2017年3月10日
企業が事業を通じて消費する電力は、地球上の消費電力のうち約半分を占める。再生可能エネルギーだけで企業活動をまかなおうとする取り組み「RE100」の意義は大きい。RE100は2017年1月17日、100%の目標に達した企業が18社に及んだと発表。日本企業の姿はあるだろうか。
再生可能エネルギーに由来する電力だけで事業を行う。このような企業が18社に達した。海外の87社が参加し、事業活動の電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す「RE100」が2017年1月17日に発表した「2017 RE100 Annual Report」の内容だ(図1)*1)。
RE100メンバー企業の活動規模は意外に大きい。2015年に87社が調達した再生可能エネルギー由来の電力量は107テラワット時(TWh、1070億kWhと等しい)。これはオランダ一国の年間消費電力量と同じだという。日本に置き換えれば、約10分の1に相当する。風力発電と太陽光発電が主な採用技術だ。
なぜ再生可能エネルギー100%なのか
世界の電力需要の約半分は企業活動によるもの。企業が再生可能エネルギー由来の電力を使うように変われば、影響は計り知れない。
RE100のメンバー企業が再生可能エネルギー調達を決断した理由は何だろうか。大きく4つあるのだという。(全世界の)電力コストの低減、自社の経費節減、(再生可能エネルギーの開発を促進することで実現できる)持続可能性目標の達成、企業価値の向上である。
発表資料によればRE100のメンバーである米General Motorsは、再生可能エネルギーを利用することで年間500万ドル(5.7億円)の電力コスト削減に成功しているという。
もう少し直接的な手法もある。PPA(Power Purchasing Agreement)だ*4)。RE100参加企業が発電事業会社から再生可能エネルギー由来の電力を直接・間接的に購入する契約を取り結ぶ。さらに進むと、自社が太陽光発電所や風力発電所を所有・運営する形になる。米AppleやGoogleなどの取り組みはこれだ。
これら複数の手法を組み合わせることはもちろん、いったんグリーン電力証書を用いて調達比率を高めた後、他の手法の比重を増やしていく企業もある。
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