2019年6月22日
神奈川工科大学工学部電気電子情報工学科の板子一隆教授とデータテクノロジー(東京都立川市、渡邊和彦社長、042・523・1177)は、IoT(モノのインターネット)を活用して太陽光発電効率を向上するシステム「スマートPVアレイシステム」を開発した。太陽光発電パネルに影がかかっても高効率に発電でき、従来と比べて最大1・6倍発電できる。メガソーラーへの導入など、製品化を目指す。
現在主流の太陽光発電システムは、パワーコンディショナー(PCS)に搭載されている最大電力点追従制御(MPPT)により太陽光発電パネルの最大電力を取り出す。しかしパネルに建物や木などの影が発生するとMPPTの動作点がずれ、システム動作が不安定になり各パネルが本来可能な値まで出力できず、発電電力が大幅に低下することが課題だった。
開発したシステムは、パネルごとに昇降圧型DC―DCコンバータユニットを装着。ユニットでパネルの状態をスキャンし、状況に応じて出力を最適に制御して影や気候など環境に応じて電力を調整できる。ユニットで得たデータをクラウド経由でタブレット端末などで監視でき、パラメーターの遠隔操作もできる。2直2並列アレイの1枚に75%、もう1枚に50%の影を付加した場合、従来の制御システムに比べて取得電力を1・6倍に増やすことができた。
今後は実用化を目指して小規模実験を繰り返し、データを収集する。太陽光発電で火災の原因になるソーラーパネルのホットスポットの検知などもできるように開発を進める。家庭からメガソーラーまで幅広い用途での実用化を目指す方針。
新システムは7月10日からパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催する「PV2019太陽光発電展示会」に出展する。
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