2025年11月30日
ENEOSリニューアブル・エナジー(ERE/東京都港区)は11月21日、千葉県内房で、コンブの一種「アラメ」の遊走子を混合したセルロースポリマー溶液を海中に散布する手法による藻場造成を行い、一定の有効性があることを確認したと発表した。同手法は北海道大学が中心となり研究を進めてきたもの。道内では実績があったが、同エリア以外の海域では初の実証となる。
この実証は、千葉県内房地域での磯焼け対策への取り組みの一環として、EREが北海道大学と岡部(東京都墨田区)に委託し、2023年から実施している。北海道大学は、北海道海域で同実証の実績があり、建設関連製品事業や海洋事業を手がける岡部は、自社施設において、同手法の先行試験実績を持つ。
千葉県内房地域においては、アラメを対象とし、水深約3mの岩盤に対してセルロースポリマー溶液に遊走子(海中を遊泳する胞子)を混合させ散布を数回実施した。2024年10月に散布を行い、2025年8月に追跡調査を行ったところ、散布地点の1m2当たりのアラメの密度は、無散布地点に比べ1.78~6.4倍と高い数値となった。散布地点では周囲にアラメが確認されていることから、天然由来の加入に加え、この手法による散布の効果があったと、EREは解説する。
この手法は、コンブ類の遊走子をセルロースなどの粘弾性ポリマー溶液と混合させて海中に散布することで、海中において胞子が飛散しにくい状態のまま海底面に運ぶことを可能とする。これにより、特定の狙った範囲において効率的にコンブ類の海藻を着生・増殖させることができるようになる。また、セルロースは天然成分由来の原料であり、環境への負荷も小さく、低コストで特殊技術も必要としない。
EREは洋上風力発電の事業者として海洋環境を改善するためにさまざまな取り組みを検討している。今回の実証を通じて藻場が造成されることで、海洋環境の改善や漁業資源の回復につながるとともに、海中でCO2を吸収するブルーカーボンが創出される。JREは、将来的にはブルーカーボン・クレジットの認証取得も視野に入れ、洋上風力発電事業と地域への貢献、海からの地球温暖化防止に寄与することを目指している。
岡部は2024年に、海藻種苗培養技術を生かし、CO2の効果的な固定方法についての検証試験を開始した。1月にはブルーカーボンを専門事業領域とする新規部署を立ち上げた。同社が従来行ってきた海藻種苗生産、藻場礁の製作・設置にとどまらず、今回の手法に代表されるようなさまざまな手法を検討・模索し、磯焼け対策とブルーカーボンの創出に引き続き貢献する。
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