2026年9月24日
パワーエックス(岡山県玉野市)とスマートエナジー(東京都港区)は9月1日、発電所併設型蓄電池の導入推進に向けた協業を検討する覚書を締結した。候補案件の発掘・組成から、蓄電システムの導入、運用・保守(O&M)、アグリゲーションまでを共同で進める。
両社は、2026年12月までに1件、2027年12月までに3件、2028年12月までに10件程度の案件組成を目指す。
発電所併設型蓄電池は、太陽光発電所などに蓄電池を併設し、発電した電力を蓄えて需給や市場価格に応じて放電する仕組み。出力制御で失われる電力の有効活用や、卸電力市場、需給調整力市場などへの参加による発電事業者の収益機会拡大が期待される。
今回の協業では、全国に営業拠点を持つスマートエナジーが、太陽光発電事業者とのネットワークを活用して候補案件を発掘・検討し、導入後のO&Mを担う。
パワーエックスは、国内で開発・製造する蓄電システム(JC-Star対応)を提供する。同システムは、情報処理推進機構(IPA)より、IoT製品のセキュリティ要件への適合を示す「JC-STAR」の適合ラベル(レベル1)を取得した製品。
なお、レベル1は、IoT製品に共通して求められる最低限のセキュリティ要件を満たすことを、メーカーが自己評価・自己宣言し、IPAが適合ラベルを付与する仕組みだ。
アグリゲーションについては、スマートエナジーの子会社であるスマートエナジーサーキュラー(東京都港区)とパワーエックスが共同で取り組む。アグリゲーターとしての登録主体や、収益とリスクの分配方法は、案件ごとに協議して決める。
両社は、市場価格に連動するマーチャント契約に加え、固定価格で取引するトーリング契約の提案も視野に入れる。取扱電力量や信用力を確保し、単独では対応が難しい大型のトーリング契約にも対応できる体制の構築を目指す。
パワーエックスとニシム電子工業(福岡県福岡市)は2月5日、電力系統から充電する太陽光併設型蓄電システムとして、一次調整力対応で国内初となる一般送配電事業者の認定を取得したと発表した。同日、九電みらいエナジー(同)が保有する長崎県大村市の「大村メガソーラー第4発電所」で運用を開始した。
このシステムでは、昼間に太陽光発電所から蓄電池へ充電して出力制御を回避し、夕方に放電して売電する。需給調整市場の一次調整力にも対応し、電力のタイムシフトと調整力の提供を組み合わせて運用する。
3月23日には、北海道苫小牧市への新工場開設と、本社工場への大型蓄電システム製造ラインの増設を発表した。玉野市内の提携工場を含む3拠点体制により、国内の生産能力を2026年の年間1.2GWhから、2030年には7.5GWhへ拡大する計画だ。
スマートエナジーは2023年10月31日、太陽光発電所のO&Mを手がけるアドラーソーラーワークス(神奈川県横浜市)をグループ会社化したと発表し、グループ全体のO&M契約容量は約4GWに拡大した。両社の技術や発電所データを活用し、発電量予測やバランシングなどのサービスを展開する方針を示した。同社は2026年8月7日、太陽光発電所に加え、風力発電や蓄電池関連事業などを含むグループ全体のO&M契約容量が5.5GWに達したと発表した。
同社は2026年3月5日、アグリゲーション事業を担う100%子会社としてスマートエナジーサーキュラーを設立した。太陽光発電や蓄電池などの分散型電源を集約し、発電量予測や発電計画の作成、卸電力市場・需給調整市場・容量市場での取引などを担う。
同年8月17日には、スマートエナジーサーキュラーが、KAJIWARA(兵庫県姫路市)が開発する兵庫朝来蓄電所のアグリゲーション業務を受注したと発表した。蓄電所の出力は2MW、容量は8MWhで、2027年4月の運用開始を予定する。今回の協業では、こうした発電所の運営・保守と市場運用の知見を、パワーエックスの蓄電システムと組み合わせる。
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