2026年3月2日
コスモエネルギーホールディングス(東京都中央区)は2月25日、長崎県と宮城県で、ガソリンスタンド(サービスステーション/SS)跡地を活用した高圧系統用蓄電所を建設すると発表した。
SS跡地や遊休地を電力インフラとして再活用する取り組みで、これまでの蓄電ビジネス実証で得た知見を生かし、グループ一体で事業拡大を進める。
コスモエネルギーHDは、コスモ石油マーケティング(東京都中央区)が管理する敷地で建設に着手した。2027年度下期の運転開始を予定している。ともに発電出力は約2MW、蓄電池容量は約8MWh。
長崎県松浦市に建設する蓄電所では、パワーエックス(東京都港区)製蓄電池を採用する。宮城県仙台市に建設する蓄電所で採用する蓄電池は未定だ。
なお、長崎県松浦市の蓄電所は、2025年12月に経済産業省の系統用蓄電池などの導入を支援する補助金に採択されている。補助額は約1億3327万円。
2拠点の蓄電所では、卸電力市場に加え、需給調整市場や容量市場への参画による取引を計画している。これらの取引業務は、グループ会社のコスモエネルギーソリューションズ(東京都中央区)が担う。
コスモエネルギーHDでは、この2拠点にとどまらず、今後も系統用蓄電所や再エネ併設蓄電池の開発・運用を継続的に検討していく予定。
全国のSS数は、ガソリン需要の減少、地下タンク漏えい対策に係る負担、後継者難などにより減少し続けている。石油連盟(東京都千代田区)によると、SS数はピークを迎えた1994年度末の60,421カ所から2024年度末には27,009カ所へと減少しているという。
一方、近年、再エネの導入拡大に伴い、電力系統における混雑や出力制御の頻発が課題となっており、再エネの出力変動に応じて柔軟に充電・放電のできる蓄電池のニーズが高まってきている。
コスモエネルギーグループは、これまでの実証を踏まえ、高圧系統蓄電所はその規模感、全国的な配置可能性からSS跡地との親和性が高いことから、既存資産を活用した低炭素社会の実現を支えるインフラとして転換できると考えている。
また、同グループでは、中長期のビジョン「Vision 2030」で、再エネ発電~需給調整・蓄電~グリーン電力販売によるグリーン電力サプライチェーンの強化を掲げている。その一環として、石油エネルギーの供給地点であったSSを再エネの安定供給を支える電気エネルギーの調整拠点として再定義・活用していく。
コスモエネルギーHDでは、これまで三重県四日市市、埼玉県幸手市、愛知県長久手市、大阪府東大阪市において蓄電池設備の実証に取り組んできた。これらの実証を通じて、蓄電池設備の建設から運用までをグループで一貫して手がける体制を構築するとともに、蓄電池の充放電制御を最適化する自社エネルギーマネジメントシステム(EMS)の構築や、EMSを活用した電力市場取引の最適化など、系統用蓄電池に関する運用ノウハウを蓄積してきた。
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