2026年2月16日
日立製作所(東京都千代田区)は2月10日、肥後銀行(熊本県熊本市)のグループ会社で再エネ事業を手がけるKSエナジー(同)と、熊本県内で50MW規模の系統用蓄電所「KSE熊本蓄電所」を開発する計画を明らかにした。運用開始は2029年1月を予定している。
計画地は再エネの導入が進む九州エリア。出力抑制や需給変動への対応力強化が求められる中、大規模な特別高圧系統(2MW以上)用蓄電池を整備し、系統安定化に貢献する。
KSエナジーは地域内での再エネ循環を志向するエネルギー事業会社。日立は電力分野における制御技術やプロジェクト開発の実績を持つ。両社は設備設計から機器調達、施工までを連携して進める方針で、ハード整備と運用高度化を一体で進める。
日立は系統用蓄電システムの導入実績を活かし、送配電事業者との系統連系協議や関係省庁への申請手続き、事業性評価に関する情報提供を担う。さらに、日立エナジー製PCSの供給やプロジェクトマネジメントを通じ、開発から運転開始後の安定運用までを支援する。
また、同事業では、蓄電システムを単なるピークカット設備ではなく、市場取引を通じて収益を創出するエネルギーリソースとして位置付ける。日立が開発を進める電力トレーディング支援システムの導入を検討し、充放電制御と市場取引を組み合わせる構想だ。需給調整機能の強化と市場価格を踏まえた収益向上を図る。
系統用蓄電池を巡っては、容量市場や需給調整市場の整備が進み、収益機会が拡大。GX政策の下、国は補助制度や市場設計の見直しを通じて導入拡大を後押ししている。加えて、九州エリアでは太陽光発電の導入量が全国でも高水準にあり、出力抑制が頻発する構造が続く。こうした中、需給バランスを調整する蓄電リソースの重要性は一段と高まっている。
今回の計画は、こうした市場環境の変化を踏まえたもので、再エネの出力変動を吸収する調整力としての役割に加え、市場価格に応じた充放電制御による収益最大化を図る構想を打ち出す。ハード整備と市場対応力を一体で設計することで、容量市場や需給調整市場など制度環境の変化に柔軟に対応できる体制を整備する狙いもある。
熊本での50MW級蓄電所開発は、地域課題への対応に加え、ハードと市場運用を統合する事業モデルの先行事例となる可能性があり、設計詳細や収益スキームの具体化が今後の焦点となる。
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