2026年1月18日
商船三井(東京都港区)と伊藤忠商事(同)は1月9日、代替燃料を使用した低炭素な輸送サービスの環境属性をデジタル証書として取引可能な形とした「環境属性証明書」の普及に向けて協働を開始すると発表した。海運・空運の業界の枠を超えた日本初の協業モデルとして、マーケティング・広報・営業などの分野で連携し、輸送サービスを利用する企業のスコープ3削減を支援する仕組みの構築を目指す。
「環境属性証明書」とは、企業がサプライチェーン上の活動で発生する間接的な温室効果ガス(GHG)排出量(スコープ3)について、その削減効果を「証書」として発行・活用できる仕組みをいう。
今回、商船三井と伊藤忠商事は「環境属性証明書」の活用に関する戦略的提携の覚書を締結。この取り組みの一環で、両社はユーザー企業として、それぞれのスコープ3削減を目的に、環境属性証明書の相互売買を実施した。
具体的には、商船三井は、従業員の航空機出張に伴うGHG排出(スコープ3・カテゴリー6)を削減するため、伊藤忠商事が創出した「空(航空旅客輸送・貨物輸送など)」の環境属性証明書を購入した。伊藤忠商事は、海上輸送サービス利用に伴うGHG排出(スコープ3・カテゴリー4)を削減するため、商船三井が創出した「海(海上貨物輸送など)」の環境属性証明書を購入した。
この取引は、オランダの123Carbon社が提供する輸送・物流分野の脱炭素化を加速するためのプラットフォームを活用して実施した。このプラットフォームでは厳格な監査体制のもと、輸送に関連するスコープ3排出量の削減に利用できる環境属性証明書の発行・移転・保管・償却までを一元管理している。取引のトレーサビリティと信頼性を担保しつつ、グローバル基準に則った高い透明性を実現している。
国内外の多くの企業にとって大きな割合を占めるスコープ3排出量の削減は、サプライチェーンが複雑であるため、トレーサビリティ確保の難しさなどが障壁となっている。
商船三井は船舶用低炭素燃料の使用により、伊藤忠商事はSAF(持続可能な航空燃料)の利用により、双方の強みを生かした海・空の物流領域での協業を通じて、輸送サービスを利用する企業のスコープ3削減を支援する仕組みを構築し、輸送サプライチェーン全体での連携による脱炭素の実現に取り組んでいく。
商船三井グループは、「環境ビジョン2.2」において、ネットゼロ実現のためのアクションの一つとして「ネットゼロを可能にするビジネスモデル構築」を挙げている。
商船三井は2025年2月に、海上輸送サービスを利用する企業がスコープ3排出量の削減を実現できる、新プログラム「BLUE ACTION NET-ZERO ALLIANCE(ブルー アクション ネットゼロ アライアンス)」を立ち上げた。このプログラムでは、123Carbonと協業し、同社グループが運航する船隊での代替燃料を使用した低炭素航海の実施から、デジタル証書を発行し顧客に割り当てるもの。また、発行済みのデジタル証書について、NIPPON EXPRESSホールディングスなど3社との取引を実行した。
ネットゼロ実現のためには輸送サプライチェーン全体での連携が不可欠であり、伊藤忠商事との戦略的提携は、このプログラムの下で推進する関連ステークホルダーとの共創の具体的事例の一つとなる。
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