2020年2月2日
チェコ政府は1月13日、「国家エネルギー・気候計画」を承認した。これは欧州議会・EU理事会規則「EU域内のエネルギー共同体のガバナンスに関する規則」(2018年7月2日記事参照)により、EUへの提出が義務付けられているもので、エネルギー効率化や温室効果ガス排出削減、再生可能エネルギーなどに関するチェコの目標、政策を定めている。
このうち、再生可能エネルギーに関しては、最終消費エネルギー総量に占める割合を、2030年までに22%とすることを定めている(表1参照)。チェコ産業貿易省は、当初2030年までの達成目標値として20.8%を掲げていたが、EUは23%を提案していた。このため、「EUの目標を鑑み、22%に引き上げた」と、カレル・ハブリーチェック産業貿易相は説明している。
再生可能エネルギーの達成目標を種類別にみると、太陽光発電、および風力発電の増加に重点が置かれていることが分かる。特に現在、再生可能エネルギーの全出力の50%弱を占める太陽光発電は、年間出力を2016年の2,068メガワット(MW)から2030年には3,975MWに増やし、再生可能エネルギー全体に占める割合を57.0%に引き上げることが定められている(表2参照)。また、風力発電は、出力を2016年の282MWから2030年にはその3倍超の970MWに増やし、再生可能エネルギー全体に占める割合を6.7%から13.9%に引き上げることが記されている。
温室効果ガス排出量に関しては、チェコは2016年までに1990年比35%、2005年比で15%削減している。今後の目標としては、2030年までに2005年比で30%削減することを掲げている。
計画の中では、目標達成の手段として、原子力発電に言及している。原子力発電の全発電量に対する割合は現在約29%だが、現在のエネルギー政策では2040年までに46~58%に引き上げることが目標として定められている。
チェコは原子力発電をクリーンエネルギーと捉えており、2050年までに気候中立達成を目指すEUの計画に関して、EUが原子力発電をその手段として認めることを求めている。
バビシュ首相は、2019年12月12日のEU首脳会議で、「チェコが気候中立を達成するためには、原子力発電に基づくエネルギーミックスが不可欠だ。経済状況や自然環境は国により異なるため、これを尊重する必要がある」と主張していた。
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