2026年8月12日
大分県は7月24日、県内中小企業の脱炭素化を支援するため、「大分県中小企業等脱炭素推進コンソーシアム」を設立したと発表した。
7月10日には第1回会議が開催され、省エネ機器導入や遮熱シート施工・燃料転換など、県が実施する事業者向けの支援策を共有した。
県は、県独自のおおいたグリーン事業者認証制度に登録された事業者を対象に「省エネ機器(空調、LED)導入補助金」を拡充し、7月1日から募集を開始した。
高効率空調およびLED照明の補助率は、従来の1/2から4/5へと引き上げ、補助上限額も増額した。高効率空調の補助上限額は従来の50万円から80万円に、LED照明は30万円から48万円にそれぞれ拡大された。
同補助金では要件として、高効率空調は20%以上の省CO2効果、LED照明は蛍光灯からの交換設置が求められる。
なお高効率給湯器については補助率1/2、補助上限額15万円のまま据え置かれた。
また、県は、より広範な省CO2技術の導入支援に向け、2026年度の新規事業として「省CO2技術等活用補助金」を創設し、同日から募集を開始した。
同補助金は「省CO2技術部門」と「燃料転換部門」の2部門で構成される。補助率はいずれも4/5。
「省CO2技術部門」では、遮熱シート施工による屋根の断熱対策や、全熱交換換気、高効率冷凍冷蔵設備、高性能断熱材などの導入を支援する。補助上限額は480万円。
「燃料転換部門」では、重油ボイラーからLPGボイラーへの転換などを支援する。補助上限額は960万円。
補助金申請には、
・導入によって事業所の年間CO2削減量が該当部門の削減目標値(産業部門マイナス2.8%、運輸部門マイナス3.7%、業務部門マイナス4.0%)を下回ること
・「おおいた省CO2アドバイザー」のアドバイスに基づくこと
が要件となる。
これに伴い、県は「おおいた省CO2アドバイザー派遣制度」を開始した。建築士やエネルギー管理士、環境認証制度の審査員資格を持つ専門家が事業所を直接訪問し、具体的な省エネ方法を提案する。
利用料金は1事業者当たり年間3回まで無料。このアドバイスを受けることで、「省CO2技術等活用補助金」の申請が可能となる。
県は、移動手段の脱炭素化や職場環境の改善に向けた支援策も提示した。
「商用軽EV等導入補助金」では、商用軽電気自動車(商用・貨物・タクシーなど)の導入に対し、国の補助金に上乗せする形で定額30万円を補助する。また、普通充電器の導入に対しては補助率1/2、上限7.5万円(最大2基まで)を補助し、充電器単独での申請も受け付ける。
さらに、「暑熱対策事業費補助金」を創設した。対象となる設備や装備には、スポットクーラーや大型扇風機、空調服、水冷服などが含まれる。募集は「通常枠」と「賃上げ枠」の2枠で、通常枠は補助率1/2(上限50万円)、賃上げ枠は補助率2/3(上限70万円)。
このほか会議では、大分県エネルギー産業企業会が実施するエネルギー関連製品の研究開発などを支援する「エコエネルギーチャレンジ支援事業費補助金」や、自家消費型太陽光発電・蓄電池、コージェネレーション設備などを対象とする「中小企業等エコエネルギー導入緊急支援事業(補正)」なども紹介され、中小企業の脱炭素投資を後押しする県内支援制度全体を共有した。
今回設立した「大分県中小企業等脱炭素推進コンソーシアム」には、大分県エネルギー産業企業会や大分県トラック協会、大分県商工会連合会などの業界団体、大分銀行(大分県大分市)、豊和銀行(同)、大分信用金庫(同)、大分県信用組合(同)、大分みらい信用金庫(同・別府市)などの金融機関、および大分県が参画。県や金融機関、経済団体が中小企業向けの支援策や各業界の課題を共有し、今後の脱炭素施策を検討する。初年度は年3回程度の会議を予定している。
設立の背景には、政府が2026年度から本格開始する「排出量取引制度」がある。同制度の対象は年間CO2排出量10万t以上の大企業などだが、鉄鋼や化学などの大企業が集積する大分県は、産業部門が県内のGHG排出量の約66%を占めており、削減率が低調な製造業や運輸業の中小企業における脱炭素化が課題となっている。
県は2024年度に創設した「おおいたグリーン事業者認証制度」を中小企業支援の基盤として位置付けている。同制度は、CO2削減や脱プラスチックなどの目標を設定して取り組む事業者を認証する県独自の制度で、認証事業者は補助金の活用や金融機関によるサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)などの支援を受けられる。2026年6月1日時点の認証事業者数は207社。
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