2018年8月13日
資源エネルギー庁は、固定価格買い取り制度(FIT)に基づく再生可能エネルギー発電設備廃棄費用に関する報告の義務化について、2018年7月31日に通知した。
7月23日に、定期報告(運転費用報告)に廃棄費用に関する項目を追加し、出力10kW未満の太陽光発電設備を除く、FITの認定を受けたすべての再エネ発電事業について、廃棄費用に関する報告を義務化した。
再エネ設備の適正処理・リサイクルは、長期的に安定した基幹電源となるために不可欠な課題となっている。今回の措置は、太陽光パネルの不適切な廃棄への懸念を払拭し、責任ある電源となっていくための一環としている。
FITの買取価格は、廃棄費用を含んで設定したものと強調している。
これまでも「事業計画策定ガイドライン」において、計画策定時に事業終了時の廃棄費用やその積立額を記載することを求めていた。
また、18年5月の総合資源エネルギー調査会再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会の中間整理においては、エネ庁が18年度中に「現行のFIT制度の執行強化に取り組み、廃棄費用の積立計画・進捗報告の毎年の報告を義務化し、それを認定事業者の情報として公表するほか、必要に応じて報告徴収・指導・改善命令を行う」こととした。これを受け、今回の義務化に至った。
同庁では、運転費用報告の際に、電子報告サイトの入力フォームや紙での報告の場合にはその様式に従って、廃棄費用の報告を呼びかけている。
運転費用の報告は、太陽光発電の場合、(1)発電設備が運転開始した日から1カ月以内に設置費用を報告、増設した場合は増設日から1カ月以内に増設費用を報告、(2)発電設備が運転開始した月、またはその翌月に毎年1回、運転費用を報告――することとなっている。
例えば、14年5月1日に運転を開始している場合、設置費用の報告期日は14年6月1日。その後、運転維持費を翌年以降の毎年5月、または6月に報告する。
同小委員会では、低圧案件の74%、高圧案件の59%が「廃棄費用を積み立てていない」とのアンケート調査の結果も公表された。これを受け「廃棄費用の積み立てを担保する施策、例えば第3者が外部で積み立てを行う仕組みなどを検討すべき」との方向性が示され、中間整理では「義務的なリサイクル制度の必要性を検討すべき」と記載された。
(日経BP総研クリーンテックラボ 加藤伸一)
[日経 xTECH 2018年8月2日掲載]
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