2018年7月11日
ホンダとパナソニックは持ち運びできる蓄電池で提携する。二輪車やロボットなど複数の用途に使える着脱式の電池を共同開発する。電力インフラが乏しいアジアなど新興国で家庭用電源にも用途を広げる。両社は住宅や運輸、機械など様々な企業の製品に採用を働きかける。自動車や家電、住宅に強みを持つ両社の提携で、新たな市場が生まれる可能性がある。
ホンダが2018年秋に日本や東南アジアで発売する電動スクーターから着脱式の蓄電池を載せる。パナソニックが製造するリチウムイオン電池を調達する。重さは約10キログラムで、バギーなど小型の電気自動車(EV)のほか、危険な場所で使える防災用や接客用などのロボットへの搭載を目指す。
従来の車載用電池は、自動車に組み込んだままで他の用途に活用できなかった。取り外しや持ち運びができ、様々な用途に使える電池が普及すれば、電力インフラの補完にもつながる。
両社はインドネシアで、新型電池を二輪から取り外し、他の二輪に載せるなどの実証実験を始めた。効率的な電力の管理や、電池の性能向上につなげるデータを収集。家庭の照明の電源やスマートフォンの充電に使うことも目指す。
翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時ごろに配信します。
ホンダは二輪の世界最大手。二輪や四輪といった既存事業に次ぐ事業の育成を急いでおり、30年までの経営計画でモビリティー、ロボティクスに加え、エネルギーを注力分野に掲げている。
パナソニックは米テスラのEVに電池を一手に供給する世界大手で、車載用電池を成長戦略の柱に据える。トヨタ自動車ともEVなど電動車の電池で協業の検討を進めている。ホンダとの提携で二輪や家庭用など電池の用途を拡大し、供給先を増やす。パナソニックがグループで手掛ける住宅や家電事業での採用につながる可能性がある。
両社が開発する着脱式電池は専用の充電装置を使う。地域の風力や太陽光といった再生可能エネルギーで発電した電気をため、充電する仕組みを整える。太陽光発電や蓄電システムで実績のあるパナソニックの技術を生かす。
記事内容へ
2021.04.16
クリックで拡大します 日本の温室効果ガス排出量(2019年確報値)(出所:環境省) 環境省は4月12日、2019年度の日本の温室効果ガス総排出量(CO2換算)は12億1200万トンで、前年度比2.9%減となり、6年連続で…続きを読む
2021.04.15
東京都が家庭用蓄電池の導入に関する補助金について、2021年度分の受付を開始。補助率は機器費の2分の1、補助上限額は蓄電容量1kWh当たり7万円で、1戸につき上限は42万円となっている。 東京都は家庭用蓄電池の導入に関す…続きを読む
2021.04.14
これまで4V程度が上限電圧とされていたリチウムイオン電池。東京大学の研究グループは、その電圧を5V以上に引き上げることを可能にし、リチウムイオン電池のさらなる高性能化への道を開く研究成果を発表した。 東京大学の研究グルー…続きを読む