2025年5月2日
東京大学は5月1日、丸紅(東京都千代田区)ら企業8社と共同で、「フュージョンシステム設計学」社会連携講座を開設する。丸紅のほかには、Starlight Engine(同・大田区)、京都フュージョニアリング(同)、電源開発(Jパワー/同・中央区)、フジクラ(同・江東区)、古河電気工業(同・千代田区)、日揮(神奈川県横浜市)、他1社が参加する。
フュージョンエネルギーとは、水素などの軽い原子核同士が高温・高圧下で融合して別の重い原子核に変わる際に発生する「核融合エネルギー」のこと。カーボンフリーな上、連鎖反応や爆発のリスク、高レベル放射性廃棄物がなく、脱炭素社会の実現とエネルギー安全保障の観点から早期の実用化が期待される。
近年は世界各地で発電実証に向けた競争が激化。日本においても内閣府主導の下、世界に先駆けて2030年代の発電実証の達成を目指し、Starlight Engineが推進するフュージョンエネルギー発電実証プロジェクト「FAST」などがすでに始まっている。
フュージョンプラントの構成は、閉じ込め方式、用途(試験、商用発電、RI製造、工業用熱源など)、規制法・規格に大きく左右されるが、現在これらの設計を支える学術体系、技術体系は未だ構築段階だという。今後は、フュージョンエネルギーに携わる次世代人材の戦略的な育成が求められる。
今回、東京大学らが開講する社会連携講座では、核融合研究の第一人者である同大学院新領域創成科学研究科の江尻 晶教授を担当教員とし、2025年4月1日に新設した同研究科附属フュージョンエネルギー学際研究センターとともに、フュージョンプラント設計に関する学術の基礎を築く。
また、フュージョンプラントを構成する以下の要素などについて産学連携で進める。
今後は、現在フュージョンに関連する勉学を志している学生とともにフュージョンシステム設計に関する研究を推進し、これらの設計を支える学術体系および技術体系の整備と、フュージョンエネルギーの早期実現を目指す。またフュージョンエネルギー人材を育成し、産業界の発展に貢献していく。
【参考】
記事内容へ
2025.10.12
石油資源開発(JAPEX/東京都千代田区)は10月6日、北海道苫小牧市にある北海道事業所構内に、系統用蓄電池設備「JAPEX苫小牧蓄電所」を設置すると発表した。パワコンの出力は20MW、容量は約106MWh。運用開始は2…続きを読む
2025.10.11
総務省は10月6日付で、青森県の「再生可能エネルギー共生税」新設に同意した。再エネ施設の立地場所に応じて事業者に税を課すことで、自然・地域との共生を図りながら再エネの導入を促進する。 税率は1kW当たり陸上…続きを読む
2025.10.10
RE100電力(東京都中央区)は9月11日、台湾の再エネ企業TUN POWER(トゥンパワー)と、系統用蓄電池設置工事に関する請負契約を締結したと明かした。和歌山県和歌山市に、出力1.99MW・容量8.128MWhの系統…続きを読む