存施設の屋根を活用した発電所の普及を進めることで、遊休スペースの有効活用と再エネ導入拡大を目指す。UPDATERは、小規模分散電源を束ねる仕組みを全国へ展開し、地域内で電力を循環させるモデルの拡大を図る。
コシダカグループは、店舗の再エネ調達を段階的に拡大している。2025年10月には東京エリアの「カラオケまねきねこ」69店舗を対象に、専用太陽光発電所から追加性のある再エネを供給するオフサイトコーポレートPPAを導入した。今回の地域分散型PPAは、それに続く新たな施策であり、低圧・小規模の屋根太陽光を活用した企業向け再エネ調達モデルとしても注目されそうだ。
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