2026年8月26日
産業廃棄物処理・リサイクル事業を展開するこっこー(広島県呉市)は8月4日、太陽光発電の余剰電力を活用して製造したグリーン水素を鉄スクラップの溶断燃料として利用する実証実験を開始したことを明らかにした。
実証が行われる広島県呉市の「呉リサイクルセンター」では、マグネットクレーンやプレス機の稼働に伴う急激な電力需要の変動により、自家消費型太陽光発電システムで発電した電力の約半数に当たる年間約40万kWhが未利用となっている。
この課題解決のため、同センターに水電解装置を導入し、余剰電力からグリーン水素を製造・貯蔵する。製造した水素は、従来のプロパンガスに代わる鉄スクラップの溶断燃料として活用する。
実証では、水素特有の「炎が不可視である」という安全リスクを回避するため、日酸TANAKA(埼玉県三芳町)および日本酸素ホールディングス(東京都品川区)が提供する水素系燃料混合ガス「HL-1」を用いる。水素混合ガスによる溶断は、従来のガスと比較して逆火が起こりにくく安全性が高いほか、ススが少なく作業効率が向上するという。
水素への燃料転換により、同センターにおけるガス溶断のスコープ1排出量(年間約12~23t)を、置換率に応じて削減できる見通しだ。
同実証は、公益財団法人くれ産業振興センター(広島県呉市)の「脱炭素技術等事業化可能性調査(F/S)補助金」にも採択されている。実証を通じて事業性を検証するとともに、将来的には自社で利用しきれない水素を周辺企業や公共施設へ供給し、地域の脱炭素化への貢献も目指す。
こっこーは2023年に中小企業向けSBT認定を取得しており、2030年までにGHG排出量を42%削減(2022年度比)する目標を掲げている。こうした脱炭素の取り組みの一環として、広島県福山庁舎の解体工事では、解体・資源循環工程における脱炭素モデルの構築にも取り組んでいる。
従来の建物解体では、アルミサッシやガラスは分別が難しく、海外流出やダウンサイクルにとどまるケースが多かった。同プロジェクトでは、機械による一括破砕ではなく、広島県東広島市の「黒瀬リサイクルセンター」で丁寧な手ばらし精密分別を行い、素材メーカーがそのまま再利用できる高品質な資源を確保する。
バージン材から製品を製造する工程と比べてCO2排出量30%削減を目標とし、海外輸出を介さず国内の主要メーカーのサプライチェーンに直接戻す「国内クローズドループ」の確立を目指す。
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