2026年2月25日
東京大学発スタートアップのヒラソル・エナジー(東京都文京区)は2月19日、FIT制度の既設太陽光発電所をFIP制度へ移行し、発電所の運用最適化を図る取り組みを、イースト・エンジニアリング(同・港区)と開始したと発表した。
対象となった発電所は、出力1.5MWの「福岡飯塚第一太陽光発電所」。両社は今後、同発電所の持続可能な運用と収益拡大を目指す。
イースト・エンジニアリングは、発電所のEPC(設計・調達・建設)の豊富な知見・実績を、ヒラソル・エナジーは、太陽光発電量の高精度予測技術や独自開発のエネルギー制御システム(EMS)を用いた蓄電池制御の実績を有している。このプロジェクトにおいて、同社は、既設のFIT太陽光発電所の選定や設備のメンテナンスを行う。
ヒラソル・エナジーは、アグリゲーターとして、高精度な太陽光発電量予測技術および独自開発のエネルギー制御システム「J-EMS」を活用し、発電量予測やインバランス低減に向けた対応、発電計画の策定・電力広域的運営推進機関(OCCTO)への提出、非化石価値の取り扱いを含む日々のオペレーション業務を担う。
再エネの安定的活用に向けては、需給バランスに応じた電力市場の変動を考慮し発電量を調整し、再エネを主力電源化することが求められる。2022年度からFIT制度に加えて、市場連動型のFIP制度が導入された。
FIP制度は、固定価格での買取を行うFIT制度と異なり、市場価格と連動して変動するため、市場の動向に応じて発電収入も変動する。売電する際には、電力市場の需要と供給のバランスを保つために、事前に発電量の予測に基づく発電計画の提出や、実際の発電実績値と乖離がある場合は、「インバランス料金」としてペナルティの支払いが要求される。
これまではFIT制度により、再エネが急速に拡大した。しかし、FIT制度では電力市場の影響を受けず固定価格での電力の買取が保証されているため、電力の需給バランスを考慮する必要がなく、結果として、電力供給が需要を上回るなどバランスを崩す一因となっている。
ヒラソル・エナジーは、経済産業大臣に対し、特定卸供給事業制度に定められた特定卸供給事業者(アグリゲーター)の届出を行い、2024年に特定卸供給事業者一覧に掲載された。
特定卸供給事業者は、分散型電源を有する者やリソースアグリゲーターなど電気の供給能力を有する他の者(発電事業者を除く)から、1MWを超えて電気を集約・統合制御し、一般送配電事業者や小売電気事業者、特定送配電事業者、配電事業者に電気を供給する事業者をいう。
ヒラソル・エナジーは、今後は、アグリゲーターとして、このプロジェクトで得られた知見を活かし、既設のFIT太陽光発電所を対象に、FIP制度移行後の効率的な発電所運用を支援していく。
なお同社の太陽光発電量の予測技術は、2023年に開催された第1回「太陽光発電量予測AIコンペティション」にて、短期予測賞を受賞。これまで積み重ねてきた独自のシミュレーション技術により、発電量の予測精度を向上、正確な発電予測により、予測発電量と実績発電量の差異を最小限に抑えることができ、収益に影響するインバランス料金を削減・最適化を実現している。
このほか、米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ発電所(山梨県甲府市)にて、開発したエネルギー制御システム「ぷらマネリンク」を用いた複数台の蓄電池制御を行っている。
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