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九州大とJCCL、排ガス由来CO2循環活用モデル構築 eーメタン証書取得

2025年12月16日

九州大学と同大学発のスタートアップ企業であるJCCL(福岡県福岡市)は12月11日、西部ガス(同)の都市ガス製造工場で回収した排ガス由来のCO2から、カーボンニュートラルな都市ガスである「eーメタン」 を合成し、クリーンガス証書を取得したと明かした。今回、排ガス由来の合成メタンに対し第三者認証を受けたことは、画期的な成果であると、両者は説明している。

 

共同開発したCO2回収装置を活用

九州大学とJCCLは、2022年に、西部ガス(福岡県福岡市)とともに、都市ガス燃焼後排ガス中のCO2利用に関する共同検討を開始。2023年11月からは、環境省の「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証」にも参画している。

3者は今回、九州大学とJCCLが共同開発したCO2回収装置(VPSA2)を用いて、西部ガスの都市ガス製造工場にて、都市ガスボイラ排ガスからCO2を回収し、99%まで濃縮した上で、西部ガスのメタネーション設備にCO2を安定的に供給する実証を完了した。

このCO2を原料に、同設備でメタンガス(都市ガスの主原料)を合成。製造されたeーメタンが、環境価値を有する「クリーンな都市ガス」として認証された。

 

認証取得により、環境価値の移転が可能に

クリーンガス証書とは、クリーンガス製造設備の認定を取得した製造設備で製造されたeーメタンやバイオガスが持つ、燃焼しても大気中のCO2が増えないと見なせる価値(環境価値)を、 クリーンガス相当量認証を通じて証書化したもの。 クリーンガス証書により、広く環境価値の移転が可能になる。

 

JCCL、CO2分離・回収拡大に向け、協業を強化

JCCLは、固体吸収法と膜分離法の両技術を有し、CO2分離・回収に関して、材料・性能評価・装置・プロセス設計技術までをワンストップで提供できる点に強みがある。

10月には、大日本印刷(DNP/東京都新宿区)と、CCU技術を活用した事業開発やGHG排出量削減などを目的とした協業を開始。この一環として、DNP科学分析センター(東京都港区)にJCCLのCO2分離回収装置を導入し、顧客向けにCO2分析サービスの提供を始めた。

CO2回収技術は、メタネーションなどカーボンリサイクル技術の基盤としてさらなる展開が期待される。JCCLは引き続き、CO2分離・回収技術の高度化、スケールアップや社会実装を推進し、脱炭素社会の実現と地域循環型エネルギーシステムの構築に貢献していく。

【参考】

・九州大学―九州大学・JCCLが西部ガスの都市ガス工場で回収したCO₂から カーボンニュートラルな都市ガス『e-methane』が合成され クリーンガス証書を取得しました!

 

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