2026年9月1日
三菱HCキャピタル(東京都千代田区)は8月14日、IoT・AIを活用したVPPプラットフォームを開発・提供するShizen Connect(同・中央区)と資本業務提携契約を締結したと発表した。
この提携を通じて、低圧発電所、蓄電池、給湯器などをVPPでつなぎ、電力市場の価格や需給状況に応じて発電・蓄電・電力消費を制御する仕組みの検証や共同開発を進める。低圧発電所のFIP転換や、企業が保有する多様なエネルギー設備を活用したDR(デマンド・レスポンス)サービスの構築を目指す。
この提携に基づき、三菱HCキャピタルは、グループ会社で再エネ発電事業を手がける、MHCリニューアブルネットワークス(東京都港区)が保有する低圧発電所において、FIP転換や蓄電池の併設を進めるとともに、VPPを活用した電力市場に応じた最適な制御・運用の検証を進める。
Shizen Connectは、蓄電池や給湯器などのエネルギー設備をIoT・AIにより統合制御するVPPプラットフォームを通じて、エネルギー設備の統合制御や電力市場に対応した柔軟な運用を支える技術・ノウハウを提供する。
あわせて、三菱HCキャピタルは、これまで蓄積した低圧発電所の事業運営のノウハウや、多様な設備へのファイナンスを通じて培った知見を生かし、企業が利用するエネルギー設備の最適な制御・運用に資するサービスの事業化と価値提供を推進する。
Shizen Connectは、MHCリニューアブルネットワークスが保有する低圧発電所や、三菱HCキャピタルが保有する多様な設備を活用した実証を通じて、企業が保有する多様なエネルギー設備への適用も見据えた、最適な制御・運用に資するシステムの高度化を進めていく。
今回の提携に基づく三菱HCキャピタルによる出資は、Shizen Connectが実施するシリーズAラウンドの一環として行われる。Shizen Connectは5月に、シリーズAラウンド1stクローズとして、約27億円を調達し、グループ外からの資金調達額は累計32.6億円、資本業務提携先は計16社となったことを発表している。
Shizen Connectは系統用・再エネ併設の蓄電池から家庭用の蓄電池・エコキュート・EVなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、最適な電力市場取引などを行うVPPプラットフォーム「Shizen Connect」を開発・提供している。
家庭用DR領域では東京ガス、東京電力エナジーパートナー、東北電力、北陸電力、北海道電力などに採用され、系統用蓄電池領域では大阪ガス、東京ガス、JERA Cross、四国電力、北陸電力などに採用されている。
再エネの導入拡大に伴い、電力需給の調整や蓄電池の運用、分散型電源の制御の重要性が高まっている。また、家庭用蓄電池などのエネルギー機器を集合制御することによる低圧VPPは、2026年度から需給調整市場への参加が可能になり、電力システムの安定化に必要な調整力として期待されている。
今回の提携は、三菱HCキャピタルが、スタートアップ企業とのオープンイノベーションを通じた新サービスの創出、新事業の開発促進を目的に運用する「イノベーション投資ファンド」を活用している。
三菱HCキャピタルグループは、主に法人向けにさまざまな機器・設備・車両や航空機・海上コンテナ・鉄道貨車などを対象として、世界20カ国以上でリース・ファイナンス事業を展開している。さらに、不動産再生事業や再エネ事業などに事業領域を拡大している。
たとえば、再エネ事業では、三菱HCキャピタルは2025年12月、エコスタイル(大阪府大阪市)と再エネソリューションに関する包括連携協定を締結、また、MHCリニューアブルネットワークスとエコスタイルが低圧太陽光発電所の取得・集約を目的とした共同出資による特別目的会社を設立したことを発表している。このプロジェクトでは、FIT制度下で発電・売電事業を行っている低圧発電所(出力50.0kW未満)を取得・集約し、FIP転換やコーポレートPPAへの切り替え、設備のリパワリングなどを検討することとしている。取得目標として、約600基(約30MW)を掲げている。
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