2025年7月12日
三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET/神奈川県相模原市)は7月4日、東邦ガス(愛知県名古屋市)と共同開発した、体積比で最大15%の水素混焼が可能な出力450kWのガスコジェネレーションシステム「SGP M450」を発売すると発表した。ラインナップには、新設時は都市ガス専焼仕様で、最小限の現地改造により水素混焼仕様に変更可能なパッケージも加わるという。
「SGP M450」は、都市ガス専焼ガスエンジン「GS6R2」をベースに、燃料ガス系統やエンジン制御装置を改良した水素混焼エンジン。
水素混合率は、従来のガスエンジンからの変更範囲を最小限するため最大15%に設定した。運転モードは、都市ガス13A専焼モードと水素混焼モードの2種類で、負荷運転中に任意に切り替えられる。このうち水素混焼モードでは、エンジン始動時に都市ガスのみを用いる仕様とすることで、停電発生時の初期負荷投入量を都市ガス専焼仕様と同等とし、BCPにも対応する。
また、将来の水素利活用を検討中の顧客向けに、「水素レディ」パッケージも発売する。予め水素混焼に必要な機器や機能を組み込んでおくことで、水素混焼仕様への改造にかかる工事期間の短縮を図る。
発売開始に向けては、東邦ガス技術研究所(愛知県東海市)で500時間以上に及ぶ実証試験を行い、発電設備に必要な電力需要の変動に応じた高い調整力やさまざまな条件下で運転の安全性を検証した。その結果、異常燃焼などのリスクはなく、都市ガス専焼仕様と同じ運用が可能なことが確認された。
コジェネシステムは、カーボンニュートラルの実現に貢献する分散型エネルギーリソースとして期待される技術の一つである。大規模災害などによる停電時にも対応可能な電源であることから、レジリエンス強化という点でも期待される。MHIETは今後も、水素利用の拡大および分散型電源の普及を推進し、脱炭素社会の実現や社会全体のレジリエンス向上に貢献していく。
記事内容へ





2025.11.30
ENEOSリニューアブル・エナジー(ERE/東京都港区)は11月21日、千葉県内房で、コンブの一種「アラメ」の遊走子を混合したセルロースポリマー溶液を海中に散布する手法による藻場造成を行い、一定の有効性があることを確認し…続きを読む
2025.11.29
ウエストホールディングス(ウエストHD/広島県広島市)と東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)は11月25日、再生可能エネルギーおよび蓄電池分野での協業推進を目的に、業務提携基本契約を締結したと発表した。…続きを読む
2025.11.28
Looop(東京都台東区)は11月25日、20~60代の男女を対象に「天気と電気のつながり」に関する調査を実施した結果を発表した。 この調査では、需給バランスを保つために発電量を抑制する「出力制御」と「晴れた昼間は電気が…続きを読む