2026年7月16日
LIXIL(東京都品川区)は7月7日、国内の営業拠点10カ所に循環型電力オフサイトPPAを活用し、再エネ電気の運用を開始したと発表した。スコープ2削減につながる取り組みの一環として、再エネ導入を推進する。
また同社は、国内外の各拠点の立地や目的に応じ、「追加性」の高い多様な手法で再エネを調達している。2025年には国内外の生産拠点5工場において、自家消費型太陽光発電設備の設置や、オンサイトPPAを活用した再エネ導入を開始した。
東京都や千葉県の国内営業拠点10施設では、LIXIL敷地外の屋根を活用した太陽光発電設備等で創出された電力を購入するオフサイトPPAを、2026年4月1日より運用開始している。年間発電量(再エネ購入分)は70万kWhを見込む。
LIXILは、アイ・グリッド・ソリューションズ(東京都港区)が運用・管理する全国1,300施設以上の屋根上に設置された太陽光発電施設で生じた「余剰電力」を効率的に集約し、長期固定価格で供給を受ける。これにより、自社施設への太陽光発電設備の設置が困難だった拠点においても、再エネ由来の電力を長期固定価格で安定的に利用できるため、同社は将来的な電力価格高騰リスクの低減と安定的な事業運営を図る。
国内営業拠点では、FYE2026(2026年3月期決算)に非化石証書を用いて再エネ100%をすでに達成しているが、今後は証書購入への依存を低減し、再エネの新規開発に直接寄与する「追加性」のあるエネルギーへの移行を加速させる。LIXIL国内初のこの取り組みにより、対象10施設が使用する全電力の約50%を本電力に切り替えることで、年間296t-CO2相当の環境価値をオフサイトPPA由来へとシフトさせる。
また、2021年から2025年にかけて、タイ工場に合計12.7MWの自家消費型太陽光発電システムを設置した。2025年11月に稼働開始した。同工場は、LIXILの住宅建材事業(LIXIL Housing Technology)における最大規模の生産拠点として稼働している。現地の補助金を活用し、太陽光発電設備導入にかかる初期投資を抑制。発電した再生可能エネルギーの価値を自社事業に活用している。これにより、同工場において年間3960t-CO2のGHG排出量削減を見込み、工場全体の9.6%の電力を賄う想定だ。
タイ工場のほかに、キッチンの主力工場である深谷工場(埼玉県深谷市)にも自家消費型太陽光設備を導入し、2025年4月より稼働した。
拠点敷地内のスペースを活用するオンサイトPPAによる再エネ導入に取り組んでいるのは、ベトナム工場(アルミ製品の製造拠点)や上野緑工場(三重県伊賀市/浴室の製造拠点)、大谷工場(愛知県常滑市/洗面台の製造拠点)。すべて2025年6月から11月にかけて順次運用開始している。
| 拠点 | 導入モデル | 年間発電見込量 | 発電設備能力 | 稼働時期 |
|---|---|---|---|---|
| 国内営業拠点10施設(東京・千葉) | 循環型オフサイトPPA | 70万kWh(再エネ購入分) | – | 2026年4月 |
| タイ工場 | 自家消費 | 1550万kWh | 12,700kW | 2025年11月 |
| ベトナム工場 | オンサイトPPA | 425万kWh | 3,000kW | 2025年11月 |
| 深谷工場 | 自家消費 | 27万kWh | 170kW | 2025年4月 |
| 大谷工場 | オンサイトPPA | 74万kWh | 713kW | 2025年6月 |
| 上野緑工場 | オンサイトPPA | 46万kWh | 350kW | 2025年10月 |
LIXILは、LIXIL環境ビジョン2050「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、2050年までに事業プロセスと製品・サービスによるCO2排出量を実質ゼロにすることを目指す。この実現に向けた3つの領域のひとつに「気候変動対策を通じた緩和と適応」を掲げ、事業で使用する電力の100%再エネ転換を目指す企業イニシアチブ「RE100」に参加し、再生可能エネルギーの活用を促進している。
LIXILのように、自社拠点の立地や用途に応じて最適な再エネ調達手法を選択する企業は増えている。当メディアでは、広大な駐車場敷地を活用したソーラーカーポートを運用する企業の取り組みなども紹介している。
ホームセンターを展開するジョイフル本田(茨城県土浦市)は、宇都宮店(栃木県上三川町)に大規模ソーラーカーポートを設置し、7月1日より運転を開始した。
また、リコーPFUコンピューティング(神奈川県海老名市)は、生産拠点である鳥取事業所(鳥取県鳥取市)の従業員駐車場に約1.2MW規模のソーラーカーポートを導入し、オンサイトPPAによる再エネ利用を開始した。建屋屋根ではなく未利用の駐車場を活用することで、重量制限や将来の増築計画などの課題に対応している。
自家消費型太陽光発電設備やPPAを活用した再エネ導入を検討する企業に向けて用意されている国の補助制度もある。環境省は2026年度、自家消費型太陽光発電設備や蓄電池、オンサイト・オフサイトPPAなどを対象とした「令和7年度補正予算ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」を、5月15日まで公募していた。
2025年度の同補助金を活用し、東洋製罐(東京都品川区)が大阪府茨木市の茨木工場に自家消費型太陽光発電設備を導入し、オンサイトPPAによる再エネ電力の利用を開始した取り組みを紹介している。
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