2025年9月3日
山梨県は8月27日、ブドウ棚の雨よけに設置した有機薄膜太陽電池の電力を活用し、ブドウの着色向上を図る世界初となる実証の結果を報告した。光を透過する有機薄膜太陽電池は、日中の太陽光をそのまま果実に届けながら発電することが可能で、蓄電した電力で夜間にLED照射することでブドウ果実の着色が向上した。
実証は7月から、公立諏訪東京理科大学と共に「発電」と「農業栽培」の両立を目的として実施した。
ブドウ園の簡易雨よけにフィルム状の有機薄膜太陽電池を設置し、発電した電力をバッテリーに蓄電。蓄電した電力で夜間にLEDライトを照射し、県オリジナル品種「サンシャインレッド」の着色を促す仕組み。
従来の栽培では、地面に白色のマルチシートを敷き、反射光で果房を照らすことで着色を促してきたが、今回の方法では太陽の透過光と夜間のLED照射を組み合わせた。この結果、果実の着色向上が確認できた。
使用した有機薄膜太陽電池は厚さ0.3mm、重さ0.4kg/m2。軽量で柔軟性があり、農地での利用にも適している。色の選択性と再現性に優れており、鉛やスズを含まず有機物を使用する技術のため安全性が高く、従来の光を通さない太陽電池と異なり、栽培と発電の両立が可能だという。
県は、実用化に向け2027年まで実証を続けるとしており、将来的には、ビニールハウス全体への活用や水素利用によるカーボンフリー農業体系の構築を目指す。
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