2026年6月22日
神奈川県川崎市は、多数の運動施設を有する総合公園「等々力緑地」において、主要な施設であるスタジアム・アリーナ・野球場に、廃棄物発電や太陽光発電など、すべて川崎市民由来の再エネを組み合わせた再エネ電力を7月1日から導入すると発表した。
同市によると、すべて市民由来の再エネを組み合わせた電力を市内の複数の大規模運動施設に供給し、100%再エネ電力化する取り組みは国内でも初めて。
この取り組みで供給される電力は、川崎市内の家庭から排出された普通ごみなどを焼却した市処理センターの廃棄物発電由来の電力と、市内の家庭用太陽光発電の電力を組み合わせたもの。
指定管理者として等々力緑地を管理・運営する川崎とどろきパーク(神奈川県川崎市)は、自治体新電力の川崎未来エナジー(同)と、等々力緑地の「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)」、「東急ドレッセとどろきアリーナ」、「等々力球場」における電力契約を締結した。川崎未来エナジーは、事業パートナーである東急パワーサプライ(東京都世田谷区)と連携し、それぞれが取り扱っている川崎市民が関与する再エネ電力を組み合わせ、実質100%の再エネ電力を供給する。これにより、等々力緑地の主要な施設で使用する電力(一般家庭約854戸分)は、すべて再エネに切り替わる。
電源比率は、川崎市内廃棄物発電が約80%、家庭用卒FIT電気が約20%で、いずれも川崎市内電源。これらの電源に由来する環境価値を示す証書である非FIT非化石証書(再エネ指定あり)を活用する。小売電気事業者である東急パワーサプライが供給する電気を、取次事業者である川崎未来エナジーが販売する。
電力使用量は、「Uvanceとどろきスタジアム(等々力陸上競技場)が117万3976kWh/年、「東急ドレッセとどろきアリーナ」が212万9543kWh/年、「等々力球場」が53万3146kWh/年。陸上競技場は、サッカーJリーグの川崎フロンターレ(川崎市)のホームスタジアムだ。
川崎市は、市内の家庭から排出されるごみや太陽光、そこから生まれた電気が、スタジアムやアリーナを動かし、市民一人ひとりの暮らしがスポーツの熱狂につながる「まちの中でエネルギーが循環する仕組み」をスポーツの聖地等々力緑地から発信していく。
川崎市では2050年までに市域の温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指し、再エネの地域循環によるエネルギーの地産地消に取り組んでいる。市域の再エネ利用を拡大するため、市が過半数出資して、2023年に地域エネルギー会社の川崎未来エナジーを設立した。
川崎未来エナジーが供給する実質再エネ電力はこれまでにも、ごみ焼却由来の電力を市内の小中高校や区役所などの公共施設、約300の施設で活用してきた。ヤマト運輸(東京都中央区)の高津千年営業所(川崎市)や、東急ストア(東京都目黒区)の元住店(川崎市)のほか、市役所通りイチョウ並木のライトアップでも川崎産グリーン電力を供給している。
川崎市長の福田 紀彦氏は、今回の取り組みについて、「市内の各家庭の太陽光発電の電力と組み合わせ、暮らしの中から生まれたエネルギーを組み合わせた再生可能エネルギーを、いよいよ川崎が誇る『スポーツの聖地』にも導入する。こういったカーボンニュートラルの取り組みで、都市の価値を上げ、スポーツの価値も上げる」とコメントしている。
等々力緑地は、スポーツ庁と経済産業省が推進する「スタジアム・アリーナ改革」において、地域活性化やまちづくりの核となる「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」に選定されている。スポーツ庁は、「そういった場所で、今般のような取り組みを実施することは、地域としての環境問題への取り組み姿勢を発信するものであり、さらには人々の環境意識の啓発・向上につながると考えている。引き続き、等々力緑地から、全国に向けて環境意識の向上、さらには地域活性化に資する先進的な取り組みが発信されることを期待している」とコメントしている。
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