2025年10月3日
NTT東日本(東京都新宿区)は9月29日、埼玉県越谷市、イハシライフ(越谷市)と、越谷市内で災害発生時に電気自動車(EV)に搭載した可搬型バッテリーを活用した電力供給に関する協定を締結した。
NTT東日本グループ会社が所有するバッテリー交換式EVコンバージョンカーに搭載された可搬型バッテリーを、イハシライフが市内学校の屋根上に設置する太陽光発電設備で充電し、電力不足の避難所へ運搬して電力供給を行う。
災害発生時にEVの可搬型バッテリーを避難所に供給する取り組みは、東日本エリアで初の試み。今回の取り組みは、越谷市と民間事業者など10者で、市域の脱炭素・地域課題解決を推進するため設立した「こしがや脱炭素コンソーシアム」事業の一環として実施する。
具体的には、越谷市が災害発生時における避難所の電力供給状況の把握し、事業者への協力を要請。イハシライフが、市内学校(大相模中学校)の屋根上の太陽光発電による電力を提供する。NTT東日本グループのNTT東日本埼玉南支店(埼玉県さいたま市)が社用車のCEVの可搬型バッテリーを運搬・提供する。
災害時に活用するNTT東日本グループのバッテリー交換式EVコンバージョンカー(CEV)は、ガソリン車を可搬型バッテリー搭載EVへ転換(改造)したもの。可搬型バッテリー(1500W)で8~12時間の放電ができる。
CEVは、通常は社用車として活用し、災害時には避難所にて可搬型バッテリーを降ろし、電力を供給する。通常は未使用のまま保管される災害用蓄電池を、日常的に活用し、被災時にはそのまま運搬・転用できる仕組みを構築した。
イハシライフは、2014年より市内の小中学校7校において越谷市より屋根を借りて太陽光発電事業を実施してきた。同社は関東を中心にプロパンガスの販売や太陽光発電などの事業を手がけている。また、グループ会社のイハシエネルギー(埼玉県越谷市)では、サービスステーションの運営や自動車整備など、モビリティー事業を展開している。
今回の取り組みでは、事業用太陽光発電の電力を活用し災害時などの地域のエネルギーレジリエンスの強化を支援する、埼玉県の「自立運転切替装置等電力供給設備導入補助金」を費用の一部に活用する予定。
越谷市は、2021年に埼玉県東南部地域5市1町(草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町)として「ゼロカーボンシティ」を表明し、脱炭素を推進している。2024年には、越谷市と民間事業者など10者と「こしがや脱炭素コンソーシアム」を設立した。このコンソーシアムでは、各社の知識や技術を共有しながら、地域の脱炭素化と社会・経済課題の同時解決に向けた具体的な施策を検討している。
【参考】
・埼玉県越谷市-イハシライフ株式会社、NTT東日本株式会社と災害時における電気自動車搭載可搬型バッテリーを活用した電力供給に関する協定を締結
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