2026年9月14日
リミックスポイント(東京都港区)は8月26日、FIP転換事業の一環として、グループが保有・運営する低圧太陽光発電所「リュミエ菊池」(熊本県菊池市)のうち10区画(総発電出力約500kW)で、蓄電設備の設置工事を完了したと発表した。
今後はFIPへの移行手続きを進め、市場価格に応じた売電や蓄電池の運用によって発電所の収益向上を図る。2027年3月のFIP移行完了と運転開始、同年4月以降の需給調整市場への参入を予定している。
同社は2025年12月、ブルースカイソーラー(東京都港区)が保有していた低圧太陽光発電所「リュミエ菊池」全15区画のうち10区画(総発電出力約500kW)を取得した。同社がFIP転換を目的に取得した低圧太陽光発電所として第1号で、太陽光発電所としては第2号となる。
同発電所への蓄電設備設置工事は6月1日に着工し、8月20日に完了した。主な追加設備として、定格容量約2,090kWhの蓄電池を導入した。
リミックスポイントは、FIP転換事業を再エネ事業における重要な成長領域の一つと位置付けている。FIP転換事業は、既設の太陽光発電所に蓄電システムを設置し、FIT(固定価格買取制度)からFIP(フィード・イン・プレミアム制度)へ移行することで、発電事業者の収益向上を図る取り組み。
今回の「リュミエ菊池」は、同社が保有する発電所では初の低圧FIP転換案件となる。低圧FIP転換事業の先行モデルと位置付け、FIP転換から蓄電池の運用、需給調整市場への参入までを一貫して実践することで、必要な知見・ノウハウを蓄積し、事業モデルの確立につなげる。
2月18日には、リミックスポイント、ブルースカイエナジー、シールエンジニアリング(東京都港区)の3社が、低圧太陽光発電所のFIP制度移行に向けた事業性検証プロジェクトを開始した。
検証では、低圧太陽光発電所に蓄電システムを併設し、FIT制度からFIP制度への移行を見据えて、発電・蓄電・売電を含むシステム全体の運用最適化を図る。
対象は、ブルースカイエナジーが保有する鹿児島県志布志市の低圧太陽光発電所10区画と、リミックスポイントが保有する「リュミエ菊池」10区画。Tensor Energy(福岡市中央区)が提供する再生可能エネルギー発電事業プラットフォーム「Tensor Cloud」をアグリゲーション運用システムとして採用し、蓄電システムの併設とFIP移行を見据えた運用の最適化を図る。売電収入の向上と、低圧太陽光を束ねて運用するアグリゲーション事業の成立可能性を検証する。
・所有者:リミックスポイント
・発電出力:約500kW(1区画当たり低圧49.5kW)
・年間想定発電量:約594,000kWh(10区画)
・主な追加設備:蓄電池(定格容量)約2,090kWh(1区画当たり約209kWh)
・所有者:ブルースカイエナジー
・発電出力:約500kW(1区画当たり低圧49.5kW)
・年間想定発電量:約744,000kWh(10区画)
・主な追加設備:蓄電池(定格容量)約2,610kWh(1区画当たり約261kWh)
なおこの共同プロジェクトでは、リミックスポイントは、アグリゲーターとして最適な蓄電システムの設計・提案・導入を担う。蓄電池事業を展開するシールエンジニアリングは太陽光発電所と蓄電システムの運用最適化を担う。ブルースカイエナジーは太陽光発電設備の改修・運営・管理を担う。また、Tensor Energyは、アグリゲーション運用システムとして、最先端のAIとデジタル技術を駆使した「Tensor Cloud」を提供する。
経済産業省の統計によると、2026年3月末時点で、全国には10kW以上50kW未満の太陽光発電設備が約67万件存在する。
FIP制度では、FIT価格を基にした「基準価格」と、市場価格を基に算出する「参照価格」の差額などをもとに「プレミアム(補助額)」が算定される。FITからFIPへ移行した場合も、従来のFIT調達価格が基準価格として引き継がれる。
また、出力制御によって売電できなかった時間帯に相当するプレミアムは、他の時間帯に配分される。蓄電システムを併用すれば、市場価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電することで、売電収入の向上も見込める。
リミックスポイントは、こうした潜在市場の中からFIP転換の経済合理性や設備・系統条件などを踏まえて対象を選定し、今回の取り組みで得た知見・ノウハウを活用して、FIP転換支援や蓄電池の導入・運用支援、アグリゲーションへと事業領域を拡大していく。
将来的には、導入した分散型蓄電池リソースをアグリゲーターとして1MW以上に束ね、需給調整市場への参入を進める。蓄電池導入時の収益に加え、運用やアグリゲーションによる継続的な収益機会の創出を目指す。
事業用太陽光発電の導入件数では、低圧太陽光発電所が全体の約9割を占める。一方、1件当たりの設備規模が小さい低圧発電所でもFIP移行に伴う手続きや運用業務が必要となるため、採算性を確保しにくく、参入障壁の高い事業分野となっている。
政府は2027年度以降、FIT/FIP支援制度の対象を見直す方針を示している。
リミックスポイントは、エネルギー・ソリューション事業およびデジタルアセットマネジメント事業を展開している。主力とする電力小売業をはじめ、蓄電池関連事業、補助金申請支援、省エネコンサルティングのほか、エネルギー領域とデジタルアセット領域の知見を活かした事業も展開する。
リミックスポイントとシールエンジニアリングは、FIP制度下における低圧太陽光発電所の最適な運用を通じた事業性の検証を目的に、ブルースカイグループとの協業を開始した。2025年12月に、太陽光発電所の開発から運営・保守(O&M)に至るまでを一貫して手がける、ブルースカイグループ傘下のブルースカイソーラー(東京都港区)と、1月に、ブルースカイグループ傘下で、太陽光発電所・蓄電所の開発から運営・管理までを手がけるブルースカイエナジーと業務提携契約を締結している。
ブルースカイエナジーは、主に大規模開発を伴わない太陽光発電所のリパワリング工事や蓄電所に関するEPC事業や開発事業を行っている。全国に24カ所の拠点を有しており、土地の調達から発電所や蓄電所の開発・施工のほか、草刈りや除雪、日常の修繕といった管理業務を担っている。現在は、リパワリングと蓄電所の開発に注力しており、リパワリングは全国100カ所、150MW以上の実績を持つ。蓄電所については、2027年までに全国50件の系統用蓄電所の開発を計画しており、2029年までに全国100カ所以上の設置を目指す。太陽光発電所併設型蓄電池の開発も進めている。
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