2026年7月27日
JFE商事(東京都千代田区)は7月15日、いちご栽培ハウス内で太陽光発電を行う実証試験を開始したと発表した。
茨城県鉾田市のいちご農園「hiko farm」の協力の下、ハウス内に軽量で柔軟性のある太陽光発電パネルを吊り下げる独自の「垂直懸下式」を採用し、施設園芸における再エネの活用可能性を検証する。
具体的には、既存の栽培ハウスを活用して発電設備を設置することで、大規模な改修を伴わずに再エネを導入できるかを確認する。発電した電力はハウス内の冷暖房設備や環境制御設備などで自家消費し、電力の地産地消や電力コスト削減、脱炭素化への効果を検証する。
今回の実証では、JFE商事が開発した独自構造「垂直懸下式」を採用した。
一般的な営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)は、農地上部に架台を設置して太陽光発電パネルを配置する方式が主流となっている。同社の構造は、既存の栽培ハウスの構造体を活用できるため、追加の架台を必要としない。軽量で柔軟性のある発電パネルを吊り下げて設置する。さらに、パネルの角度は調整が可能で、作物に適した日射条件を確保しながら発電できるという。
実証では、発電性能に加え、発電パネルの影を活用した高温対策や日射調整の有効性についても評価する。
施設園芸では、夏季を中心に日射量が過剰となることでハウス内温度が上昇し、作物の生育環境や空調負荷に影響を及ぼす。このため、遮光カーテンなどを利用して日射量を調整するケースも多い。垂直懸下式は、太陽光発電パネルが発電設備として機能するだけでなく、高温対策や日射調整への活用が期待される。
同実証では、太陽光発電で得られた電力をハウス内で自家消費する。活用先は、栽培環境を維持するために欠かせない冷暖房設備や環境制御設備などを想定している。
検証では、発電量と消費電力量のバランスに加え、実際の運用における自家消費の有効性や設備運用への影響を確認する。
今回の実証は、発電設備としての性能評価だけでなく、施設園芸における実用性の検証にも重点を置く。
ハウス内に設置した太陽光発電パネルによる発電性能に加え、作物の生育への影響や、発電パネルの影を活用した高温対策・日射調整の有効性などを総合的に検証する。
近年は農業分野でも脱炭素化への対応が求められる一方、資材価格やエネルギー価格の上昇が経営を圧迫している。特に施設園芸は電力使用量が大きいことから、再エネの導入は環境負荷低減だけでなく、経営安定化の観点からも関心が高まっている。
JFE商事は、今回の実証を通じて施設園芸への適用性や運用性を検証し、得られた知見を今後の展開につなげる考えだ。
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