2026年6月12日
セコム(東京都渋谷区)は6月3日、東芝(神奈川県川崎市)と、再エネの環境価値を取引するバーチャルPPAを締結したと発表した。10月に運転開始予定の屋根置き太陽光発電による環境価値を活用する。セコムグループは2045年までに事業活動で使用する電力を再エネ由来に100%転換する目標を掲げており、今回の取り組みをその達成に向けた調達の一環と位置づける。
今回、東芝がアグリゲーターとして、発電事業者が新設する屋根置き太陽光発電の環境価値をセコムに供給する。対象となる設備は物流倉庫の屋根に設置される太陽光発電で、定格出力はAC換算700kW。発電した再エネ電力のうち、自家消費後の電力に由来する環境価値を、非FIT非化石証書として長期間にわたりセコムへ提供する。
バーチャルPPAは、需要家が敷地外の再エネ発電所から、電力そのものではなく環境価値を仮想的に調達する仕組み。従来の電力契約を継続しながら、地域をまたいで非FIT非化石証書を調達できる点が特徴となる。セコムが調達する非FIT非化石証書は、同社の事業所向け電力に用いられる予定で、使用電力の再エネ比率向上につなげる。
東芝は、対象となる屋根置き太陽光の再エネ電力について、発電量の予測や発電計画の作成・提出を担う。計画と実績の差を調整するインバランス費用も負担し、買い取った再エネ電力は、卸電力市場に売電し環境価値をセコムに供給する。
セコムグループは2045年までに事業活動で使用する電力を再エネ由来に100%転換することを掲げ、RE100に加盟。また、その達成に向けて追加性のある再エネの利用を重視、自社施設の拠点以外からの再エネ調達も積極的に進めてきた。
2023年には豊田通商(愛知県名古屋市)と、警備業界で初めてバーチャルPPAを締結し、2024年3月から新設の太陽光発電所を活用したバーチャルPPAスキームを活用した再エネの利用を開始した。
2025年12月には、コスモエコパワー(東京都品川区)とバーチャルPPAを締結し、追加性のある陸上風力発電によるバーチャルPPAスキームの活用した再エネを導入した。多様な再エネ電源を確保することを狙いとしている。
また、データセンターを運営するグループ会社のアット東京(東京都江東区)では、2024年4月から、東京都内にある自社のデータセンターでの使用電力について、実質再エネの使用を標準仕様とした。さらに、2024年7月から、アット東京 第3センターにおいて、フィジカルPPAにより、実質再エネを使用しつつ、供給される電力の一部を、追加性のある生グリーン電力としている。
セコムグループは、「再生可能エネルギー調達原則」において、RE100などの国際基準に準拠していること、社会全体の再エネ比率向上に貢献すること、地域社会に貢献できる電源を活用すること、生物多様性に配慮し、山林を切り拓く開発は行わないこと、などを掲げている。
追加性を有した再エネとは、社会全体に対して新しい再エネを生み出すこと、新たな再エネ設備に対する投資を促す効果があることを表している。昨今では、需要家が再エネを調達する際の判断基準として、追加性の重要度が高まっている。
セコムは、今後も引き続き新設の再エネ発電所を活用しながら、長期安定的な再エネの利用を拡大しつつ、自社の排出削減のみならず、社会全体の再エネ比率の向上に貢献していく。
セコムグループでは、温室効果ガス排出削減のために再エネ由来のグリーン電力の調達などを進めるとともに、創エネのために自社施設への太陽光発電設備を設置している。2024年度は、日本国内において186,705MWh、海外では6,287MWhの再エネ電力を利用し、計192,992MWhの再エネ電力を利用した。また、自社施設においては235MWhを発電した。現在、セコムの再エネ導入率は100%、グループ全体では65%まで向上している。
セコムグループは、温室効果ガス削減目標(スコープ1+2)として、2045年までに排出ゼロを目指すとともに、その通過点である2030年度までに2018年度比で45%削減することを掲げている。サプライチェーン全体(スコープ3)においても、2050年までに排出ゼロを目指すとともに、2030年度までに2018年度比で40%削減する目標を掲げている。
この温室効果ガス削減目標は、世界の気温上昇抑制に向けた妥当なものであるとして「SBTイニシアチブ」から認められ、2021年に警備業界初となる「SBT」認定を取得している。また、2021年にRE100に加盟している。
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