2017年3月8日
再生可能エネルギーを利用して企業を運営する。さらに最終製品の製造から利用、リサイクルまでを通じて、二酸化炭素排出量を最小限にとどめる。このようなプログラムを進める企業の1つが、米Appleだ。Apple向けの部品を製造するイビデンは、日本企業として初めて同プログラムに参加。太陽光発電で実現する。
例えば米Appleだ。同社は2017年3月時点でオフィスや店舗(Apple Store)、データセンターに利用する電力のうち、93%を再生可能エネルギーでまかなっている。自社の発電所はもちろん、発電事業会社から再生可能エネルギー由来の電力を直接・間接的に購入するPPA(Power Purchasing Agreement)を通じて実現してきた。
目的は大きく2つある。電力コストの引き下げに役立つ他、地球温暖化を促す二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を減らすことだ。
Appleの目標はオフィス内部にとどまらない。部材調達先や最終製品の利用者も含め、製品のライフサイクル(製造、製品の使用、施設、輸送、リサイクル)を通じた二酸化炭素排出量(カーボンフットプリント)を引き下げようと計画している。
2015年時点のカーボンフットプリントは3840万トン。最大の排出源は77%を占める製造だ*1)。製造時の二酸化炭素排出量を減らす必要がある。そこで、2015年から部材調達先の企業に対して「クリーンエネルギープログラム」を通じて協力を求めてきた*2)。例えば筐体に利用するアルミニウムだ。製造時に火力発電ではなく、水力発電由来の電力を用いる。
プログラムの第一目標は2018年末。Apple製品を製造するために、同社や調達先企業が年間25億キロワット時の再生可能エネルギー由来の電力を発電することで実現する。
*1) この他、製品の利用時に17%、輸送時に4%、施設から1%、リサイクル時に1%を排出している。製品1台当たりの炭素排出量は2011年の137.2キログラム(kg)から2015年の114.1kgまで一貫して下がっている。
*2) 同プログラムでは中国企業が先行している。2015年10月には中国Foxconn Technology Groupが2018年までに400メガワット(MW)の太陽光発電所を建設する予定だと発表している。
イビデンが国内初の協力企業に
Appleは2017年3月8日、同プログラムに日本企業として初めてイビデンが参加したと発表*3)。Apple向けの部材を製造する際、再生可能エネルギーに由来する電力だけを用いることを約束した(図1)。100%を実現する期限は2018年末だ。
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