2026年7月17日
東京都は7月6日、ナフサ代替原料を用いた石油由来製品の代替素材開発など、石油のみに依存しない新たな技術や素材などの開発に取り組む事業者などを支援する事業について、公募を開始した。
都は採択された企業と協定を締結し、開発に必要な経費の一部を負担するほか、専門家による助言や連携企業とのマッチングなどの伴走支援を行う。事業期間は1~3カ年度。3カ年度事業の場合、都は最大6億円を負担する。2社程度採択する予定。
中東情勢の影響などにより、ナフサなどの安定調達に関する不確実性が高まっており、石油のみに頼らない社会の実現に向けて、エネルギー構造の転換などを加速化が求められている。そこで、都は、新規事業として、ナフサを原料としない素材などの開発を支援する。
支援対象となる開発例として、次の2つを挙げている。
・バイオマスや廃プラスチックなどから製造される石油由来ナフサの代替となるものの開発
・石油由来ナフサを原料とするエチレンやプロピレンなどの基礎化学品やポリエチレンやポリプロピレンなどの川中製品などの代替となる素材や製品などの開発
都は開発必要な経費の一部を協定金として支給する。年度毎の協定金の上限額は以下の通り。
・上限1億円/年度(2026年度)
・上限2億円/年度(2027年度)
・上限3億円/年度(2028年度)
事業実施期間は、協定締結の日から最長2029年3月31日まで(予定)。募集期間は9月17日17時まで。審査会は9月下旬を予定。協定締結は9月以降を予定している。
応募対象とする企業などは、都内に本店または支店・営業拠点を有する法人や、都内で石油のみに依存しない新たな技術や素材などの開発に向けた取り組みを行う法人。新たな技術や素材などの開発に関する取り組みの実績を有していることなども要件となる。複数の企業などが提携して応募することもできる。
採択事業者は、石油のみに依存しない新たな技術や素材など開発・改良・実証実験が計画的に実施できることを前提とし、提案にあたっては事前に関連企業などの了承を得ておく必要がある。なお、都では3カ年度で開発が完了することを目標としているため、協定期間内に、開発が完了するように取り組まなければならない。
東京都からは、取り組みを促進するためのコンサルティングやマッチングなどの支援が受けられ、事業経費の一部が支給される。
都は、中東情勢を踏まえて、非石油由来製品・技術を持つスタートアップを支援する事業も開始している。この事業では、現在、事務局業務などを担い、都とともに事業を推進する事業プロモーターを7月27日まで募集している。スタートアップの募集は9月頃に実施し、5社程度の採択数を予定している。
ナフサは、原油を精製する過程で得られる軽質の石油製品で、ナフサから、プラスチック、合成繊維、合成ゴムなどの身近な化学製品の原料となる基礎化学品が生産されている。中東情勢を背景に、原油価格の上昇やナフサ不足、物流費の高騰など、国内のさまざまな産業に影響が広がっている。たとえば、ソーラーパートナーズ(東京都新宿区)は加盟する全国の外構・エクステリア施工店を対象にアンケート調査を実施し、資材価格の上昇や供給不安が広がっている実態を報告している。
一方、ナフサ由来原料からの転換に向けた取り組みも進められている。素材メーカーの東レは5月、100%バイオベースナイロン66の製造技術を確立したと発表している。また、スポーツ用品メーカーのゴールドウイン(東京都港区)は6月、リニューアブル原料を用いて、ナイロン繊維の低炭素型サプライチェーンを構築したと報告している。どちらも他社と連携し、サプライチェーンで取り組みを推進している。
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