2017年9月16日
NEDOと(株)アクトリーは、集光した太陽エネルギーの65%を電気と熱に変換できる世界初の追尾集光型太陽エネルギー回収システムの開発に成功しました。
本システムは、太陽光による発電と60℃以上の高温水を用いた太陽熱の熱回収を同時に行う架台設置型のハイブリッドシステムで、2017年9月から、石川県白山市内の(株)アクトリー本社敷地内で実証試験を開始します。
今後、(株)アクトリーは、実証試験で得られた結果をもとに、「iU-SOALA(インテリジェンスユニット ソアラ)」として商品設計を行い、2018年度の事業化を目指します。
NEDOと株式会社アクトリーは、太陽光による発電と、太陽熱による熱回収を同時に行う追尾集光型太陽エネルギー回収システム※1の開発に成功し、この度、(株)アクトリー本社敷地内(石川県白山市)で実証試験を開始します。これまで、ソーラーパネルによる発電システムや、集熱器等により太陽熱を40℃程度の温水として熱回収するシステムはそれぞれ存在していましたが、太陽光による発電と60℃以上の高温水を用いた太陽熱の熱回収を同時に行う架台設置型ハイブリッドシステムの開発は、世界で初めてとなります。
(株)アクトリーは、NEDOの「ベンチャー企業等による新エネルギー技術革新支援事業」において2016年度に採択され、石川県工業試験場、国立大学法人東京大学先端科学技術研究センターと共同研究体制で、高効率発電モジュールと光学シミュレーションによる独自の集光技術を開発し、これらを組み合わせた新しい太陽エネルギー回収システムを開発しました。本システムは、GPS(衛星利用測位システム)を搭載したパラボラ型の反射鏡が1列に4個並んで6列で1ユニットを構成し、1列ごとに太陽の方向に向きを変えるため、高い集光率が得られます。さらに本システムの特徴として、集光した太陽エネルギー量のうち、25%を電気※2として、40%を熱(高温水)として回収するため、太陽エネルギー変換効率はあわせて約65%にも上ります。今回、(株)アクトリー本社敷地内に8ユニット(約13kW規模)を設置し、新システムの性能や実用性(耐久性・耐候性)、遠隔制御によるシステム保守運用の有効性の確認を行うことを目的に、2017年9月より本格的に実証試験を開始します。
今後は、同様のシステムを栃木県の(株)アクトリーR&Dセンターと、宮城県のイチゴ農園施設に設置して、気候の違いによる性能効果についても比較し、これらの一連の実証試験の結果をもとに、「iU-SOALA(インテリジェンスユニット ソアラ)」として商品設計を行い、2018年度の事業化を目指します。
また、1ユニットの設置面積は約15m2とコンパクトであり、電気と温水を利用する農業ハウス、養殖施設、福祉施設、コンテナ式データセンターなどへの用途への利用を見込んでいます。さらに、遠隔制御によってシステム保守運用を行うため、山岳エリアや離島での需要も期待されます。
NEDO イノベーション推進部 担当:竹内、松本 TEL:044-520-5175
(株)アクトリー 担当:増井 TEL:076-277-3380
NEDO 広報部 担当:高津佐、坂本、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp
記事内容へ
2021.03.01
エナジーゲートウェイと荏原実業パワーが、新開発の「蓄電池AI最適制御システム」を搭載した家庭用蓄電システムを4月から販売すると発表。家庭内の電力使用状況を詳細に分析でき、その情報に基づいて最適な蓄電池の運用制御が行えるの…続きを読む
2021.02.26
オムロン ソーシアルソリューションズが、2021年4月から太陽光発電用パワコンの定額貸出サービスを開始すると発表。低圧の野立てタイプの太陽光発電を対象とするサービスで、最新のパワコンを定額で提供することで発電効率の維持向…続きを読む
2021.02.25
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の連結子会社である三菱UFJ銀行(東京都千代田区)は2月19日、気候変動問題に向けた取り組みの一環として、自社電源の100%を再生可能エネルギーで調達するため、再エネへの出資…続きを読む