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ZEH政策から見えるIoT住宅市場の可能性

2018年6月8日

失敗続きの“未来住宅”を変える兆しが見えてきた」では、これまでのIoT住宅で大きな課題となっていた企業間を横断した機器や設備の連携について、電子情報技術産業協会(JEITA)の取り組みを紹介した。今回は、住宅内のプラットフォーム化と、IoT住宅を成功させるうえで要となるサービスやコンテンツについて紹介する。

ひそかに構築進む住宅内プラットフォーム

IoT住宅の市場を離陸させるためには、住宅内の機器や設備を物理的に連携させるプラットフォームが欠かせない。このプラットフォームの構築に、多種多様な企業や団体が名乗りを上げている。LIXILやパナソニックのように、既に具体的な製品を発表している企業もある。

経済産業省の動向は注目に値する。表立ってIoT住宅のプラットフォームを構築するとはうたっていないが、ひそかに下地づくりを進めようとしているように見えるからだ。経産省が推進しているZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の支援事業はそんな状況がうかがえる一例だろう。

ZEHはエネルギー基本計画を基に、国が掲げるエネルギー削減量の目標達成を主な目的とした支援事業だ。住宅を高断熱化したうえで、高効率設備の導入や太陽光発電システムの設置などで、正味のエネルギー消費量がゼロになる家づくりを推進している。

一見IoT住宅とは関連がなさそうだが、2018年度の支援事業で結び付きの一端が見えた。従来のZEH仕様よりも高性能な仕様に当たる「ZEH+」の選択要件に、高度エネルギーマネジメント(高度エネマネ)機器の設置を盛り込んだ点だ〔図1〕

〔図1〕2018年度の支援事業では、従来のZEHを上回る上位クラスとしてZEH+を新設した。「高断熱化」「高度エネマネ」「電気自動車対応」の3つの要件から2つを選択する。高度エネマネは、住宅内の冷暖房設備や給湯設備などの制御が可能だ(資料:取材を基に日経ホームビルダーが作成)
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高度エネマネ機器はHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)がベースとなっているもので、ECHONET Lite(エコーネットライト)に対応している。太陽光発電システムが発電した電力を把握できるだけでなく、住宅内の冷暖房設備や給湯設備などの制御が可能だ。

この高度エネマネ機器が新築時から住宅内に設置されていれば、居住者は新たな機器の導入といった手間やコストをかける必要はない。つまり、ECHONET Liteをベースにプラットフォームが既に構築されている状態となるため、その上で提供されるサービスであれば、居住者は別途機器などを用意することなく新たなサービスを追加して利用できる状態にある。

この状況はスマートフォンに似ている。高度エネマネを搭載したZEH+の建物が、スマートフォンに相当する。スマートフォンでは購入後、利用者の好みのタイミングで気軽にアプリをインストールできる。同様に、居住者はECHONET Liteに対応したサービスをライフステージに合わせて気軽に追加できるようになる。

さらに、電子情報技術産業協会(JEITA)が整備に取り組むメーカーや機器間のデータ属性を共通化したデータカタログと連携できるようになれば、ECHONET Liteを越えた居住者向けのIoTサービスを提供することも可能になる。室温や入居者の状況などを判断して自動で風呂のお湯張りをするといったサービスはその代表例だ。

要はサービスとコンテンツ

IoT住宅を成功させるためのカギは、やはり、サービスとコンテンツにある。プラットフォームを構築できても、その上で活躍するキラーサービスやコンテンツが誕生しなければ市場は活性化しない。

キラーサービスなどを生み出すには、2つの条件があるとみる。1つは、三方よしのビジネスモデルの構築。もう1つは、住空間の定義の一新だ。

「三方よしのビジネスモデル」とは、筆者が取材を通じてまとめた考え方だ。黎明期において住宅向けIoTサービスが成功するためには、利用者の利便性、提供者の利益、そして、社会貢献の3点が並立していることが重要となる〔図2〕

〔図2〕黎明期における住宅向けIoTサービスは、利用者の利便性、提供者の利益、そして、社会貢献の3要素が満たされていることが重要(資料:日経ホームビルダー)
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利用者の利便性や提供者の利益は当然のこととして、もう1つの社会貢献がなぜそれほどまでに重要なのか。それは、サービスやコンテンツの必然性に換言できる。例えば、昨今話題となっている宅配事業者の再配達問題。このような社会問題を解決するサービスやコンテンツであれば、社会的に受け入れられる確率が上がり、利用者も興味を持ちやすい。

固定概念の枠を取り払え

もう1つの条件である「住空間の定義の一新」の例としては、テレワークによる自宅の職場化が挙げられる。これまでプライベートな空間として位置付けられていた住宅が、IoTの力で職場という役目も担えるようになる。遠隔医療などと組み合わせれば、住宅は病院にもなる。従来の住空間という固定概念を取り払ったサービスやコンテンツを生み出さなければ、世界は広がらない。

このような考え方を取り入れた構想は、既に住宅業界の外で提案されている。17年の東京モーターショーでホンダがコンセプトモデルとして展示した「家モビ」はその端的な例といえる〔写真1~4〕。ホンダのものづくりは常に人を中心に据えている。その一環として提案した家モビは、部屋の一部が車となって移動できる未来像を描いていた。

今後さらに多種多様な企業が住宅業界に参入し、IoT住宅では色々なサービスが誕生するだろう。過去に花開かなかった未来住宅の二の舞とならないように、垣根を越えて企業が連携し、スマホのように利用できるIoT住宅の実現を願っている。

〔写真1〕ホンダが2017年の東京モーターショーで展示したコンセプトモデルの「家モビ」。建物の隅部にある1部屋が電気自動車になっていて、切り離せる。写真中央部の部屋が電気自動車に当たる(写真:安井 功)
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〔写真2〕玄関側から見ると、自動車が建物の一部として組み込まれているのが、どことなく分かる(写真:安井 功)
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〔写真3〕写真の左奥が「家モビ」の電気自動車の部分。手前のリビングの床面と段差がないので、小さく区切られた部屋のように見える(写真:安井 功)
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〔写真4〕電気自動車を兼ねる室内を見ると、運転席部分に大型のディスプレーとハンドル、運転用の椅子が設置してあった(写真:安井 功)
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